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行政栄養士の業務ってこんなに幅広い!~栄養講座からレシピ掲載までこなす釧路町管理栄養士の業務とは?~

「栄養士の業務」というと、多くの方が学校給食での献立作成や栄養指導といったイメージを持つのではないでしょうか?

今回は、北海道釧路町で管理栄養士として勤務する鈴木さんに、行政栄養士としての業務の幅広さやその魅力についてお話を伺いました!

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

鈴木:私は釧路市で生まれ育ち、高校までを地元で過ごしました。その後、札幌の短大に進学し、卒業後は札幌の病院内の委託給食会社で勤務していました。その後、釧路市に戻り、病院で管理栄養士として働きました。ちなみに短大で栄養士の資格を取得していたのですが、管理栄養士になるためには実務経験が必要なため、病院勤務時に管理栄養士の資格を取得しました。

結婚を機にここ釧路町に引っ越し、出産を機に一度仕事を辞めました。釧路町で子育てをする中で、マタニティスクールや乳幼児健診に参加し、そこで行政栄養士の仕事について知るとともに、その働き方に興味を抱きました。

その後、最初は非常勤職員として町の乳幼児健診や料理教室を担当していましたが、正規職員募集があることを知り、正規職員として採用されました。

ーなぜ「管理栄養士」の道に進もうと思ったのでしょうか。

鈴木:もともと食べることや料理をすることが好きだったので、何か「食」に関する仕事がしたいとずっと思っていました。叔母が保育所で調理員として働いていたので、今思えば食に関する興味はその影響もあったかもしれません。

一方で、母は看護師として働いていたため、医療の分野にも興味をもっていました。

食や医療が結びつくのは何かと考え、管理栄養士という選択になりました。

ー病院でも管理栄養士として経験をされていますが、行政と病院では管理栄養士としての業務は異なりますか?

鈴木:病院の管理栄養士をしていた頃は、栄養指導を行う場面よりも給食管理が中心で、どちらかというと縁の下の力持ち的な存在でした。行政ではどうかというと、町民のために料理教室を開いたり栄養相談で訪問するなど、住民の方の生活に密着した仕事を通して、栄養の知識を直接伝えることができています。このように食の知識を直接誰かに、しかも地元の方々に伝えられるというのは、行政ならではの面白みだと思っています。

ー現在はどのような業務を行っているのですか?

鈴木:現在はけんこう応援課健康推進係というところで、子どもから高齢者まで、幅広い年代の方々に向けた栄養講座や料理教室などを担当しています。また、町の広報誌の裏面に「ヘルシーレシピ」というコーナーを持たせていただいており、そこに掲載するレシピの考案なども行っています。

管理栄養士は母子保健係にも配属されているのですが、こちらは会計年度任用職員で、乳幼児健診や、お子さんの栄養に関する教室、マタニティスクールなどに携わっています。

ー「ヘルシーレシピ」とは、鈴木さんの考えたレシピが掲載されているのですか?

鈴木:私が考えたレシピを掲載しています。もともと料理を作ったりアレンジしたりするのが好きだったので、この「ヘルシーレシピ」へのレシピの掲載は好きを活かせていますね。大変な時もありますが、とても楽しくやらせてもらっています。

広報誌に載せるだけでなく、リーフレットを作って配布もしているのですが、町民の方から「毎号集めています」とか「切り抜いて保存しています」といった嬉しい声を聞くこともあります。普段の業務とはまた少し違ったやりがいで、私にとって大きな励みになっていますね(笑)

ー好きなことが活かせるのは素敵なことですね!逆に、これまでに行政栄養士として携わった業務で、大変だったことはありますか?

