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「何年経っても魅力的な仕事」24年目の保育士が語る、仕事の喜びと責任、保育への想い

「保育士は命を預かる責任のある仕事ですが、子どもたちの成長する姿や笑顔からたくさんのパワーをもらえるやりがいのある仕事です」そう語るのは、成田市で24年間、保育士を続けてきた副園長。成田市の保育の特徴、保育士としてのやりがい、そしてこれから保育士を目指す人へのメッセージなど、様々なお話を伺いました。

ーご経歴を教えてください。

叔母が保育園で働いていた影響で、子どもと関わる仕事には幼い頃から興味がありました。そして将来の仕事について考えるとき、保育士を志し、短大の保育科を卒業して保育士資格を取得しました。

成田市役所には平成13年に入庁し、今年で24年目になります。成田市には保育園が13園あるのですが、昨年度までは3・4年ごとに市内の保育園を異動しながら、クラスの担任をしてきました。今年度からは副園長として新山保育園に異動し、スタートを切ったところです。

ー就職先に成田市を選ばれたのはなぜでしょうか。

公務員は福利厚生が充実しており、結婚や出産後も安心して長く働き続けられるという印象を持っていました。成田市には、市内の高校に通学していたので馴染みがあり、良い街だと感じていました。また、地元からも車で通勤できる距離だったため、成田市の職員になろうと思いました。

ー今年から副園長になられたとのことですが、今までと比べてお仕事の内容はどのように変わりましたか?

昨年まではクラス担任として子どもたちと直接触れ合う保育が中心でしたが、副園長になり、受け持ちのクラスは無くなりました。現在は、保育や行事運営のサポートをしたり、保育園内が快適に過ごせるよう、環境整備などを行ったりしています。

また、実習生の受け入れや指導、地域の子育て家庭が園に遊びに来る「保育園開放」という事業を通して、保育園を利用する子どもや保護者以外の方と接する機会が増えました。

クラス担任だった頃よりも、園全体として保育を捉えるようになり、子どもたちが生き生きと過ごせる保育について、園長先生や先生(保育士)たちと話し合ったりする立場に変わりました。

ー副園長になることを考えたきっかけはありますか?

経験を積んだら昇進するというのが、私の中で自然な流れでした。そのため、あまり意識をしたことがありません。他の成田市の保育士も似たような考えの方が多いのではないかと思います。

ー今までいくつかの園を異動されたとのことですが、園によってそれぞれ特色はあるのでしょうか?

地域によって特色がありますね。住宅街の中にある保育園もあれば、自然が豊かに広がっている地域の保育園もあります。

自然豊かな地域にある園では、田んぼのあぜ道で遊んだり、近くにある牛舎を見学させてもらうこともあります。住宅街の中の保育園とは少し違った体験ができますね。

ニュータウン地域の中は緑道といって、車が通らない道路が整備されていて、周辺にはたくさんの公園があります。子どもたちは車とすれ違うことなく、安全な緑道を通って近くの公園に遊びに行くことができます。

ー成田市の保育の方針や、特徴をお聞かせください。

成田市では『豊かな人間性をもった子どもを育成する』『生きる力の基礎を培う』という保育方針があります。それに向けて各園が「主体的な保育」を目指しているところです。

子どもたちがやりたいと思ったことをできるだけ実現できるように、どのように環境を整えていくのか保育士みんなで常に考え、話し合いや工夫をしています。子どもたちが自分で考えたり試したりしながら生き生きと遊ぶ姿を保育士も楽しみながら保育をしています。

また、成田市は成田国際空港があるため、国際色豊かな街という特徴があります。実際に成田市に住む外国籍の家庭は多く、保育園でも様々な国籍のお子さんを預かっています。

どのご家庭にも「成田市で子育てしてよかった」と思ってもらえるように、きめ細やかな支援ができたらと心がけています。

ー新人保育士の教育体制について教えてください。

成田市独自の新人保育士の研修が、年3回行われています。園長先生を講師として保育現場に入る前の心構え、子どもや保護者への対応について学びます。保育の事例検討など、新人同士が意見交換でき、交流を図れる機会にもなっています。

その他にも市役所の人事課や保育課とのフォローアップ面談が行われるなど、配属された保育園以外でのサポートも手厚くなっていると思います。

成田市の保育園は、ほとんどのクラスが複数担任なので、一年目は経験豊富な先輩保育士に教えてもらいながら、仕事を一つずつ覚えることができています。

ー新人の方とはどのように関わっていますか?

