子どもたちの「イイ顔」を見ることができる〜地元・座間市で保育士として働くやりがい〜
神奈川県座間市で保育士として働く本多さんに、民間ではなく公立の保育士として働こうと思ったきっかけや、現在の就業環境、やりがいや座間市の保育園ならではの特徴についてお話を伺いました。
—はじめに、これまでの経歴を簡単にご紹介ください。
本多:私は生まれも育ちもずっと座間市で、県内の短大を卒業後、令和4年度に新卒で座間市役所に入庁しました。
—なぜ保育士になりたいと思ったのでしょうか?
本多:実は私の母も保育士をしておりまして、その姿を見て育ったということもあり、幼い頃から自然と私も保育士になりたいと思っていました。
通っていた短大が幼稚園教諭と保育士どちらの資格も取れる学校だったので、在学中は幼稚園の先生になるか保育士になるか迷った時期もありましたが、保育実習で幼稚園と保育園どちらも経験し、自分には保育園の方が合っていると思い、保育士を目指しました。
どちらも子どもたちと触れ合うという点では同じですが、幼稚園は朝からお昼過ぎまでという時間に区切りがあるのに対し、保育園では遅い時間まで子どもたちと関わることができるので、自分の中ではより家庭的な雰囲気で子どもと接することができる感じがしたんです。
—民間や公立という選択肢がある中で、公立且つ座間市の保育士になろうと思ったきっかけを教えてください。
本多:民間か公立かといった点については、全く悩まずに公立の保育士として働くことを選びました。私自身公立の保育園出身だったのと、中学生の時に公立の保育園に職業体験ボランティアに行く機会があったので、何となく保育園=公立というイメージをずっと持っていました。
保育実習では民間も公立も経験させてもらったのですが、公立の保育園の方が自分の考え方、働き方には合っているのではないかとも感じましたね。
座間市に決めたのは自分が生まれ育った土地だったというのが一番です。座間市以外は考えられないなと思っていました(笑)
なので、他の自治体は受けずに初めから座間市一本で行くことを決めていました。仮に試験に落ちてしまった場合でも、会計年度任用職員として経験を積んで、再度採用試験を受けるつもりでした。
—座間市の採用試験はどのような印象でしたか?
本多:最初の筆記試験の際に、専門知識だけでなく一般教養試験があると思ってなかったので、試験の内容を見た時には正直驚きました。
専門知識に関しては、学校で学んだことや試験対策の本を買って概ねカバーできていたつもりですが、一般教養試験に関しては学校の講座も都合上参加することができず、対策もあまりできていませんでした。
面接に関しては、夏休み期間中に公務員試験対策の講座を受けて、面接練習を行っていたものの、初めての採用試験ということもありかなり緊張しました。試験官の方の人数も多く、今まで高校受験での面接しか受けたことがなかったので、正直怖かったというのが感想ですね(笑)
—現在のお仕事内容について教えていただけますか?
本多:採用1年目から担任を受け持っており、現在は2歳児のクラス担任を受け持っています。採用1年目から担任を持つと聞くと、少々驚くかもしれませんが、民間も含め他の園でも1年目から担任を持っているというケースはよく聞くので、1年目からクラスを任されるということは保育士としては特に珍しいことではないのかと思っています。基本的には、担任とは別に学年を取りまとめるポジションでベテランの保育士さんが就いているので、困ったときには相談できるような体制です。
私の場合1年目は3歳以上児のクラスを担当し、2年目は1歳児、3年目の現在は2年目に受け持った子たちをそのまま持ち上がりで、2歳児クラスの担任をしています。
—1年目からいきなりクラス担任を受け持ったとのことですが、そのときの心境はいかがでしたか?
本多:正直今振り返っても記憶がないくらいには大変でしたね。覚えることも、やることも多かったので毎日本当にバタバタしていました。
ただ、子どもの名前を覚えるのが大変という方もいるようですが、私は担当クラスの子どもたちの名前はわりとすぐに覚えられましたね。保育実習のときは1日ですべての子の名前を覚える必要があるので、実習に比べれば覚えるための時間は余裕がありました。あまり気にしたことはないのですが、もともと顔と名前を覚えるのは得意なのかもしれませんね(笑)
—これまでに担当する年齢が変わっていますが、やはり年齢が変わると環境が変わりますか?
