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木登りだってどんどんしちゃおう!子どもらしさを大事にするあたたかい保育〜長崎県小値賀町・こども園の保育教諭として〜

島外から地元である長崎県小値賀町に戻り、保育教諭として働く村中(むらなか)さんと大黒(だいこく)さんに、前職での経歴や小値賀町の保育の魅力について伺いました。

—まず、これまでの経歴を簡単にご紹介お願いします。

村中:短大を卒業後、長崎県佐世保市の同じ園内の幼稚園・保育園に10年ほど勤めました。学童保育にも携わったあと、地元である小値賀町に戻り、親類の手伝いをしながら臨時職員として現在の園に勤めはじめました。

正規職員の採用試験に受かってから今年で10年目で、3年前からは主幹保育教諭という役割をしています。

大黒:私も短大を卒業後、福岡市内の保育園で3年ほど勤めました。その後、販売やテレアポといった別の業種に転職し、村中先生と同じタイミングで採用試験を受けて5年ほど正規職員として勤めました。

一度、家庭の事情で島外に引っ越した後、地元である小値賀町に戻って復職し、3年目となります。

—お二人とも地元が小値賀町であるとのことですが、元々「小値賀町に戻る」というお気持ちはあったのでしょうか?

村中:「どこかのタイミングで小値賀町に戻ろう」という気持ちは常にありましたが、たまたま小値賀町で募集があるということを知ったタイミングで戻りました。

大黒:私は、戻ることは考えていませんでした。別の働き先を考えているタイミングで保育士の募集があることを知り、資格も所有しているし正規職員として働けるし、これも何かのご縁かな、と受けた形です。

—現在の職員構成についてお聞かせください。

村中:職員は園長1名、正規職員が5名、会計年度任用職員が12名、事務員1名、さらに保育有償ボランティアの方が5名、給食室職員が4名、給食有償ボランティアが4名という構成です。正規職員は幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を所有している必要がありますが、会計年度任用職員の中にはどちらかだけ、という方もいます。

年齢層だと、正規職員は20代~40代。会計年度任用職員や有償ボランティアは20代~70代の先生方に来ていただいております。休憩中にお茶を飲みながらおしゃべりするなど、あたたかい雰囲気の職場ですよ。

園児は全体で64名おり、0歳〜5歳までの6クラスの担任を正規職員が持っています。しかし正規職員だけでは担任が不足しているため、会計年度任用職員の先生方にも担任を持っていただいている状況ですね。

私は主幹保育教諭としてフリーで動き、大黒先生は2歳児クラスを受け持っています。

—様々な雇用形態の職員がチームとして動く中で、それぞれの役割や働き方はどのようなものになっているのでしょうか?

村中:保育を主に行うのは、正規職員や担任を持っている職員です。その前提でいうと、会計年度任用職員であっても担任を持っていれば、仕事内容は正規職員とほぼ変わりません。

職員の配置は児童の人数によって決められているため、担任以外の会計年度任用職員や有償ボランティアの先生方には、クラス固定でサブにまわっていただいています。

また、有償ボランティアと会計年度任用職員とでは契約の仕方も異なり、有償ボランティアの先生方は人手が足りない時間帯だけ勤務に入りますが、会計年度任用職員の中にはフルタイム勤務の方もいらっしゃいます。

さらに、支援が必要な児童に対しては加配の職員もつけるなど、柔軟に対応している状況です。

大黒:担任以外の先生方は、保育のサポート業務が中心です。また、私が担任を持つ2歳児クラスは、会計年度任用職員の先生と二人で担任という体制をとっています。クラス担任として一緒にクラス運営をするという働き方ですね。

主担任は、保育以外にも書類作成などたくさんの事務仕事がありますが、うちの園は出来るだけ勤務時間内に出来るように園児から離れて事務ができる時間があるので、その間は他の先生方に保育をお願いする形になります。

—島外での経験と現在で、違いを感じる部分はどんなところですか?

村中:やはり環境の違いは大きいです。佐世保市内で勤めていた幼稚園は都会にあり、散歩もなく、遠足もバスで行くことがほとんどでした。

対して小値賀町は自然にあふれ、地域の方々との交流も非常に盛んです。こども園から高校まで一つしかなく、園と学校との連携も密に行えますし、子どもにとっては幸せな環境なのではないでしょうか。

また、以前の園では勉強にも力を入れていたのですが、現在の園では身体を動かすことの大切さや友達との関わりなど、自立していくうえで必要となることをたくさん学べる環境であると思っています。そういった方針の違いも感じますね。

大黒:私が福岡で勤めていたところは児童数300人規模、勉強に力を入れている園だったので、フラッシュカードや詩の暗唱も行っていました。

一方で小値賀町の子どもたちは、おもちゃ一つに対しても想像力を働かせながら遊んでいる。楽しい、嬉しいという気持ちをいっぱいにしながら遊ぶ姿に、子どもらしさを感じます。

—小値賀島ならではの保育内容についてお聞かせください。

村中:クラスや年齢の垣根を越えた活動も多いです。みんなでホールに集まって遊ぶなど、よりたくさんの友達との交流ができるような工夫をしていますね。

また、消防団や消防署の方々との防火パレードや、町民の運動会に参加したこともありました。さらに、海遊びや田んぼ、土手での外遊びなど、自然が豊かな小値賀町ならではの遊びにもたくさん取り組んでいます。

大黒:ご高齢の方々の集まりに年長児を連れて行って、昔遊びをしたこともありましたね。もちろん安全に十分配慮していますが、木登り遊びをしてみたり、春先に採れる木の実でジャムを作ったりすることもあるんですよ。

—職員の勤務体制については、どのように決めているのでしょうか?

村中:こども園は「11時間開園する」という決まりになっています。私たちの園では7時半〜18時半までの開園時間なのですが、その中で早出・真ん中・遅出というシフト制の勤務体制を取っています。

早出と遅出はそれぞれ月4回ほどが目安で、1か月ほど前にシフト希望を聞き、契約にそって勤務時間を決定するという流れですね。

—これまで小値賀町に縁がなかった方に向けて、お二人が伝えたい小値賀町の魅力をお聞かせください。

大黒:田舎ってゆったりしているように見えて、実はそうでもないんです(笑)。仕事の傍ら、町民として会合や行事に参加することも多々あります。

また、良くも悪くも人づきあいが密になりますから、そういったところに戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、挨拶をしっかりする、基本的なルールは守る‥そんな丁寧なコミュニケーションを積み重ねていった先にある地域の方々のあたたかさは、やはり小値賀町の大きな魅力です。そのような関係づくりを楽しめる方にとっては、とても良い環境なのではないでしょうか。

村中:私自身も、主幹保育教諭を務める中で出産を経験し、コロナ禍での産休・育休で、職員の皆様にとても大変な思いをさせてしまったんです。

それでも、やさしい言葉をかけていただいたり、職場復帰後の勤務時間を考慮していただいたり‥本当に救われることが多くありました。

子どもを育てながらの仕事は悩むことも多いし、大変できついこともあります。それでも続けていけるのは、助け合う気持ちがあるからこそ。職場、そして小値賀町のあたたかさに今日もサポートされています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年1月17日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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