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うまべぇPRからポスターデザインまで!経験を活かし、市民に寄り添う美大出身ママ

美術大学卒業後、児童館で子どもたちに図工を教えていた山下さん。東大和市へ転職後は、市の観光キャラクター「うまべぇ」のPR活動に奔走し、認知度向上に貢献したり、デザインスキルを活かして、市民へ伝わりやすい情報発信にも取り組んでいます。

様々な経験をしてきた山下さんに、業務内容や仕事への向き合い方、市民や地域への貢献に対する思い、出産前後の職場のサポート、そして子育てしながら働くことについて、お話を伺いました。

※本インタビューは令和6年11月に実施したものです。

ー経歴をお聞かせください。

山下:絵画や造形物、ものづくりが好きだったことから、美術大学に進学しました。また、子どもと接することが好きで、学生時代は幼稚園の放課後絵画教室でアルバイトをしていました。

卒業後は、子どもたちに、ものづくりの楽しさを伝えたいという思いから、都内の区部の児童館で4年間、図工を教える仕事をしました。

その後、平成25年に東大和市に入庁。産業振興課、教育指導課を経て、今年の4月から保育課に配属になりました。

ー市職員を目指したきっかけを教えてください。

山下:大きく二つあります。一つは児童館で働いていた時に、区役所の職員や地域の方と、ものづくりのイベントを企画したことで、自治体の仕事に興味を持ったことです。

もう一つは、その当時の勤務先が遠かったことです。仕事は楽しくて毎日充実していましたが、通勤時間が往復3時間で、ずっと続けるのは厳しいと感じていました。

そんな時、兄から「せっかく自治体の人と関わっているんだし、近くの自治体を受けてみるのもいいんじゃない?」と勧められました。

それが28歳の時です。28歳でも受けられる自治体を探したところ、東大和市を見つけました。中途採用に力を入れていると打ち出しており、私の経験も強みとして見てくれるのではないかと考え、受験しました。

ー産業振興課と教育指導課ではどのような仕事に携わりましたか?

山下:産業振興課では商工観光係で、お祭りやイベント、フォトコンテスト、といった市の魅力をアピールするイベントを、市民の実行委員会と一緒に開催しました。実行委員の方々は仕事などで事務作業に専念できないことが多いので、業者の手配や資料作成などをサポートしていました。

一番大きなお祭りは、「うまかんべぇ~祭」というグルメコンテストでした。地産の食材を使ったご当地メニューを作ろうという企画から始まったもので、今では様々なお店が出店したり、ステージで市民団体が発表したりするような、市を代表するお祭りになっています。

▶️ 参考:うまかんべぇ〜祭 令和6年度の開催概要

山下:教育指導課では指導係で、教科書採択、スクールカウンセラーやALT(外国語指導助手)などの人的配置、音楽鑑賞教室や書初め展の実施、教育相談機関の運営補助など、子どもたちの学ぶ環境を向上させたり、先生方の負担軽減など学校の環境を整える仕事を行っていました。

例えば、教科書採択では事務局として事務手続を行ったり、教科書を選定委員の方々に直接お届けしたり、図書館で展示して市民の方に意見を募集したりしました。

ー現在所属されている保育課での仕事についてお聞かせください。

山下:保育・幼稚園係に所属しています。係は5人で、私は幼稚園担当です。他の2人は保育園の入園手続、もう1人は保育料の賦課・徴収を担当し、係長が全体をまとめています。

私の主な業務は、幼稚園の無償化に関する事務です。保護者からの申請を受け付け、内容を確認して認定を出します。そして、幼稚園から提出される預かり保育や給食の利用状況を集計し、補助金の支払額を算出した後、支払手続をします。

補助金は、前期(4月〜9月)と後期(10月〜翌年3月)の2回に分けて支払います。10月は、前期分の補助金を計算し、誤りが無いかをチェックしています。約600件の申請を、会計年度任用職員の助けを借りながら、私自身が全件チェックしているため、忙しい時期です。

ー現在の1日の流れをお聞かせください。

山下:日によって違いますが、基本的には8時半に出勤し、課の朝会で1日のスケジュールを共有します。その後、メールチェックを行い、東京都から届く大量のメールに目を通し、必要な対応をします。10月は補助金の支払い時期なので、算定基準や提出書類の確認も行います。

私は部分休業という制度を使用しているので、定時より1時間早い16時15分に退勤し、保育園に子どものお迎えに行きます。

ー子育てに関して利用している制度は、部分休業のほかにありますか?

山下:子どもの看護休暇を利用しています。夫も東大和市の職員で、同じ日数を取れるのでとても助かっています。ただ、子どもがよく熱を出したりするので、あっという間に消化されてしまいます。

また、夫も部分休業をとっていて、朝は夫が子どもを保育園に送ってから出勤する、といったように協力して子育てをしています。

ー子育てしながら働くことに関して、感じることや意識をしていることなどを教えてください。

山下:正直、幼い子どもを育てながらフルタイムで働くのは大変なことも多いです。窓口や電話対応で退勤時間を過ぎてしまい、保育園のお迎え時間がぎりぎりで走って帰ることもあります。時間に制限があるので、できるだけ効率良く仕事を進められるよう常に意識しています。もちろん想定どおりにいかないことも多々ありますが…。

