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公務員になりたいという思いを移住で実現!全国唯一の飛び地の村・和歌山県北山村へ

周囲を奈良県と三重県に囲まれている、日本唯一の飛び地の村、和歌山県北山村。そんな北山村に、会計年度任用職員から、正規職員になり、和歌山県北山村役場へ移住し産業建設課で働く、小渕瑞樹さんにお話を伺いました。

—最初に、これまでのご経歴について教えてください。

小渕:18歳で社会に出たので、25歳になった今は社会人7年目になります。最初に自転車屋に就職して3年働き、次に保険営業として1年間勤務しました。

その後、北山村の臨時職員の求人を見つけて、会計年度任用職員として採用されて北山村で働き始めました。2022年に正規職員に登用されると同時に北山村に移住しました。

—民間企業から公務員に転身された経緯を教えてください。

小渕:最初の就職は民間企業だったものの、公務員になりたいという気持ちは持っていたんです。父や祖父が公務員として働いていましたし、漠然とではありますが自分も公務員として働くだろうと思っていたんですよね。

でも、最初の就職の時は残念ながらタイミングが悪く和歌山の東牟婁(ひがしむろ)地域で採用試験を受けられる自治体がなかったんですよ。それで、民間へ就職して合計4年働きましたが、やっぱり公務員になりたいという希望を叶えたくて転職しました。

ーなぜ北山村を受けられたのですか。

小渕:いざ公務員試験を受けようというとき、出身地で働くことも考えたのですが、その時には募集がなくて。募集が出ていたのは大きな自治体ばかりでした。でも、大きな自治体だと仕事で移動するのが大変だろうなと心にひっかかりまして。

地元と同じような規模感で、かつ地元から通える近隣市町村で働きたいと思ったところ、北山村と奈良県吉野郡の自治体で募集が出ているのを見つけたんです。

北山村に決めたのは昔から遊びに来ていて馴染みがあったからです。父親がよく遊びに連れてきてくれたんですよ。ダムでバス釣りをして遊んだ思い出があります。

当時は実家から北山村まで車で1時間くらいだったのが、今は道路も整備されて30~40分くらいで通えるようになっています。馴染みがあったことと、通いやすさもあって北山村の採用試験を受けることにしたんです。

—最初は会計年度任用職員として入庁されたとのことですが、正規職員との業務の違いはありますか?

小渕:配属は産業建設課に一貫して在籍しており変わりません。水道関連業務を主に担当しているのですが、正規職員になってからは年々業務の幅が広がりまして、今は水道のほかに地籍、住宅の家賃収納なども担当するようになりました。

—会計年度任用職員と正規職員の採用試験に違いはありましたか? 採用試験はどのような内容でしたか?

小渕:会計年度任用職員を受けたときは、面接試験だけだったので、採用試験に向けて特に準備はしなくても済みました。

正規職員採用試験の時は、一次試験で一般教養と適性検査の筆記試験、二次試験が面接と作文でした。このときは応募から試験まで1ヶ月あったので、その期間は試験対策の勉強をしました。

—会計年度任用職員から正規職員になろうと思ったきっかけはありますか?

小渕:もともと、会計年度任用職員のときからこの職場で長く働きたいなと思っていたんです。チャンスがあれば正規職員になりたいと。そんなところにちょうど臨時募集が始まったので、受けようと思いました。

—正規職員になってから北山村に移住されたそうですが、北山村での家探しはどうでしたか?

小渕:はい、もともと実家から通勤していたのですが、正規職員になってからは北山村に移住しました。一人暮らしをしていた時期もありましたし、仕事のために移住するのは何の抵抗もありませんでしたよ。

ただ、家探しにはちょっと苦労しましたね。家探しは行政が協力してくれるのですが、移住の制度は利用しませんでした。周囲の人が家探しに協力してくれて、最終的には産業建設課の課長の伝手で家を借りたんです。北山村の栄えている場所からは離れているのですが、見た中で一番いい家だったので。

—正規職員になってからはお仕事のボリュームに変化はありましたか?

