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世界に認められた「職人の街」の産品を多くの人の手に〜新潟県燕市のふるさと納税事業〜

—はじめに、これまでの経歴を簡単にご紹介ください。

中山:出身は燕市ではないですが新潟県内で、大学進学の際に関東の方へ移住。大学ではスポーツ科学部という学部でスポーツビジネスなどを専攻していました。

「地元の新潟に戻りたい」という思いがあり、公務員の道を選びました。燕市は、私の父親が一時期燕市で仕事をしていた時期があり、ご縁を感じ受験しました。

最初の配属先は学校教育課 指導係というところでICT教育を担当していたのですが、配属2年目のときに国のGIGAスクール構想というプロジェクトの担当になり、各児童1人1台の情報端末の整理をしていました。

2年目からいきなり国の事業の一つという大きなプロジェクトの担当になったことで、プレッシャーや大変に感じたこともありましたが、2年目から大きな仕事を任せてもらえたことにやりがいを感じました。

そして令和4年度から総務部 総務課のふるさと納税係に異動し、現在に至ります。

—現在在籍されているふるさと納税係はどのような体制でしょうか?

中山:チームとしましては現在正職員が4名で、あとは会計年度職員が3名。会計年度職員の方々には書類の発送など正職員の手がまわらないところを担当していただいています。正職員の方は係長が1名、主任が1名、私を含む主事が2名という体制です。


—係内での分担や、中山さんのご担当されているお仕事内容について簡単にご紹介ください。

中山:ふるさと納税係自体が令和4年度から新設されたので、役割の分担などはまだ試行錯誤しているところなのですが、ふるさと納税のポータルサイト(ふるさとチョイス、ふるなびなど)を分担して問い合わせなどに対応しています。

他にも係長の方で割り振ったり自分から立候補するなどで分担しています。特にInstagramやTikTokなどのソーシャルメディア関連は主に私の方で担当し、SNS運用の会社さんと協力して取材先を決めたり企画などを考えたりしています。写真の撮影等は業者に委託しているのですが、撮影には同行しています。

—燕市のふるさと納税事業はこれまでどのような取り組みをされてきましたか?

中山:ふるさと納税係が設置されるまでは、総務課の一業務としてふるさと納税事業を行っていました。これまでも成果が出ていて、寄付金額も新潟県内の自治体としては7年連続で1位、全国的に見ても20位という結果でした。

ふるさと納税事業というと、これまではポータルサイトに返礼品の情報を載せて、その情報をもとに見た人が寄付をするという形で、自分たちから積極的にPRするということは行っていなかったんですね。

その分新たに係として立ち上がったことにより、PR活動の方にリソースを割けるようになりました。昨年もInstagramアカウントをはじめ、TikTokやLINEなどのソーシャルメディアを通じてさまざまなPRの施策を打っています。

そして、昨年からはポータルサイトへの掲載だけでなく、燕市の返礼品のみを掲載する直営の「つばふる」というサイトを立ち上げました。

ふるさと納税というと、お肉や魚、果物などの返礼品がメジャーかもしれませんが、燕市は金属加工が得意な地域ですので、お鍋やボウルなどの金属製のキッチン用品や、ノーベル賞の晩餐会でも使われたカトラリーなどが人気の品です。

あとは、地元家電メーカーさんの製品も人気ですね。

燕市はこれまで「職人の街」ではあったのですが、自分たちで販路を開拓していくのが苦手な土地ではあったので、燕市の産品をふるさと納税をきっかけとしてさまざまな方の手に取ってもらえる機会が増え、結果的に市内のメーカーさんの販路の拡大につながっているので、産業を支える一助にはなっているのかなと。

実は私自身も仕事をする中で「あ、これいいな」と思ったものは寄付をして返礼品をいただいています。

柳宗理さんというプロダクトデザイナーの方がデザインしたザルとボウルのセットは、洗練されたデザインでオススメです。

—ふるさと納税のPRを続けていくうえで、新たに「こういう機会を増やしていきたい」などの展望があればお願いします。

中山:燕市の産品は非常に物が良いのですが、ふるさと納税でのお申し込みってネットでの申し込みが一番多いので、現物を実際に見て触っていただく機会がなかなかないんですね。

なので、SNSを通じてのアピールはもちろん、ふるさと納税の対面式のイベントなどへの出展も考えています。

実際に昨年「ふるさとチョイス大感謝祭」というイベントにブースを出して出展し、実際に返礼品を展示して触っていただけるような場を設けました。

今後もそういった機会は増やしつつ、燕市で生まれたものを皆さんに知っていただけるようにしたいと思っています。

あとは今までは燕市に本社があって、燕市で作られている製品を企業さんから提案いただいて、審査を行った後に返礼品として扱うことが多かったのですが、実は燕市以外にも燕市の金属などを使った製品というのが全国にあるんですね。

そういった製品を扱っている企業さんを私の方でも調べ、企業さんにふるさと納税の仕組みをご説明したうえで「ふるさと納税の返礼品として出しませんか?」とお声がけし、新たに返礼品としてラインナップを増やしています。

例えばコーヒーの関連器具などを扱っているメーカーのドリップポットを燕市で作っているので、新たに燕市の返礼品として加えました。

—お仕事をしていく中で、大変だと思った部分や難しさを感じた部分はありますか?

中山:一番気を使ったのは、スケジュール調整でしょうか。ふるさと納税の返礼品の掲載サイトは通常のECサイトと同様、週末に伸びやすい傾向にあるんですね。

企業側からすると売上に関わってくるので、「この日までに掲載を間に合わせてほしい」という要望に応えるためにカレンダーを見ながら仕事をしていました。

あとは年末の時期になると非常に忙しいですね(笑)。ふるさと納税は、例えば2023年12月31日までの申し込みが、2023年分の所得税還付と2024年度の住民税控除に反映されるので、それに間に合わせるために駆け込み需要で申し込みが増えます。

—逆に、やりがいや面白みを感じる部分はありますか?

中山:ふるさと納税関連の仕事をしていると、Webサイトに返礼品を掲載してお問い合わせや申し込みをいただくという一見ECサイト運用のような、通常の公務員の業務とは少し毛色が違った仕事をしているのですが、自分たちで試行錯誤しながら返礼品の説明の文言を考えたり、SNSに掲載する内容を考えたりすることで毎日刺激になっています。

また、自分のやったことが成果として寄付金額という数字に現れるので、それもやりがいになっています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年4月24日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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