仕事や子育てで気持ちに余裕がなくなってしまった時は、職場に子育てしながら仕事をこなしてきた先輩ママやパパがたくさんいるので、先輩たちに愚痴をこぼしたり相談にのってもらったりしながら、仕事と子育てのバランスを取っています。

ー東大和市で働く中で、印象に残っていることを教えてください。

山下:教育指導課に在籍していた時に妊娠したのですが、つわりが産むまで続きました。仕事に集中できなかったり、早退をせざるを得なかったり、目標を達成できなかったりと、辛い1年間でした。そんな中、係長や同僚が体調を気遣い、仕事をフォローしてくれたことが、とても嬉しく心に残っています。

出産前後の2年間、育児休業などで職場を離れていました。復帰後は、庁内の会計システムが変わっていて伝票の作り方が分からないといったこともありました。そのような時も周りの人達が支えてくれ、たくさん助けていただきました。

ー仕事の面白さや、やりがいをお聞かせください。

山下:市役所の仕事は、売上や顧客を増やすといった、わかりやすい数値に反映される仕事よりも、最適化を目指していくような仕事が多いと思います。

ミスなく、正確に業務を遂行していく中で、どのようにやりがいを見いだすか。私の場合、「自分の中で小さな目標を立て、達成することで小さな達成感を積み重ねていく」ことでやりがいを見いだしています。

例えば「予算を少し縮小できた。」「事務処理を去年より円滑に進められた。」「時間を短縮できた。」などです。市民の方と直接接する機会が少ない時でも、自分の仕事が少しでも役に立っていると感じられます。

また、難しいと思われることの多い行政からのお知らせを、イラストやデザインの力でわかりやすく伝えたいと思っており、教育指導課の教育相談室や適応指導教室(サポートルーム)のパンフレットのイラストを描いたり、保育課でベビーシッター募集のポスターを描いたりしました。

特技や経験を活かして、少しでも役に立てれば嬉しいですし、それがやりがいに繋がっています。

ー目標を立てて小さな達成感を積み重ねるというのは、いつ頃から意識するようになりましたか?

山下:教育指導課に在籍していた頃かもしれません。産業振興課では、イベントの実行委員や参加者など、市民の方と接する機会が多く、反応を直接見ることができました。

教育指導課に異動し、市民の方と直接関わる機会が減りました。学校の管理職の先生とのやり取りがメインになり、仕事の先にいる子どもたちの反応も見えにくかったです。

そこで、自分の中で小さな目標を立て、達成することでモチベーションを維持しようと考えるようになりました。

ー仕事をされた中で、大変だったことは何でしたか?

山下:産業振興課に在籍していた時に「うまべぇ」のPR活動に奔走したことです。入庁1年前に観光係ができたばかりで、何もかも手探りの状態でした。その中で、うまべぇの認知度を上げようと、街頭PRやイベント参加など、様々な活動を行っていました。

特に大変だったのは、羽生市で行われたキャラクターさみっとと、浜松で行われたゆるキャラグランプリに2日連続で参加したときです。羽生市でのイベントを終えた後に、一旦市役所に戻ってからすぐに浜松市へ向かうという強行スケジュールで、体力的にも精神的にもきつかったです。

ただ、その甲斐あってうまべぇの認知度は、飛躍的に向上しました。子どもたちがうまべぇを見つけたら、「うまべぇだ!」と喜んでくれる姿を見て、大変だったけどやってよかったと感じました。

メンバーに恵まれていたことも、乗り越えられた大きな要因の一つです。1人ではとてもできなかったと思います。

山下:うまべぇは「うまかんべぇ~祭」から生まれたキャラクターです。東大和市には、お客さんを料理でもてなす際に、最後にうどんを振る舞う風習があり、うどんの器のお椀をモチーフにしています。市内のイラストレーターさんがデザインをしてくれました。

ー山下さんから見て、東大和市はどんな街ですか?また、東大和市はどんな職場でしょうか?

山下:「ゆったり日和 東大和」というロゴマークのとおり、ゆったりとしていて、のんびりとした心地良い街です。地域の方々も、東大和市を良くしていこうという気持ちを持って活動されている方が多く、温かいと感じます。

山下:職場としては、一言で言うと、みんな一生懸命だと思います。目標を持っていたり、自分の仕事に誠実であろう、少しでも良くしようという気持ちを持って仕事をしているように感じます。

最後に、就職活動中の方や転職活動中の方にメッセージをお願いします。

山下:職員には、大学を卒業してすぐ入庁する人もいれば、警察官、自衛官、銀行員、化粧品販売員、小学校教員など、様々な経歴を持った個性豊かな人がたくさんいて、面白い職場です。また、今までの経験を活かせる職場でもあると思います。

例えば、教育指導課の同僚にアルティメットというスポーツを学生時代から続けている職員がいるのですが、子どもたちを対象としたアルティメット体験イベントを開催した際、プレーヤーとして参加してイベントを盛り上げていました。イベントをきっかけに、アルティメットの認知度が向上して、小中学生を中心としたチームが発足しました。

元営業マンの人は、窓口対応がとても丁寧で、わかりやすい説明をしていて、私も見習わなければと思っています。また、私も前職でのイベント運営の経験やイラストを描くスキルが仕事に活かされました。

今、就職活動や転職活動をしている皆さんも、自分の強みや今までの経験をアピールして、この面白い職場の一員になっていただけたら嬉しいです。

ーありがとうございました。

この記事は2024年12月14日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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