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個別のケアとコミュニケーションで、子どもに寄り添った保育を〜大阪府高石市・児童発達支援センターの保育士〜

大阪府高石市の児童発達支援センターで保育士を務める岡本さん。一度民間企業に就職したあと専門学校に通いなおした経緯や支援センターでの働き、子どもたちとの関わりで得られるやりがいについてお話を伺いました。

ーご経歴を教えてください。

岡本:もともと動物飼育や保育の領域に興味を持ち、飼育の専門学校卒業後は大阪府内のペットショップに就職し一年間勤めましたが、その後保育の専門学校に通いなおして保育士資格、幼稚園教諭免許を取得し、今年度の4月に地元である高石市に入庁しました。

飼育員の業界はコロナ禍で求人も減り不安定でもあったため、保育の業界へキャリアチェンジするときには民間ではなく公立を優先的に選びました。友人が公務員として働いていたこともあり、公務員の働き方を知ることができたのも理由の一つです。

一次試験はテストセンターでの筆記、二次試験は面接でしたが、どちらも大変緊張しながら受けていたことをよく覚えています。同期入庁は13名、そのうち私を含めた2名が保育士でした。

ーでは、現在のお仕事についてくわしくお聞かせください。

岡本:児童発達支援センター「松の実園」に勤め、発達上の課題がある子どもたちの保育を通して基本的な生活習慣の育成や社会性の発達を促しています。私の担当するクラスでは子ども7名が在籍し、保育士3名、フリーの先生1名でみている状況です。全4クラスあり、3〜5歳の子どもたちが各クラスに振り分けられています。

保育士3名は全員担任という形で保育に携わり、「今週のリーダーは〇〇さん、サブは〇〇さん」というように週替わりで役割分担を決める形です。私は4月配属で、6月にはリーダーの役割を行うようになりました。

ー入庁2か月目でリーダーを務められたのですね。具体的にどのような業務を担うのでしょうか?

岡本:「◯時にこれをする」という1日の流れを決めていきます。たとえば、先日私がリーダーを務めた週はちょうど運動会がありましたので、その練習をスケジュールに組み入れました。とはいえ、私だけではまだまだ「何をしたら良いのだろう?」と悩んでしまうことも多いです。そんなときは同じクラスの担任と相談をしながら1日の流れを決めていますね。

ー配属直後はどのように業務を覚えていったのでしょうか?教育体制や研修についてお聞かせください。

岡本:園内の先輩保育士が教育担当としてつき、OJTで業務や生活の流れを覚えていきました。リーダー業務についても、サブとして別のリーダーのそばにつきながら実践的に学んでいく形です。

また、研修にも定期的に参加しています。たとえば外部研修では、高石市内の保育士が集まって話し合う講習会や人権研修、保護者支援についての内容のものがありました。園内研修というものもあり、学校の先生をお招きしてお話しいただくものや、発表会に向けた和太鼓練習などもあるんですよ。

ー担任を任されるようになり、業務の幅はどのように広がりましたか?

岡本:松の実園では、週2回のミーティングや月1回のカリキュラム会議を開催しているのですが、そういった場で自分のクラスの様子を全体に伝える役割を担うようになりました。

次月の保育計画の策定や、親子参観で配布するお便りの作成といった事務作業も増えてきています。また、担任として子どもの発達相談に同席するようにもなりました。

ーお仕事の難しさを感じる部分はどんなところですか?

岡本:一人ひとりの特性が異なるところですね。同じクラス内でも発達状態に差があり、できること、できないことがそれぞれ違うため、どんなあそびをしようか、それを考えるだけでも大変です。

また、児童発達支援センターは療育を目的とした施設でもあるため、発達を促していくための支援を行っていく必要があります。松の実園に通う30名の子どもたちには30通りの個性があり、適切な声のかけ方も違ってきます。配属されて半年経ちましたが、通常の保育とは異なる部分も多く、まだまだ難しいなと感じています。

もともと児童発達支援センターがどんな施設かわからないまま配属されたこともあり、当初は戸惑いばかりでした。先生の数も一クラスに4名は多いのかなとも思っていましたが、一人ひとり個別の対応を行う必要があるため、今では足りないくらいに感じています。

例えば声掛け1つをとっても、片付けを促しても頑として受け入れない子にどう声をかけるのが良いのか。最適な方法を模索し、悩むことの連続です。

ーでは、達成感ややりがいを感じた瞬間についてもお聞かせください。

岡本:歯磨きの仕上げを嫌がる子がいて、「この先生ならいい、この先生はダメ」と対応できる保育士も限られていたんです。私が始めようとすると、毎回「やめろ~!」と嫌がられてしまっていたのですが、ある日突然スムーズにできたときがあって。日々のコミュニケーションで少しずつ信頼関係を築くことができたのだと感じ、嬉しかったです。

また、先日の運動会では年長児演技という種目があり、私は身体を動かすことに課題のある子の動きを補助する役割でした。練習では手も握ってくれずうまくいかない日々が続いたのですが、毎日地道に手をつないで歩くところから練習し、運動会当日はとても上手にできたんです。そんな瞬間に立ち会えることは、やはり大きな喜びですね。

ー成長する姿に寄り添えるお仕事なんですね。職場の雰囲気はいかがですか?

岡本:ベテラン職員が多い職場ですので、とても心強いです。園には、その一瞬を逃せば別のことに興味がいってしまう子も多いです。だからこそ、実際に現場に出て経験豊富な先輩たちから学ぶことに大きな意味があります。わからないこともすぐに教えてもらえる環境ですね。

ー保育士としての目標や今後のキャリアプランはありますか?

岡本:先輩職員の保育をみていると、やはり接し方一つ、信頼度一つとってみても私とは違います。今はまだ日々の業務をこなすだけでいっぱいいっぱいですが、子どもたちとの関わりの中で信頼関係を築き、「一緒にいたら楽しいな」と思われる先生になりたいですね。

ー最後に、高石市で保育士として働くことの魅力をお聞かせください。

岡本:私よりも上の世代の職員が多く、優しく接してくださるあたたかい環境です。また、高石市の保育施設は基本的に小規模で異動も少ないことが特徴です。一つの施設に長く勤めることで、子どもたちとの絆をゆっくり着実に深めていくことができます。

それぞれ異なる個性を持つ子どもたちと向き合うことは、やはり大変です。でも、一人ひとりに時間をかけてきめ細やかな保育を行えることは、高石市の保育士だからこそ感じられる大きな魅力だと思います。よりよい子どもたちの個性に寄り添う保育を実現したいです。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年12月3日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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