本多:そうですね。例えば大きなところで言うと、1歳児と3歳児では「言葉が伝わるかどうか」という点が大きく異なるので、保育の仕方も雰囲気も変わります。
最初に見ていた3歳以上児の子たちは言葉も少し話せるので「自分たちで考えて動けるように」というのを促していたのですが、1歳児の子たちは言葉はほとんど通じません、そのため、どこまで保育士がやってあげて、どこまで自分たちで主体的にできるかの線引きが難しく、それを伝えるにはどうすれば良いかというのも悩みましたね。
ただ、園長を経験していた先生で、現在は市役所の保育課に勤務されている「コンシェルジュ」と言われる人が時折園に来て保育について色々教えてくださるので、悩みは相談できますし、勉強になることも多いです。
コンシェルジュさんは、私をはじめ保育士が何か悩みを抱えていたり相談事があったりしたときに、園長先生がお願いして来園していただくような形ですね。
コンシェルジュ制度については他の園でもあまり聞いたことがないので、もしかしたら座間市ならではの取り組みかもしれません。
—座間市の保育士として働いていて、どんなところにやりがいや魅力を感じますか?
本多:今担当している子たちが1歳児から2歳児になって、喋れる言葉が増えたことや今までできなかったことができるようになったとか、ちょっとしたことでも成長を日々見ることができるのが保育士ならではのやりがいではないでしょうか。
例えば遊びの中でもやったことがないことにチャレンジしてみたり、絵の具を大胆に使ってみたりするときは、子どもたちの顔が本当にキラキラ輝いていて、「イイ顔」をしているんですよね!
そんな子どもたちの顔を見ているだけでこちらも楽しいと思えるのが魅力ですね。
—子どもの頃思い描いていた保育士と実際になってみた今とで、ギャップなどは感じましたか?
本多:ギャップはありますね。子どもの頃は純粋に憧れの面が大きかったといいますか、子ども達と楽しそうに遊んでいるような華やかなイメージばかりだったのですが、実際に保育士になってみると日々やることが多かったり、1つの行事が終わったら次の行事の準備があったり、書類の準備があったりと、子どもと接する以外にも大変なことがたくさんあるなと感じています。
ただ、それを差し引いても現在の保育士の仕事は楽しいですね。
—保育士さんの勤務体系はどのようになっているのでしょうか?
本多:基本的にはシフト制となっており、早番の場合は7:15〜16:00、遅番は10:30〜19:00が勤務時間となります。勤務日に関しては、4週に1度だけ土曜保育が入ります。月曜日や金曜日に代休を取ることができるので、土曜出勤を負担に感じるようなことなく働けています。
シフト制だと生活リズムが崩れると思われる方もいるかもしれませんが、私の場合、早番でも遅番でも寝る時間が大きく変わるような勤務時間でないため、あまり影響は感じていません。
—生まれてからずっと座間市で暮らしているとのことですが、本多さんが考える座間市の魅力は何でしょう?
本多:私はずっと座間市から出ようと思ったことがないですね(笑)
ずっと地元にいると改めて魅力を伝えるのは少々難しいですが、座間市は交通の便も良く、わりとすぐに都心に出ることもできますし、少し歩けば自然も多いので、都会と田舎の良いところが混ざり合っているような感じがあります。
今後もずっと座間市で暮らしていたいですね。
—保育士として就職を検討している方に、公立の保育園で働く良さを含め一言お願いします。
本多:公立保育園で働くメリットは、やはり長く働いている方が多く、様々な年齢層の方と接し、学ぶ機会が多いということではないでしょうか。
園によっても様々かとは思いますが、民間の保育園は比較的若い先生が多い印象です。その分、就職直後は同年代も多く、働きやすい雰囲気ということはメリットかもしれませんが、公立の園は園長先生をはじめ本当に幅広い年代の方が保育士として働いています。私が在籍している園でも、ベテランの先生方の話を聞いて自分も学べる機会が多いです。
座間市は保育環境も、生活環境もとてもいい場所だと思っていますので、今後一緒に働いてくれる保育士さんが増えてくれたらと思います!
—本日はありがとうございました。