鈴木:採用直後に食育推進計画を立てる必要があったのですが、食育推進計画は前例がなく、初めてのことだらけで本当に大変でしたね。どうやって調査を進めるのか、どうやって評価するのか、そして集めた情報をどうやって具体的な計画に落とし込んでいくのか、今振り返っても全くの手探り状態でした(笑)

しかも、食育推進計画は町役場の中だけで完結する話ではなく、関係機関等の意見を聞き、それらも計画に反映させる必要があったんです。いきなり業務のフィールドが役場外にも広がったため本当に苦労しましたね。

ただ、非常勤職員として働いていた頃から、少しずつ調査の部分には携わっていたので、その経験が少しは役に立ったと思っています。

ー行政栄養士として働くやりがいや魅力を教えてください。

鈴木:「食」は私たちが生まれてから死ぬまでずっと続いていく、健康と生活に深く根付いたものです。行政栄養士としての一番のやりがいは、ただ情報を提供するだけでなく、住民一人ひとりの健康を支えるために、食の大切さを伝えられることだと感じています。

住民の声に耳を傾けながら、「こんな方法もありますよ」と提案し、それを実際に取り入れてもらえたり、「知らなかったことが知れて良かった」と喜んでもらえたりすると、本当に嬉しくなりますね。

健診後の訪問や電話相談など、住民の方と直接関わる機会も多いので、健診結果と照らし合わせながら、その方の状況を理解し、「これならできそうですね」とか「ここは少し注意が必要ですね」といった、その方に寄り添ったお話ができることも魅力だと思っています。

ー実際に行政栄養士として働く前と後で、イメージと異なっていたことなどはありますか?

鈴木:漠然としたイメージでは、デスクワークが主となると思っていたのですが、実際には住民と関わる機会が多いなと感じましたね。

また、行政栄養士は住民の方の健康をサポートする仕事なので、自分の考えや意見を事業に反映する機会は少ないと思っていたのですが、実際には「こんな料理教室をやりたい」「こんな講座を開きたい」といった提案が採用されることもあり、想像していた以上にやりがいを感じています。

ー鈴木さんが行政栄養士として働いている職場はどのような雰囲気ですか?

鈴木:私は現在保健福祉センター勤務なので、周囲には管理栄養士や保健師といった専門職や事務職の仲間がたくさんいます。どの職種も一緒に連携しながら仕事を進める雰囲気があるので、保健活動に際して壁にぶつかった際も孤立するようなことはありません。その点はとても恵まれた環境だと感じています。

また、正規職員の管理栄養士は少ないため、不安を感じる方もいるかもしれませんが、専門分野は違っても、保健師などと連携を取りながら一緒に考えることができるので、孤独感を感じることはありません。安心して働ける環境だと思いますよ。

ー今後釧路町の管理栄養士として携わることができる業務などはありますか?

鈴木:今年度から、保健と介護の一体的な取り組みが始まり、私たちの係が中心となって事業を進めています。高齢者向けの健康相談や訪問、フレイル予防講座など、これからの釧路町では幅広い業務を担当することができます。

ー鈴木さんが思う釧路町の魅力を教えていただけますか?

鈴木:釧路町は小さな町だからこそ、地域との繋がりが強いのが魅力だと思います。

子育てをする中でも、基本的には小学校も中学校も同じという友達ばかりなので、親同士、子ども同士も知りあいで、みんなで見守っているという安心感があります。

生活に必要なものは商業施設などで揃っているので、不便を感じることもありません。少し車を走らせれば豊かな自然が広がり、釧路湿原を一望できる湿原展望台からの眺めは素晴らしいですね。夕日や川の蛇行を見下ろすことだってできます。

また、小さな町だからこそ、学校教育の中でも地域の特産物や特徴について学ぶ機会が多いと思っています。子供たちは自然と地域への愛着を育むことができるのではないでしょうか。

ー求職者の方に、一言メッセージをお願いします!

鈴木:海の幸、山の幸が美味しいここ釧路町で一緒に働きませんか?

特に昆布や白かぶは絶品ですよ。厚岸湾に面しているので、新鮮な牡蠣も味わうことができます。豊かな自然と美味しい食べ物に囲まれた釧路町でお待ちしています!

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年8月20日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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