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現場に趣き、対話を重ねる〜土木職員として、円滑に進めるために20年間心がけていること〜

青森県藤崎町の建設課建設係で土木職員として働く藤田さんに、業務内容や仕事に対する考えについてお聞きしました。

ー今までの経歴をお願いします。

藤田 :大学卒業後、合併前の常盤村、現在の藤崎町に土木職員として平成11年に採用され、今現在に至ります。入庁後は建設課と上下水道課の二つの課で工事関係を中心に仕事をしてきました。

ーなぜ公務員、藤崎町への就職を決めたのですか。

藤田 :公務員という安定した職業が魅力であったのが第一です。ただ、安定面だけで選んだわけではなく、民間企業の就職活動もしていて企業へ実際にお話を聞きに行ったり、現場の体験をさせていただきましたが「イチからの何かをしたいとなると、計画をできるのは行政しかないんだろうな」と考えるときもあったんですね。

「行政でしかできないものがあるなら、せっかくだったら青森県の中で公務員として働いてみたいな」と思ったんです。そして地元である合併前の常盤村を最終的に選択しました。

ー現在の課の人数や仕事の割り振りを教えてください。

藤田 :建設課は建設係と管理係という2つの係があります。私は建設係ですが、全員で3人です。正規職員が2人、臨時職員が1人です。

土木工事と都市計画が係の大きな柱なのですが、正規職員が今は2人なので、私が土木工事を担当して、もう1人の正規職員が都市計画、という分担になってます。

ー業務内容について教えてください。

藤田 :土木工事は、まず工事を発注するために、設計書などを作成します。そして工事を入札して工事業者が決まったら、色々な打ち合わせをしながら、工事の完成を目指すというのが、簡単な一通りの工事の流れです。例えば今年だと十数件の工事を発注します。

「工事を発注したら、あとは業者が工事をやるんでしょう?」って思ってる方もいますが、それだけではないんです。工事が完成するまでの仕事が重要で、住民の方からのご意見をいただくので、対応していきます。

どのような工事でも必ず住民からの要望や苦情があります。すべての要望に対応することは無理なので、そのなかでどのように住民の方に納得していただけるかが重要だと考えています。せっかくなら、住民も役場もお互い納得したかたちで気持ちよく工事を完成させることを心がけています。

ーどのような場所を工事するのですか?

藤田 :昨年ですと、町道において、舗装や側溝、融雪溝の工事をしましたね。工事場所1ヶ所を集中してやってるわけではなくて、藤崎町全体でバランスを見ながら工事計画を作って進めていってるので、工事場所は色々な地区に及びます。町全体に関われますよ。

ー残業はありますか?

藤田 :工事数が十数件になると、正直勤務時間では処理しきれないボリュームにはなっています。道路の発注を夏前ぐらいに全て行うのですが、この時期がピークであり、結構残っています。

ー新しい方が入ってきたときはどのように仕事を教えますか?

藤田 :私が入ってから、新規採用の方に指導をするタイミングが実は今までありませんでした。そのため仮の話にはなりますが、新規採用の職員が来て、指導をする立場になったとしたら、自分の経験上手とり足取り全て教えることはしないと思います。

「こういった工事のためには、まずこれが必要だよ」と概略は教え、「自分で調べてそれでもわからなければ、聞いてね」という形の指導をするかと思います。

土木の仕事では、工事を発注したら工事業者さんとのやりとりも出てくるんですね。私自身「工事業者さんともちゃんと対等に話ができなきゃいけない」「自分が納得するまで質問しなければいけない」というのはずっと感じています。

最初は新規採用の方であれば、厳しいところもあって、失敗はするかもしれないけれど、それを乗り越えていけば、自分の成長には繋がるだろうなと。なので、全て教えるのではなくて、見守るといいますか、何かあったら助けるよという気持ちで指導すると思います。

ーお仕事をされて印象に残ってることを教えてください。

藤田 :採用されて3年目ぐらいの時に、新興住宅地で融雪溝の工事をやったんですね。そしたら、工事現場のある住民に「役場職員なんて机に座って書類を作って、お茶っこ飲んでるだけで現場のこと何も知らない」って言われて、それがちょっとガツンときてしまって。

そこの工事やってる間は、毎日1回は必ず現場に行こうと思って、行けるときには1日1回必ず行くようにしたんですね。そしたら、さっきの方も含めて、行けば行ったでみんなよく来たなっていう感じで仲良くなるというか、話しかけてくれるというか。「現場はまず知らねばならないんだな」って思いましたね。逆に指導された感じもあって。

そうやって現場に通ったおかげで、住民の方や工事業者の現場監督の方も、困ったときにかなり協力的になって、工事がスムーズに進みましたね。言われた言葉が、20年ぐらい前ですけど、まだ記憶に残ってます。

ーそれを機にお仕事に対する考えは変わったのですか。

藤田 :確かに机だけで仕事をして、あとは工事業者に任せようっていう考えはしなくなりましたね。何かあったら現場に行く。住民から連絡が来たら、現場に行く。やはり直接会って話をすることを心がけるようになりました。

ー入庁前後のギャップはありましたか。

藤田 :役場の中で働いて住民の方は、公務員に対しては厳しいなと初めは感じました。ただ、最近は役場と住民の距離が近くなり、話しやすい雰囲気になってきていますね。

ー藤崎町の暮らしはいかがですか。

藤田 :藤崎町は、弘前市に隣接していて交通の便はいいなと思っています。車さえあれば弘前市までそんなにかからないので、スーパーや病院など生活に欠かせないものは身近にあり、生活はしやすい場所だと感じています。ただ、電車は1時間に1本くらいなので、車がなければ少し不便かもしれないです。

ー藤崎町を目指す方に一言お願いします。

藤田 :おそらく今後は、何か新しいものをつくるより、今あるもののメンテナンスがこれから中心になってくるんだろうなって思ってるんですね。今ある道路を直そうとか、水道管を入れ替えようとか、下水道管を更新しようとか。それらが一大事業になると思います。人々の生活インフラを支える、やりがいのある仕事になると思います。

ーありがとうございました。

この記事は2024年5月14日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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