保育の仕事は、経験から得ていくことが非常に多いので、若い先生たちが子どもとの関わりに悩んでいるときには過去の自分の経験を思い出し、それを踏まえながら一緒に考えることも多いです。一方で、若い先生たちの考え方から新しい発見もあり、刺激を受けることが多くあります。

ー保育士のお仕事の面白さ、やりがいについて教えてください。

やはり子どもの成長を間近で感じられることが一番のやりがいだと思います。初めて歩けた、一人でズボンがはけた、鉄棒で前回りができたなど、昨日までできなかったことができるようになった瞬間は、私たちもとても感動しますし、子どもと一緒に喜ぶことができるのもいいところですね。

幼児になると、友達と時には言い争いをしながらも、協力して遊びを達成することができるようになった姿を見ると、心が成長したなと感じ、それも大きな喜びです。

子どもたちの姿からたくさんのことを私自身も学ばせてもらっていることが多く、何年経っても魅力的な仕事だと思っています。

ーたくさんのことを子どもたちから学ばれたのですね。例えば、どのようなことがありましたか?

やはり友達を思いやる心でしょうか。子どもたちは小さな頃から共に成長していくこともあり、仲間を大切にする心が自然と育っていきます。友達の良さを私たち大人よりも知っていることもあります。

ーお仕事をされてきて大変だったことや、どのように乗り越えてきたかお聞かせください。

保育の仕事は、楽しいことが多いのですが、人と人との関わりの仕事なので、大変なこともあります。

例えば、子どもが物を投げてしまう、お友達にひどいことを言ってしまうといった行動の裏には、その子の心の動きがあります。子どもの言動の裏にある本当の気持ちに気付いて寄り添う援助をしていくのですが、ときには難しさも感じます。

また、保護者の困りごとや悩みに寄り添い、どのように支えていくかを考え、悩むこともあります。

それらを乗り越えるために、園長先生や先輩、同僚にたくさん話を聞いてもらい、支援方法や解決策を一緒に考えてきました。

ー今までお仕事をされて印象に残っていることはありますか。

つい最近のことなのですが、通勤時に、10年以上前の卒園児の保護者の方と偶然すれ違い、顔を合わせた瞬間に当時の気持ちがぱっと蘇りました。

お声をかけていただき、お子さんの近況をその場で知らせてもらい、とても嬉しい気持ちになりました。

保護者の方にとって、お子さんの人生の始まりである大切な時期を共に過ごした存在として覚えていてくださったことが分かり、改めて保育士という仕事の責任の重さを感じ、この仕事をしていて良かったと思いました。

ー長年に渡り、成田市で仕事ができた理由は何でしょうか。

2回産休・育休を取得しましたが、復帰時も快く受け入れてくれる職場の環境があり、どんなことでも相談できる上司や同僚がいつも周りにいたので、日々楽しく保育ができてきました。悩むことがあっても、周囲のおかげで乗り越えられてきたので、続けられているのだと思います。

ー最後に、これから保育士を目指す方や、転職活動をされている方にメッセージをお願いします。

保育士は命を預かる責任のある仕事ですが、子どもたちの成長する姿や笑顔からたくさんのパワーをもらえるやりがいのある仕事です。

子どもが好きで、成長を見守ることに喜びを感じられる方、新しいことに挑戦していこうという前向きな意欲のある方と、成田市で一緒に保育ができたら嬉しいです。

ーありがとうございました。

この記事は2024年10月3日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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