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看護師やIT企業を経て辿り着いた行政保健師〜座間市初の男性保健師としての仕事〜

2023年4月から神奈川県座間市の健康部健康医療課で働いている、向井 翔太(むかい しょうた)さんにお話を伺いました。

—お名前と部署名、簡単なご経歴を教えてください。

向井:健康部健康医療課保健予防係の保健師をしております、向井翔太です。大学卒業後、横浜市の病院で整形外科と脳神経外科、神経内科の病棟看護師として4年程働きました。

在学中の保健師資格取得過程で、病気にならないための健康保持増進や疾病の予防に興味を持ちました。しかし、病気の方の治療や気持ちに対する知識がない状態で、保健師として患者と接するのは難しいと感じたんです。そのため、すぐに保健師を目指すのではなく、一度看護師として経験を積んだうえで保健師になるというキャリアを考えました。

ただ、その後は一旦地元である九州に戻ってIT企業で3年程働き、令和5年4月からご縁があり、神奈川県座間市の保健師として働いています。

—1度IT企業を挟まれているんですね?

向井:九州へはプライベートな事情で一旦戻りました。当時世間では、フレックスやDX、オンライン業務という働き方が注目されていたこともあり、IT企業で働くことを経験してみたいと思いました。

仕事内容は、パソコンのトラブル対応です。修理が必要になった個人や企業に対しての対応などを行っていました。2年目以降は管理者として、お客様からの問合せ対応が正確であったのか、指導する側として働きました。

その後、子供を授かったタイミングで、母方の実家がある横浜に拠点を移すことになります。その際に、地域住民に寄り添った保健師になりたいと、行政保健師を選択しました。

—座間市を選んだ理由を教えてください。

向井:自宅の通勤圏内で、座間市自体に馴染みはありませんでしたが、市役所周辺ののどかな雰囲気が気に入りました。仲睦まじい老夫婦が散歩している様子や、園児たちの遊んでいるほのぼのとしている光景をみてこの街は働きやすそうだなと思いましたね。

—保健師の体制や仕事内容について教えてください。

向井:私のいる部署には、管理栄養士や事務職を含めた9名が在籍しています。健康医療課以外の職員課と子供家庭課には、それぞれ1名ずつ職員が在籍しています。

仕事内容は、母子保健がメインです。妊娠の届け出や出産後の生活がイメージしやすいよう父親母親学級の企画運営をしています。お子様が生まれた後の手続きとして、出生届けや新生児訪問などの管理も行っています。

産後は、お子様と母体の確認を行い、お子様の発育や発達をみています。基本的には、訪問医が伺いますので保健師が直接訪問することは少ないですが、ハイリスク案件においては対応しています。週に2,3件私が直接訪問しているようなペースです。

また、普段は庁内で仕事をしていますが、健康センターや出先機関に赴いて相談を受けることもあります。

—教育体制について教えてください。

向井:部署配属後の1~2ヵ月間は、先輩について各事業の実務を経験します。その後、年度初めに決められた割り振り通りに、担当事業を受け持ちます。担当事業に責任を持ち、主体的に動きだすことになります。

先輩保健師がプリセプターとしてついてくださっているので、分からないことや困っていることを相談しながら進めていくことができる環境が整っています。また、業務が行いやすいように席順や配置も考慮して頂きました。忙しそうな先輩方も新人ということでサポートしてくださいます。

—病院との働き方の違いはなんでしょうか。

向井:病院の業務量はかなり多かったと思います。座って作業していることはほとんどなく、体育会系の側面があり常に動いていました。

一方で保健師の働き方は、事務作業が多く窓口対応となるので、その辺りは雰囲気がだいぶ違うのかなと思います。看護師時代は、看護記録をつけること以外はルーティン業務でした。公務員の保健師は事業が多岐にわたります。赤ちゃんから高齢者を対象にした幅広い事業がありますので、事業ごとに行う作業が細かくなる分、慣れるまで時間がかかったように思います。

—逆にその経験が活きている点はありますか?

向井:病院で看護師として働いていた時は、病気になられた方々と接しており、高血圧などの生活習慣病で脳梗塞になり麻痺を患った方々の思いに触れることがあり、「食事に気をつけておけば良かったな」という生の声を聞く機会がありました。この点については、疾病の予防や健康の保持増進につながってくる部分でもあるので、保健師としても活かせる視点だと思っています。

しかし、所属する健康医療課では母子保健がメインになってくるので、その辺りは入庁する前のイメージとは違った分野での仕事になります。

—民間で働いていた経験が活かされていると感じることはありますか?

向井:市役所内で数値化したものを共有する際に、ExcelやPowerPointを使って資料を作成するので、IT時代の経験が役に立っています。また、抵抗なく市役所の窓口で電話応対もできるので、事務作業経験が活きていると思っています。

—仕事のやりがいや面白さについて教えてください。

向井:座間市に誕生したほぼ全てのお子様と関わる機会があることです。これから育っていくお子様たちに直に関わることができ、家族支援ができることについてもやりがいを感じています。

—先輩、周囲の職員との交流・関係性はいかがですか。

向井:縦に厳しいということはありません。助産師など様々なバックグラウンドをもった専門職が集まり、お互い似たような経験を共有して職場内でコミュニケーションをとっている感じです。

座間市の男性保健師は私が初めてです。女性が多い専門職の職場ですが、父親母親学級では父親視点としての教育ができることを強みとして、上手く活かせたらと思っています。

女性の多い職場で職員間のやりづらさはありませんね。また、事務職と係長については男性の方を配置して頂き、気軽に相談できる環境を作って頂いています。

—働き方について教えてください。

向井:入庁して半年ということもあり、時間内に作業が終わらない場合は残業しています。残業は自分の予定に合わせ、メリハリをつけながら計画的に行うことができる環境だと思います。ベテラン保健師になると、7~8割の方が定時に帰宅しているようです。

休日に関しては、土日に出勤することもありますが振替休暇を取得することができる体制です。有給についても、担当している事業の予定と重ならなければ取得しやすい環境ですし、子供の具合が悪い時は、看護休暇を積極的に取得できますよ。

—庁内や同期との交流はありますか。

向井:まだ入庁して半年なので同期との繋がりしか持てていませんが、市役所内に部活があるので、そこで他部署との交流をもつことができるようです。

—今後、どのようなキャリアを積んでいきたいですか。

向井:専門職として、子供の発育や発達など生活に困難を抱えている方にきちんとアドバイスができて、舵取りができないといけないと気がはっていた時期があります。そんななか、先輩保健師や上司から、保健師の仕事は、本人やご家族をコントロールするのではなく、沢山ある選択肢の中で決めた選択肢をきちんと支援出来ることが重要と学びました。

自分自身も、本人やご家族が選んだ選択肢を尊重し、きちんと支援できるようになりたいと思い、そこを目指して頑張っています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2023年12月19日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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