風通しの良い職場で入庁1年目から全力疾走〜何でも知ってる心強い専門職のサポートを受けながら〜
令和5年度に奈良県広陵町に入庁後、現在は社会福祉課の職員として働く松永想(マツナガココロ)さんに、入庁のきっかけやこれまでのお仕事内容、職場環境についてお話を伺いました。
—はじめに、これまでの経歴を簡単にご紹介ください。
松永:奈良教育大学を卒業後、令和5年度に奈良県広陵町に入庁しました。現在2年目になります。
—教師ではなく、公務員を選ばれたんですね。
松永:当初は教師を志していました。
2年生の冬くらいから、奈良県にある⼀般社団法⼈地域づくり⽀援機構に所属し教育面において、行政や地域の力も非常に重要であることを知りました。
最終的に幼稚園、小学校、中学校、高校のすべての教員免許を取得しましたが、私は教師になるよりも行政に所属したほうができることは多いのではないか、という気持ちが大きくなりました。子どもたちと直接接するよりも子どもたちが元気に育つことのできる環境作りに携わりたい。これが、教師ではなく公務員を目指したきっかけです。
—広陵町を選ばれた理由を教えてください。
松永:出身が広陵町であるからです。3歳のころから20年間暮らしていますので迷いはなかったです。就職活動当初は併願すらせず、地元である広陵町にしか出願していなかったくらいです。
—試験に向けて行った対策を教えてください。
松永:実際に準備を開始したのは4年生になってからです。広陵町の筆記試験はSPI試験と小論文だけだったので何とか間に合わせることができました。一方で、二次試験と最終試験は面接試験でしたので、対策に十分な時間をかけていました。
—入庁後に配属された社会福祉課では、どのようなお仕事をされていますか?
松永:社会福祉課には、主に⽣活保護業務と障害福祉業務があります。昨年の1年間は生活保護業務を担当し、今年の4月から障害福祉業務を担当しています。
生活保護については、相談窓口に来られる住民の相談に乗って、何に困っているかなど生活実態を確認します。その結果を生活保護の支給の決定権者である奈良県に報告します。簡単に言うと、申請者と県のつなぎの役割を担っています。
財産があるといった理由などで要件を満たさずに奈良県につなぐことができないケースがありました。しかし、実際は生活に困り窓口へ相談に来られているという背景を考えると、奈良県につなぐことのできなかった住民への支援こそが広陵町の役目だと感じています。
相談者が困っていることを解決できるところはどこなのか。町ではどのようなサポートができるのか確認することがメイン業務でした。
今年の4月からは障害福祉の業務係で、手帳の交付や医療関係に係る事務を担っています。窓口で相談業務を行っている時間よりも事務作業を行っている時間の方が割合としては多いです。
—仕事はどのように覚えていきましたか?
松永:社会福祉課には、一般職だけでなく専門職の精神保健福祉士がいますので、配属当初は、課の先輩に窓口対応や制度のことなどを教えて頂きました。座学の研修があるわけではないので、実際にケース対応に入って仕事を覚えていました。
求められていることは相談内容によって変わってきますので、その都度、関係する課と協力して、数をこなして覚えるしかないです。けんこう福祉部には専門職の方がたくさん在籍していますので、親身に相談に乗ってくれます。自分で調べてもなかなかたどり着けないような制度やワードをすっと教えてくれるので心強かったです。
私の場合は、元々、家庭科教育を専攻していましたので、社会福祉制度はある程度は学校で習っていましたので、取っ掛かりやすさはあったのかもしれません。
今年の4月から担当している障害福祉業務については、1年目と仕事内容はがらっと変わりましたが、1年間隣の係で仕事ぶりを見てきましたので、全く何も分からなかった1年目よりも精神的には楽な状況ではあります。
生活保護業務を行っているときには障害福祉業務の職員に力を借りる場面が多かったので、知識もゼロではなかったです。とはいえ、専門的な知識についてはまだ不足しているので、今年1年間は勉強の年になると思います。
—仕事をするうえで心掛けていることはありますか?
