人とのつながりを感じながら働く!〜福岡県宇美町役場の社会教育課の働き方とは?~
宇美町役場の社会教育課で働く早野さんに、これまでの経歴や役場での仕事と職場環境についてお話を伺いました。
—これまでのご経歴を教えてください。
早野:私が小学校5年生のときに宇美町に引っ越してきました。その後、町外の福岡教育大学で地域福祉や生涯学習、社会教育を専攻しました。
就職活動では、地域福祉に興味があったので、公務員を志望しました。宇美町役場以外の自治体の応募も検討しましたが、志望動機を準備していくうちに、地元で働きたいという気持ちが強くなり、宇美町役場の試験を受け、ご縁あって現在にいたります。
社会福祉士の資格は保有していますが、行政事務職として入庁しています。
—これまで所属されていた部署や仕事内容について教えてください。
早野:入庁してはじめの4年間は教育委員会へ出向し、学校教育課に配属されました。公務員というと事務仕事をするイメージがありましたが、それだけでないことも多く、戸惑いながらも充実した4年間でした。
先生方との研修に関するやり取りなどコミュニケーションをとることも非常に多かったので、コミュニケーション力が求められました。
また、やればやるだけ仕事が生まれるので、どこまでやればいいのかといった仕事の進め方についても悩むこともありました。その際には先輩職員から業務分担の方法や、会計年度任用職員など自分以外の職員との協力方法などを学び、1つ1つ解決して業務に臨むことができました。
また、「調べる学習コンクール」という図書館を使った全国的な調べ学習の取り組みがあるのですが、宇美町としてより充実した事業にするためには、学校教育課としてどうすれば良いのかを考えながら仕事をする機会がありました。
「調べる学習コンクール」では、宇美町が優れた推進活動を行った地域コンクール主催団体として表彰され、私も東京で行われた表彰式に参加させてもらいました。
このように、目に見える成果も出て、業務がだんだんと楽しくなっていったことを覚えています。
その後、税務課へ異動しました。雰囲気や業務内容ががらりと変わり、転職したような気持ちでした。窓口で受けた申告を課税システムに入力する事務処理がメインの仕事です。
それまで、お金に関する業務をあまり経験していなかったので、確定申告をはじめ、税金の勉強を1から始めました。また、学校教育課とは異なり、直接町民の方とお話をする機会も多くなり、どうすれば雰囲気がよくなるか、うまく伝えられるかなどを学ぶ機会となりました。
確定申告の時期はとても忙しいのですが、その分職員同士の結束が強まりました。今でもそのときの同僚と一緒に食事をすることもあります。
—現在のお仕事について教えてください。
早野:再び教育委員会に戻り、社会教育課に所属しています。はじめに配属された課とは異なり学校教育以外の幅広い分野にわたる業務内容です。
私は主に「人権教育」を担当しています。具体的には人権教育に関する講演会、町人権教育推進協議会に関することが主な仕事です。また、生涯学習の講座、子ども達の体験活動、二十歳のつどい(成人式)の運営を担当しています。
この部署は、決まったことを進めるのではなく、より充実した事業になるように自分たちで考えて動くことができる職場です。毎年限られた予算の中でどれだけのことができるかを工夫するのが難しくもあり、面白くも感じます。
大学で専攻していた、社会教育に携わる仕事で、この環境だからこそできる仕事の面白さがあり、日々のやりがいに繋がっていると感じています。
ー印象的な経験はありますか?
早野:「二十歳のつどい」は令和2年度から担当しています。コロナ禍で、人々が集まって何かをすることが難しい状況でした。
実行委員や上司と話し合い、その時に可能な限りのことをしようと企画を考えました。例えば、中学校ごとに集合写真を撮って、全員に配布するプログラムが恒例でしたが、そうではなくスナップ写真をたくさん撮影し、Webアルバムを導入して、Web上で参加者に写真や実行委員が作成した企画ページを共有できる仕組みにしました。
また翌年も、たとえ15分でもイベントを開催できないかと模索しながら、準備を進め、開催することができました。大変な部分もありましたが、実行委員を務めた方たちから『やって良かった』『楽しかった』と言ってもらえたことが非常に印象深いです。
異動すると、業務内容がガラリと変わり、戸惑うこともありましたが、それぞれの部署で、新しい知識や価値観を習得することができたと思っています。
ー働き方についても教えてください。
早野:現在は仕事と子育てと両立しており、部分休業という制度を利用して働いています。30分単位で1日2時間まで、休業が取れます。例えば出勤を30分遅らせ、1時間早く退勤するといったことができます。
融通は効きますし業務量を調整しながら働くことができるので、例えば「二十歳のつどい」の準備時期は打合せを夜の時間に行うために残業もするなど、家族に相談しながら、自分でスケジュールを調整しています。
また、子どもの傷病の看護などで有給休暇も利用しています。数日続いてしまうこともあるのですが「子どものそばにいてあげて」と声をかけてくださったりと、取得しやすい雰囲気なので、とてもありがたいと思っています。
ー職場の雰囲気について教えてください。
早野:人とのつながりを感じられる職場です。一緒に仕事をした方は、他部署であっても、何か分からないことや相談したいことがある時、依頼がある時などに、話しやすく、仕事が進めやすいと感じています。
また、同期は同じ年代の子どもがいることもあり、仕事以外のことも話したり、相談したりしますし、職員互助会の旅行にも一緒にいきました。
あとは、宇美町には青年団という団体があって、そこには宇美町役場内外の25歳までの若者が集まっています。そこで知り合った方も多いです。
また、社会教育課では、町民の方と一緒に事業を進めることも多く、別の場所で会った時なども声をかけてくださったりすることもあり、様々なシチュエーションで人とのつながりを感じます。
また、役場内ではないですが、大学時代のつながりも現在の仕事につながっています。私は学生時代「福岡プレーパークの会」という子どもの遊び場を作る学生団体に所属していたのですが、その時に一緒に活動していた方に「宇美町役場の職員になりました」と報告をしたときに、宇美町の子どもの遊び場や居場所づくりのために、何か一緒に活動ができれば良いね、という話になったんです。最近、その会の代表メンバーであった方が講師として参加されたフォーラムに参加し、再会したことがきっかけで、今年の11月にある生涯学習のイベントに関わってもらうことになりました。本当に人とのつながりを感じました。
ーこれからの展望を教えてください。
早野:社会教育課で働いていると、「地域のために自分の力を何かに活かしたい」という方と接する機会が多いです。地域のつながりが希薄になっていると大学時代に学んでいましたし、少子化で私が子どもの頃に比べて子ども会も減っているな、と感じている中で、そういった方たちと、一緒に何かをしていくことができる環境は、貴重だと感じています。
この環境を活かしながら、より充実した社会教育事業ができるように、自分も宇美町職員として、尽力していきたいと思っています。また異動しても、宇美町が、より良い町となるように、自分に出来ることを探していきたいと思います。
ーどういった人材と一緒に働きたいですか?
早野:まちづくりに興味がある方、町を良くしたい、こういう町にしていきたい、と思っている方にとっては、とてもやりがいがある職場だと思います。周囲に自分のアイデアを伝えやすい環境です。宇美町役場には「宇美町のために何かをしたい」と考える職員が多くいます。私たちと一緒に宇美町を盛り上げていきましょう!
—本日はありがとうございました。