小渕:正規職員になってからの業務量はかなり増えましたね。というのも、4月の異動で同じ部署の方が異動になりまして。その方の仕事を半分くらい引き継いだんです。いろんな分野の業務を受け持っているので、「あれ?これはどっちの業務の話だっけ?」と、混乱するのもしょっちゅうで。僕がまだ不慣れなこともあるんですけどね。

ただ、わからないことが出てきたら前任者に質問して対応しています。異動されたとはいえ同じ庁舎内にいますし、いつでも聞いてねと声をかけてくれていますので。わからないことを質問できる環境はありがたいですね。

業務量は増えましたが、忙しい時期とさほど忙しくない時期が交互にやってくるので、常に忙しいわけではありません。

忙しい時期の例は、年度初めの4月。人事異動があるので調査が多いんです。役場に調査に来る人が多いので、ひたすら回答していましたね。確かに忙しいんですが、それでも残業は1時間程度。できるだけ業務時間内に仕事を終わらせられるように心がけています。繁忙期でなければ定時で帰れますし、残業したとしてもせいぜい15分程度ですね。

ただ、事務職員の僕はこの程度の残業時間ですが、技術職の方は遅くまで図面を書いたりして残業することもあるようです。そんな中ひとりだけ早く帰りづらいこともなく、仕事が終わったんなら早く帰りなさいという雰囲気なので助かります。

—どういったお仕事が大変ですか?

小渕:水道や住宅など、お金を扱うことを担当しているのですが、水道料金や家賃など、都合がつかなくて払えない住民の方もいらっしゃる中の回収作業は大変です。ができたときは達成感がありましたね。

手紙や電話など、コミュニケーションの取り方も人によって変えながら工夫をします。だからこそ、回収できたときは達成感もありますね。とはいえ、うちの村は人口400人程度で規模が小さいので、よその自治体と比べると数は少ないと思います。

—職場の関係性はどうですか?

小渕:役場には約20名の職員が勤務しています。同じ20代の職員が一人いるほかは、30代、40代、50代の方たちがほとんど。その20代の職員は自分より年下なのですが、業務上は先輩です。先輩ばかりとはいえ、年齢の近い30代の方が半分くらいなので、わりとフランクな関係ですね。みんな仲良く働いています。

入庁するまでは、村役場で働いている人は年齢層が高いというイメージがあったんですよ。だから、「こんなに若い人が働いているんだ!」と、びっくりしましたね。もう一つイメージと違ったのが、何でも融通を利かせてくれる点です。村役場って堅そうですが、「こうしなくちゃいけない」という考えは意外とありませんでした。

ーそうなんですね。

小規模な職場って「良くも悪くも関係性が濃いのでは?」と思われることもあるのですが、北山村においてはいい距離感が保てていると感じます。忘年会や歓迎会はありますが、強制参加の飲み会もありませんし。

僕はお酒が飲めないので、サクっと一次会だけで帰っています。周りの人も僕がお酒を飲めないことを知っているので、二次会参加を無理に勧められることもありませんしね。業務時間外のお付き合いもほどほどで、快適です。

—北山村の暮らしはいかがですか? 不便に感じる点はありますか?

小渕:自宅の周りにはほとんど人が住んでいないので、ご近所を気にせず暮らせるという点が気に入っています。不便だと感じるのは、村にガソリンスタンドと買い物できるお店がないことかな。隣村まで行かなくちゃいけないので。まあ、10~20分程度なんですけどね。

北山村は田舎ですが、僕の実家も田舎だったので、あまりギャップを感じることなく住めていると思います。職場の人たちも地元や近隣出身の人が多いので、僕と同じ感覚かもしれません。同じような田舎暮らしを経験した人はもちろんですが、都会の喧騒を離れて田舎暮らしがしてみたい人にも北山村はいいんじゃないかと思います。

北山村のことが気になったら、まずは一度遊びに来てみてほしいですね。村の端から端まで回ってもそんなに距離がないので、北山村がどんなところかよくわかると思いますよ。

この記事は2023年9月6日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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