松永:ケース対応するときに、自分ではない人が担当していればもう少し楽になれたのに、とは思ってほしくないという気持ちが強かったです。なので、とにかく全力で取り組むようにしていました。
こちらの対応によって相談者の人生を左右してしまうこともあるので、過去の相談記録で類似ケースを見つけて、そのときの対応内容を予め頭には入れておく、といった作業は必ずするようにしていました。新人であることは相談者にとって一切関係ないですからね。
—生活保護業務の担当者は何名体制ですか?また、仕事の振分けはどのように行っていますか?
松永:担当の職員は2人です。相談件数も多いので、それぞれが別のケースを担当するようにしていました。ただ、自宅を訪問するような時には、何か問題があったらいけないので、1人ではなく2人で行くようにしていました。また、仕事の進捗をお互いに全く知らないという状況にはならないように、情報の共有はしっかりしていました。
—研修について教えてください。
松永:事務対応・窓口対応などの新規採用職員向けの一般的な研修は受けました。専門的な研修については各自が見つけて受講することになっています。
業務知識が多岐にわたる生活保護担当者用の研修はないので、昨年はあまり受けなかったのですが、今年から担当している障害福祉業務については研修がたくさん用意されているので、今年は活用しようと考えています。
—入庁前に抱いていたイメージとのギャップはありますか?
松永:子どもが育つ環境を行政サイドで作りたい、という思いで入りましたが、配属が社会福祉課なので、あまり子どもとは関係のないことが多いです。ギャップというほどではないですが、思っていたことが必ずできるわけではないと思うようになりました。
それはそれで、こんな資格を取りたいとか、こんな制度を理解できるようになりたいとか、新しい目標が次から次にでてきている状況です。
—異動によって定期的に職種が変わるのが一般的な公務員の姿だと思います。このあたりについてはどのようにお考えですか?
松永:率直に言うと異動になると寂しいです。去年1年は本当に追われているだけでしたが、仕事にも慣れてきて、今は仕事がだんだんと楽しくなってきているからです。福祉系の資格も新たに取ろうと考えています。
ただ、福祉以外の課に異動になったとしても、資格を活かすことはできると思いますし、新しい課で新たに興味を惹かれることに出会えるのであれば、異動もいいかなと思います。
—ちなみにどんな資格を目指されているのですか?
松永:社会福祉士です。資格を取得するためには、1年間講習会に参加する必要があるのですが、来年は勇気を出してそれに応募したいと考えています。
—残業状況や休暇の取得状況はいかがでしょうか。
松永:窓口業務が多い課なので残業はあります。日中に事務を進められなければ、残ってでもやらなければならないこともあります。自分でスケジュールをたてて淡々と事務を進めることのできる課ではない以上、残業は致し方ないと思います。
一方で、休暇は非常に取得しやすいです。無理をせずに仕事ができる環境は整っていると思いますよ。
—職場の雰囲気を教えてください。若手が意見したり提案したりすることはできますか?
松永:年齢は1番下ですが、上司は私の意見をよく聞いてくれていると思います。また、プライベートの話もよくしているので、コミュニケーションは取りやすいですし風通しは非常に良いです。
—広陵町の魅力を教えてください。
松永:面倒見のいい優しい住民の方が多いと思います。みなさん、地元への関心も高いですね。心温かく過ごしやすい町だと思いますよ。
私は広陵町しか知らないので、他の自治体と比較することはできないですが、仕事はしやすいですし頼れる人も多いので、公務員を目指す人にはぜひ広陵町をおススメしたいです。
広陵町出身ではない職員もいますが、役場に馴染んでいますので、全く心配する必要はないと思います。仕事をするうえで必要となる広陵町の知識は、いくらでも詳しい人がいるのでその人に聞けばいいですよ!顔の広い職員といっしょに町のイベントに行けばすぐに友達もできるはずです。
広陵町は、県庁や市役所ではなく役場なので、町民との距離も職員間の距離も近いです。人のために何かしたいという人は非常に力強いパートナーになれると思うので、ぜひいっしょに働きたいと思います!
—本日はありがとうございました。