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社会教育の資格を活かせる地方公務員〜北海道新得町の未来の“担い手”〜

短大卒業後、北海道新得町の教育委員会 社会教育課 社会教育係で働く髙尾 圭斗さんに、学生時代の就職活動から現在の仕事、現在の教育体制・職場環境についてお話を伺いました。

—まず、これまでのご経歴をお願いします。

髙尾さん:もともと保育士になろうと思い、保育課程のある短大を目指していました。高校卒業間近に地方公務員になろうと方針は転換していたのですが、時期的にも遅く、同短大の別学科へそのまま通ったという形です。

その短大では、地元十勝の郷土史や社会教育、生涯学習などについて学べて公務員としても役に立つ知識を学べたので、結果オーライといいますか(笑)。その後、短大1年目後半から2年の中頃まで公務員を希望して就職活動をしていました。

ところが、当時コロナ禍のあおりを受けて就職の募集自体があまりなく。どうにか公務員の募集はあったので、そのまま目標の公務員を目指して就活を続けました。

—当初は保育士を目指されていたようですが、方向転換されたきっかけは何でしたか?

髙尾さん:正直「将来こうなりたい」というものが昔からなく、近しい人に「保育士が向いてるんじゃない?」と言われるままに保育士を目指していました。ただ、途中から「違うな」と感じ、両親に相談したところ「なら公務員は?」と提案がありました。家族も、安定した仕事をしてほしいというのもあったでしょうね。

自分としても給与や福利厚生がきちんとしていることと、短大時代に小学校のボランティア実習に行ったり、もともと人と関わることが好きでもあったので、自分がこれまでしてきたことも実践できるのではないかと思えました。

それで公務員になるための勉強をしていくなかでも、明確に「公務員の仕事が良いな」「自分に合うな」という意識が芽生え、最終的には自分の意思で目指しました。

—公務員を目指す中で、就職先に新得町を選ばれた理由は?

髙尾さん:新得町は出身の隣町だったんですね。実家も祖母の家も地元で、それほど離れていない場所が良いなと思い、十勝の西部4町(新得町を含む近隣地域)で就職を考えていました。

新得町は、自分が幼少期の頃住んでいた時期もあったんですよ。両親からも当時を振り返って「新得町は住みやすいよ」と言ってくれて、一人暮らしも考えていたので、新得町を第一志望にしました。

—就職活動をされていたときに、採用試験に向けての勉強は何かされていましたか?

髙尾さん:就職活動をしていた当時、自分が公務員試験の概要をあまり理解できておらず、対策を取ったのが短大1年目の後半からでした。その時は通常の講義とは別枠で公務員対策講座を受講し、筆記の勉強をしていました。

ただ、先ほどお話したとおりコロナの影響があったので、対面での講座ではなく宿題としてプリントが配布され、それを基にほぼ自力で筆記の勉強をしていました。面接練習も、学内が封鎖されていたので先生を相手に練習ができず、家族に面接官役をしてもらっていました。

—あまり万全の状態ではなかったということですね。実際に選考を受けられていかがでしたか?

髙尾さん:一次試験の筆記は手応えがあったので、その手応えどおりに自信をつけていました。二次試験は十勝町村会の方を相手に面接という形だったのですが、その時はあまり手応えがなく。

質問された内容にうまく答えられず、正直「終わったな……」と思っていましたが、それでも面接をしてくださった方に何かひっかかったのか、二次試験も無事通過しました。

最終試験は新得町で集団面接を行いました。そこでもかなり緊張してしまっていたのですが、その分質問に嘘なく答えられたところを評価していただいたようで。

後に当時面接官だった方ともお話するのですが、「あの受け答えは面白かった」「自分のことを面接で正直に出してくれた。そのコミュニケーション力が良かった」と言っていただきました(笑)。

さらに個人面接も行い、「新得町で働きたい」という自分の気持ちも乗せてうまく話すことができ、結果的に採用いただく運びになりました。

—現在されている仕事内容のご紹介をお願いします。

髙尾さん:内定後、1年目から教育委員会の社会教育課という部署で、生涯学習にまつわる事業を担当しています。

事業内容は主に町民の方を対象に、たとえば小学生向けにデイキャンプなどの自然体験型の事業や、コンサートの運営、高齢者のためのクラブ活動、講座を月に1度行っています。

例えば小学生向けの事業ならば、30人くらい小学生が集まり外部の引率も含めて5人ほどで対応するようなイメージです。企画も自分が担当しているのですが、毎年同じような内容に収まってしまうので、町民の方が新鮮な気持ちで取り組める企画を模索しています。

—実際に新得町の役場に入られたあとは、何か研修のようなものは受けましたか?

髙尾さん:まずは全体で財務会計や事務文書など役場職員としての研修を受け、その後自分の担当部署の仕事に就きました。仕事内容に関しては、自分が短大で学んでいた社会教育についての知識や「社会教育主事」の資格を活かせると感じていました。

ですが、まずは新得町の社会教育を知ろうと、先輩や係長に質問したり、自分で過去の書類を調べたりしながら仕事を進めていきました。

—課の体制についておしえてください。

髙尾さん:社会教育課では課長や会計年度任用職員の方を含めると6人です。

1年目はわからないことが多かったので、その都度先輩に教えてもらっています。最初から「わからないことがあったら訊いてね」と声をかけてもらい、非常に優しく接していただきました。ただ、何でも質問しすぎるのも良くないと思い、自分でも過去の資料を参照するようにはしています。

職場の人間環境としては、たとえば子ども向けの事業で人手が足りないときは係長はもちろん課長も積極的に手伝ってくださったり、仕事ぶりもサラッと褒めてくださったり。上下関係が厳しいとも思わないですね。とても良い環境です。

あとは他の課でも同期や年の近い先輩と飲み会が開催されることがあるので、若手職員同士も仲が良い方だと思います。

—イベントや事業がある場合は土曜も出勤されますか?

髙尾さん:月によってまちまちですが、小学校が夏休みなどの長期休み期間などは土曜でも月に2・3回ほど出ています。それ以外は月1程度です。土曜に働いた場合は、1・2時間程度の場合は時間外にして、それ以上の場合は代休を取得します。基本的には平日週5日の就業です。

—社会教育分野について町外でのコミュニティもあるのですか?

髙尾さん:そうですね。他の町でも社会教育の職員同士のコミュニティーがあり、情報共有は頻繁にあります。隣の清水町とは、合同で子どもの自然体験学習を年1回開催しています。

—新得町での暮らしはいかがですか?

髙尾さん:自分が今住んでいるのが「担い手住宅」と呼ばれる場所なんですね。新しく新得町で働く人向けに、平日の朝昼晩3食つきの住宅になっています。民間事業なので自己負担はあるんですが、家賃補助が出ていて自炊の必要もないので助かっています。

自分が住んでいる担い手住宅のアパートだと、役場職員もあと2人ほど住んでいます。あとの方は別のところで働かれているのですが、住宅内も非常に快適な環境です。

—今後、十勝町村会の公務員試験を受ける方に向けてアドバイスはありますか?

髙尾さん:これから就職を目指しているまちのことについて、よく調べておくことでしょうか。あとは筆記の勉強ももちろん大事ですが、それ以上に面接官の方との対話と言いますか、志望動機など自分の本心もきちんと伝えられるようにコミュニケーション力を培うのが良いかと思います。

—本日はありがとうございました。

この記事は2023年11月05日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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