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子どもの主体性を重視した保育を目指す~滋賀県栗東市の10年目保育士の働き方とは?~

滋賀県栗東市で保育士として働く真田(さなだ)さんに、これまでの経歴や仕事内容、職場環境についてお話を伺いました。

—はじめに、これまでの経歴を簡単にご紹介ください。

真田:短期大学を卒業後、2014年に滋賀県栗東市に入庁しました。地元が栗東市の隣の市ということもあり、より身近に感じていました。また、自然豊かなのどかな場所で保育をしたいと思っていましたので、栗東市とご縁があったのだと思います。

入庁後の経歴については、はじめに大宝西保育園に4年間勤務したのち、葉山幼児園に異動になり現在6年目になります。栗東市には公立の園が11ヵ所ありますが、平均3年ほどで異動になる職員が多いです。ですので、私の場合、葉山幼児園での勤続年数は少し長めだと思います。

—現在、受け持っているクラスについて教えてください。

真田:今は27人の園児が在籍する5歳児のクラスの担任をしています。特別支援加配担当の職員も含め3名の保育者で保育をしています。5歳児は2クラスあります。

他の学年については、4歳児(25人)が2クラス、3歳児(15人)が4クラス、2歳児クラスや0~1歳児クラスもあります。保育者は35人在籍しているのですが、その中には、午前中だけ勤務する職員や夕方以降のみ勤務する職員も含まれています。

その他、フリーの職員2名は、活動内容に応じていろいろなクラスの手伝いに入っています。

—受け持つ担任のクラスは毎年変わるのでしょうか。

真田:どの学年を受け持つかは、あらかじめ決まっているわけではありません。私の場合はたまたま持ち上がりですね。昨年4歳児クラスの担任をしていて、今年5歳児クラスの担任を受け持っているんですが、担当している子どもたちは同じです。

一方で、0歳児クラスを受け持っていた職員が翌年度からは5歳児クラスの担任になることもあるので様々だと思います。

—これまで何歳児の担任を勤められましたか。

真田:大宝西保育園と葉山幼児園に勤めて10年になりますが、全学年の担任を経験しました。

—葉山幼児園での保育の方針について教えてください。

真田:栗東市では人権尊重の取り組みが進められているので、園のほうでも「子どもの人権を大切にした保育」を目指し、職員間で人権研修などが行われています。また、保護者の方に対しても人権啓発を行い、子どもの人権をしっかり守って保育を進めています。

去年の取組みになりますが、園で行った人権啓発としては、隣の小学校の校長先生に来ていただき、心あたたまる話を交え「子どもの人権を守っていきましょう」と保護者に話をしてくださいました。また、人権啓発に関する絵本などの紹介をしてくださいました。

今年度は、子どもたちの主体性を重視し、非認知能力を高められる保育を目指し取り組んでいます。そのために色々な環境を準備し、どんな遊びが子どもたちの力に繋がるか遊びの中の学びについて職員間で考えています。

—具体的に非認知能力を高める保育内容について教えてください。

真田:遊べる環境を工夫しながら、子どもたちが主体的に考えて試行錯誤しながら新たな一歩を踏み出せる保育を考えています。

今までの保育では、「折り紙するよ」と一斉に声掛けをしていました。非認知能力を意識した保育では、子どもたちが自分たちで「やってみたいな!」と思ったり、「これはどうなってるのかな」と考えて試したりできるような環境を整えることが大切だと思っています。

—保育方針はどのように定められているのか教えてください。

真田:就学に向けて私ひとりだけが子どもたちと関わるのではなく、学年の先生や他のクラスの先生と共有しながら進めています。例えば、子どもたちひとりひとりにおいて、就学までに育みたい力を付けるため、「どうしていったらいいかな」「この時期にはこういう事をやっておくといいね」など職員間で相談して進めています。

クラスや学年など子どもによって違いがあるので、「もう少しこうした方がよかったかな」など反省点を話合う時間も設けています。

また、自分が担任をしているクラスの保育を他のクラスの先生に見てもらう園内研究が年に1回あります。そこでは、保育についてのアドバイスをいただいたり、他のクラスの先生の保育を見て学ばせていただいています。

ベテランでも1年目の若手でも保育歴は関係なく、「こうしたらもっと子どもたちが喜ぶんじゃない」など、良い保育をするために気づいたことを発言できる環境だと思います。

—栗東市ならではの保育や経験について教えてください。

真田:想像していたとおり、のどかな場所です。お散歩では、自然にたくさん触れながらのびのびと子どもたちと保育を楽しむことができています。また、研修など保育以外の部分でも多くのことを学べていると感じています。

—保育士としてのやりがいを教えてください。

真田:大変なこともたくさんある職業ですが、子どもたちの笑顔が見れることが嬉しいですし、パワーをもらっています。今までできなかったことができるようになったときに「先生、見て見て!」と言ってくれたり、何かを発見して驚いたときの子どもたちの表情を見るのがとても嬉しいです。

—新任の先生への教育体制は整っていますか。

真田:講師の先生が来て保育内容をみてくださるなど、新任への保育研修は手厚いと思います。園内では、同じ学年の先生と相談しながら具体的な活動を進めていきます。ちょうど去年、4歳児の担任をしていたときに隣のクラスに新任の先生が着任されました。

新任の先生のクラスに特別支援加配担当の先生も入っていたので、その先生に教わりながら一緒に保育を行い、学んでいっておられました。特定の先生が1対1で指導するというより、学年の先生たちみんなで新任の先生をフォローするという感じです。

—働き方やお休みについて教えてください。

真田:出勤については、大きく分けて早番と夕番のパターンがあります。早番は早朝の当番業務を担当していて、遅番は夕方の当番業務を担当しています。基本的には子どもが来る時間に合わせてシフトを調整していて、早番のなかでも少しずつ時間をずらしての出勤になります。

シフトは前月の月末に決定し、当番制になっています。当番は毎日あります。土曜保育もやっていますが、その場合は振替休日を別の日に取得することができます。

—職場の雰囲気やプライベートの交流などはいかがでしょうか。

真田:事務作業をしているときに、子どもたちに起きた面白い出来事を職員間で話すことがあります。ですが、ただの雑談で終わるのではなくて「もっとこうしたらいいよね」など、子どもたちの成長に繋がるような話ができるので、良い雰囲気だと思っています。

プライベートの交流については、コロナ前までは忘年会などがあったのですが、コロナ禍になって以来はなかなか全員で集まることが難しい状況になっています。ですが、学年の先生たちと少人数で運動会の打ち上げや卒園式後のお祝いなどで食事には行っています。

—栗東市で働いてみて感じたことやアピールしたいことはありますか。

真田:人権について学ぶ機会が多いことや保育士としてだけでなく、自分自身の学びに繋がることも多いと思っています。自然豊かでのびのびとした保育をぜひ一緒にしていけたら嬉しいです!

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年7月30日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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