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“しほ先生”と呼ばれて ~ 那智勝浦町保育士の働き方

那智勝浦町で生まれ育ち、地元の保育所(こども園)で働く先生に、保育士として働くことの難しさや喜び、またプライベートの過ごし方などについてお聞きしました。

―まず、入庁までの流れを教えてください。

京都の短大に通い、保育士資格、幼稚園教諭免許を取得後、那智勝浦町役場(保育士)に入庁しました。最初の2年間は井関保育所に勤め、現在は、宇久井こども園で働いています。

―那智勝浦町を選んだ理由は?

那智勝浦町で生まれ育ち、卒園した保育所で実習させていただいたこともあり、地元で働きたいという気持ちが大きくなりました。

―働き始めてどうでしたか。

こどもたちや保護者の方から“しほ先生”と呼ばれるようになり、責任を感じ、気が引き締まりました。こどもたちと生活する中で一人ひとりがどのように成長していくのか考え、その成長のために必要なことを考え実践していくことの大切さを感じました。

―次に、仕事内容についてお聞きします。まず1日の仕事の流れを教えてください。

今は5歳児の担任をしています。生活習慣が身に付くように一人ひとり丁寧に関わり、生活のルールなどを知らせたり援助したりします。遊びの環境を整え、見守ったり一緒に遊んだりしています。今はプール遊びや水遊びをしています。

他にも季節や年齢に合わせて活動を計画し、こどもたちと一緒に楽しんでいます。保育日誌の記載や保護者に向けてこどもの姿などの発信も行います。

―仕事がうまくいったと思うのはどんなときですか。

運動会や発表会などの行事を成し遂げたときです。こどもたちと一緒に練習に取り組み本番が終わって、保護者や地域の方の笑顔や大きな拍手をもらえると達成感を味わうことができます。

日々の生活の中でも確かな成長を感じることがありますが、行事のたびにこどもたちが頑張って大きく成長する姿を見ることができます。

―逆に、仕事がうまくいかなかったと思うときは?

声の掛け方や関わり方、活動内容など、以前うまくいったことを同じようにしても、こどもの個性、そのときの状況やタイミング、年齢や発達段階によって違うため、うまくいかないことがあります。正解がないことの難しさを感じます。色々な援助方法を考え、日々試行錯誤しています。

―どんなときにうれしいと感じますか。

クラスのこどもたちを思い浮かべながら、考えた活動を楽しんでしてくれたときです。

最近は夕涼み会でみんなが好きなピクミンをテーマにしたゲームや制作物を用意しました。こどもたちのキラキラした目を見れてうれしかったです。

―逆に、つらいと感じたのはどんなときですか。

コロナウイルスが流行し、マスクをつけていた時期です。口元が見えない状態で細かい表情や言葉を伝える難しさ、コミュニケーションの取りにくさを感じました。

―他に思い出に残ったエピソードがあれば。

初めて年長を担任し、卒園、小学校へ送り出すことはとても感動が大きかったです。卒園児がランドセルを背負った姿を見てさらに感動しました。

―こどもの年齢ごとで仕事のやり方は違いますか?

2~5歳児の担任を経験しましたが、年齢ごとで仕事のやり方は違います。

乳児クラスでは、言葉での意思疎通が難しく、表情や仕草、伝えようとする気持ちや言葉を汲み取る必要がありました。食事や排泄など基本的な生活習慣においても援助が必要です。

幼児クラスになると、自分でできることも増えます。友だちとの関りを仲立ちしたり自分の思いを言葉で伝える、自分たちで考えたりできるような援助をしています。

担任するクラスのこどもたちにどのように育ってほしいか、どのような力を身に付けてほしいかを考え、年齢・発達に応じた保育計画を立て、保育を行っています。

―日々のお仕事の中で心がけていることはありますか。

笑顔でこども一人ひとりの気持ちに寄り添い、安心して過ごせるように心掛けています。命を預かっているので安全面には気を付けながら、こどもたちの思いに気付き、丁寧に関わることで安心感が持てるようにしていきたいです。

―職場の雰囲気はどうですか。 

園長を筆頭に優しい先輩方が多く、とても暖かい職場です。分からないことがあれば丁寧に教えてくださったり、行事やこどもとの関わり等で相談があれば熱心に指導、アドバイスをくださいます。色々な先輩から多くのことを学び吸収していきたいです。

―少しプライベートのこともお聞きします。休日はどう過ごしていますか

友人と予定を合わせて遊びに出掛けたり、食事に行ったりしてリフレッシュしています。家で漫画を読んだり、音楽を聴いたりしてのんびり過ごすこともあります。

―那智勝浦町は都市圏から遠い、いわゆる僻地ですが、そういう場所で働くことについてはどう思いますか。

田舎の不便さや都会暮らしへの憧れはあります。でも私が保育所に通っていた時に担任を持ってくれた先生と一緒に働くことができている嬉しさや、地域の温かさなど色々な繋がりを感じることができるところに魅力があります。

―今の仕事はどんな人が向いていると思いますか。

こどもとの触れ合いを楽しみ、こども一人ひとりと向き合うことができる人。コミュニケーションを大切にする人。保育現場ではこどもたちだけでなく、保護者とも関係を築いていく必要があります。保育を行うにあたり、保育者間で連携を取ることも大切です。あとは体力のある人。こどもたちはいつもパワフルで元気いっぱいです。健康的な体、体力が必要だと思います。

―最後に、応募を考えている人に、これはやっておいたほうがいい、これは覚悟しておいて、など伝えたいことはありますか。

小さい頃からピアノを習っていました。こどもたちと歌を歌ったりリズム遊びをしたり、保育の中でピアノを使う機会も多いので経験しておいてよかったと思います。

大変なことも多いですが、こどもたちの成長の瞬間に立ち会い一緒に喜び合える、こどもたちから沢山のパワーをもらえる保育士は素敵な仕事だと感じています。

―本日はありがとうございました。

この記事は2024年7月30日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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