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土木技師が都市整備カフェで意見交換??〜横のつながりを作りたい。新潟県上越市の土木技師の働き方〜

新潟県上越市役所にて土木技師として働いている稲田さん。土木技師として入庁した経緯や、自治体土木職としてのやりがいのほか、ちょっと変わった土木技師間のコミュニケーションなど、ご自身の経験を基にお話しいただきました。

—はじめに、自己紹介とこれまでの経歴を簡単に教えてください。

稲田:平成29年度採用で今年8年目になります。生まれも育ちも上越市でしたが、福島県の大学に進学したため、そのタイミングで初めて市外にでることとなりました。
大学では工学部土木工学科を専攻していました。

大学卒業後は再び地元上越市に戻り、上越市役所に入庁しました。下水道建設課に4年、都市整備課公園管理係に2年在籍し、現在は河川海岸砂防課に所属して2年目です。

—土木に興味をもったきっかけは何だったのでしょうか?

稲田:実家の近くに祖父が住んでいたのですが、祖父は左官の仕事をしていました。

小さい頃から祖父が左官として働いている姿を見てきたので、昔からなんとなくそういう方面の仕事が格好いいなと思っていたところがあります。明確にやりたいことが決まっていたわけではなく、漠然とした思いでしたが大学選びのきっかけにはなったのかと思います。

—大学で地元を離れた際、どのようなことを感じましたか?

稲田:ずっと住んでいた地元を離れたことで、視野がとても広がったという感覚があります。生活面でも周囲の環境面でも色々な刺激を受けたため、結果的に学べたことが多かったなと思います。

あのタイミングで地元を出たからこそ、結果的に地元で働きたいという考えに至ったのかなと思っていますね。

大学時代には、卒業後そのまま県外で就職するのか、あるいは地元に戻るかということを落ち着いて考える時間を持てました。土木工学に関する勉強ももちろん楽しかったのですが、それ以上に大きな収穫を得られた4年間だったと感じていて、両親にもすごく感謝しています。

—就職活動では最初から公務員を志望していたのですか?

稲田:地元で働くということは決めていましたが、公務員一択というわけではなく、ゼネコンや工務店といった民間企業も視野に入れながら検討しました。最終的に公務員を選んだ理由は、色々なことに携われる職場であるという点が大きいですね。というのも、私自身の性格として飽きっぽいところがあるなと思っていまして(笑)

私の偏見も多少あるのですが、民間企業では土木職として一つの仕事を長く突き詰めるといった印象を持っていました。プロフェッショナルという点ではそういう働き方への憧れもあったのですが、土木関係という枠の中でも、様々な部門を経験できるという点で市役所に魅力を感じました。

実際に、入庁時には希望していた建設関係の部署となり、次に維持管理の仕事、現在はまちづくりのための計画的な領域と、まさに色々なことが出来ていて、日々学びのある毎日ですね。

—土木職という共通点があっても、やはり部署により業務内容は大きく変わりますか?

稲田:そこはやはり変わりますね。それこそ、異動してすぐは戸惑うことが多いかと思います。ただ、必ず経験値は増えていくので、後からその経験が生きてくるっていうのは日々感じています。

—入庁後の研修制度やフォロー体制はいかがでしたか?

稲田:研修については思った以上にたくさんの研修を受講することができていると感じています。新採用のときは自分で選べるという感じではありませんが、2年目以降は比較的自分の意向に沿って受けられると思います。上司からも、他自治体と交流の機会にもなるからと、色々な研修に行くことを勧められます。

また、入庁して半年くらいの期間は基本的にマンツーマンで先輩職員がつき、指導していただけるのでOJTで業務について学ぶことができます。私自身は入庁して業務を習得していくのに不安を感じることなく働ける環境だったと思っています。

—土木職員同士は、例えば他部署であっても関わりはあるのですか?

稲田:まさにこの3、4年ですごく良い取り組みが出来ています!土木職技術職の有志で、飲み会ではなくお菓子とかマックを食べながら雑談のように喋る場というのを定期的に開催しています。「都市整備カフェ」と名付けてられています(笑)

同じ課でも隣の係の業務内容が分かっていないことがあり、それは良くないよねといった問題意識から始まり、少し上の中堅職員の方々が主導して具体化にいたりました。私としてはすごく話がしやすく、横のつながりが持てる貴重な場になっています。

実はこの取り組みの背景には年代的な問題意識も関係しています。現在30代以下といった年代の職員が非常に少なく、それこそ私も同期で同い年がおらず、年代もバラバラでした。同年代に人数が多いと自然と同職種間で横のつながりもできるかと思うのですが、そうでない場合は、意識的に行動しないとなかなか横のつながりを作る機会というのはありません。その、意識的な行動も上手くかたちにしたのが都市整備カフェですね。

ちなみに名前の意図としては、お酒を飲む場になるとちょっと抵抗ある人もいるのではないかという思いがあり、カフェくらいの感覚でやろうという気持ちで名付けました。月に1回くらいの頻度で集まっていて、1人500円を出してお菓子を買ってフランクに話す場になっています。

例えば市外に出向している職員の話しを聞く回にしたり、先輩職員の昔のエピソードを聞く回にしたり、テーマは様々ですね。

名前は都市整備カフェですけど、他の課の人たちも呼んで若手職員だけで各自の業務紹介を行ったりもします。

新卒の方などは、初めて働き始めたときにどこの部門がどういうことをやっているか分からないことが不安だったりするじゃないですか。そういう不安感を堅苦しくない感じで解消できる取り組みなので、これからも継続してもっと広がっていくと良いなと思っています。

—土木職としてのお仕事内容や魅力について教えてください。

稲田:下水道建設課では、地中に埋設する下水道管整備の設計・監督業務を行ないました。地面の下なので、成果がなかなか目には見えない仕事ですが、住民の生活を支えるインフラを作っているという点をすごく魅力に感じて自分で配属の希望を出した課でした。

都市整備課公園管理係では、約140の公園の現地を回ってベンチや柵などの設置場所を図面に落とし込んでいく仕事を1年かけて行ないました。これも住民の目に触れる仕事ではありませんが、継続して維持管理していく上ではとても大切な資料だと理解していたので、後に残せる業務に従事できたと感じています。

現在所属している河川海岸砂防課の保倉川放水路沿川まちづくり推進室では、まちづくりの観点で住民の方々と対話をしながら進める仕事をしており、これまでとはまた異なる計画的な視点で土木の仕事に携わっています。

全ての仕事で多くの学びがあるとともに、視点は違っても最終的には地元の生活インフラに様々なかたちで携われていることが、私にとっては大きな魅力ですね。

—最後に、求職者の方々にメッセージをお願いいたします!

稲田:就職をする上で重視したい軸だけはしっかり持つのが良いかと思います。自分がこれは絶対に実現したい、譲れないと思えることがあれば、何か他の点でちょっと違ったなと思うことがあっても頑張れるじゃないですか。

現実問題として、全てのことが思い描いた通りという仕事はなかなかないと思います。だからこそ、自分は何だったら、あるいはどういう状態だったらモチベーション高く働けるのかっていう点が定まっているといいのかなと。

例えば私は自分が飽き性だと思っているので、色々なことが経験できる環境というところを重視して、結果これまで楽しく働けています。ワークライフバランスも大切な軸の一つでしたが、上越市役所で働き、それも実現できています。

もしご縁がありましたら上越市役所を選んでいただき、一緒にご飯やお菓子を食べながらお話ししましょう(笑)

—どうもありがとうございました。

この記事は2024年7月4日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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