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村民と子どもたちの生活の基盤を作る!〜自治体職員として働くやりがい〜

奈良県上北山村に地域おこし協力隊として村外から移住し、現在は村役場で子育てをしながら働く辻井真理子さんに、お話を伺いました。

—これまでの辻井さんの経歴を教えてください。

辻井:私は奈良県の田原本町で生まれ育ち、大学では国際協力や福祉系のボランティア活動をしていました。当時から身近な地域や居場所作りの仕事に携わりたいと思っていたのですが、当時あまりそういった求人がなく、まず基盤を作るためにインターネット回線の訪問営業の仕事をしていたんです。

その後転職活動をしている際に、上北山村の地域おこし協力隊の求人広告を見つけたのをきっかけに上北山村に移住を決めました。

—「地域おこし協力隊」のような、地域に対して貢献したいという仕事を考えはじめたきっかけがあれば教えてください。

辻井:大学時代、徳島県の上勝町という町にインターンシップで1ヶ月くらい滞在していたのですが、地域の方々が、料亭で見るような季節のあしらいに使う紅葉や桃の花などを栽培して東京などに出荷する試みをされていたんです。

そのときの町にいた高齢の方々が、ものすごく楽しそうに元気に働かれていて。「人って居場所や出番があったらみんな元気に輝くんだな」と感銘を受けて、地域での活動に興味を持ちました。

—「地域おこし協力隊」とは、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

辻井:採用時の業務は主に二つありました。一つ目は地域資源を生かしたスポーツイベントメニューの開発・運営。二つ目は上北山村情報の発信です。

一つ目の業務は、私自身にスポーツ系の実務経験がなかったので、当時役場の担当だった方が地域の方と立ち上げた「大台ヶ原マラソン」をスタッフとしてお手伝いしました。

二つ目の業務は、とにかく地域のことを知るためにいろいろな人に会ってお話を聞いていたんですが、皆さんすごく個性的で面白い方達ばかりで。その時取材で話していた内容を「山と暮らす」という冊子にまとめたんです。

その二つの業務を2年半務めた後、任期満了するタイミングで職員として入庁しました。

http://www.vill.kamikitayama.nara.jp/kamikitayamaPdf/yamatokurasu.pdf

—大台ケ原マラソンは今も続いているイベントですよね。冊子も含めていろいろなお仕事をされていたんですね。

もちろん、自分一人でやったというものでは全く無いですし、興味があるならと関わらせてもらったという形です。ゼロから作り上げるのは難しさは非常に感じました。職員の方々が非常に優しく、また他の地域おこし協力隊制とも協力体制を築いて良い経験となりました。

—そのまま上北山村に職員として入庁された経緯を教えていただけますか?

辻井:満了のタイミングで公務員をやることは考えていませんでした。ですが、当時担当していた職員の方が「もし今、他にやりたいことがないんやったら、上北山村役場の職員受けたら?」と言ってくださって。自分としてもたくさん悩みましたが、地域の方たちからも「嫌になったらやめていいよ」と励ましてもらったんです。

実際役場に就職して、すごく気持ちが楽になりました。これまで自分の立場の不安定だった部分が、「役場職員」になったことで、上北山村の村民の人々のために地域の基盤を整え、村民のために働くという目的が明確になり、自分の足元もしっかり固まったように思います。

今もう9年目なんですけど、周りの職員に助けてもらいながらやりがいをもって仕事ができています。

ー正規職員になった後でギャップはありましたか?

辻井:公務員の仕事って、「お役所仕事」とも言われて堅いイメージがあるじゃないですか。実際、先程の地域おこし協力隊時代の企画やクリエティブな仕事ではなく、事務仕事といった仕事が大半です。ただ、そういった1つ1つの事務仕事こそが、住民のためになっているということを、入ってから実感しました。これがもともとやりたかった地域に貢献する仕事なんだなと日々感じています。

ー日々やり甲斐を感じられているのですね。具体的にどういった仕事をされているのですか。

辻井:現在は教育委員会に所属して、学校教育全般に関する業務や、保育園に関わる事務を担当しています。

例えば、上北山村を出て高校で学ばれる方への教育資金の貸付の作業や、今年度保育園が新設されたのでその設立に至るまでの設計や建築、施工に関する会議にも参加しました。

そういった日々の業務は、小さな事務作業ではありますが、大げさに言うと子どもたちの未来、子どもたち一人ひとりの将来に関わる仕事をしているんだというやり甲斐を感じています。

—ここからお仕事の話とは少し離れて、上北山村への移住に関してお伺いします。上北山村での暮らしで、良かった点はありますか?

辻井:そうですね、ご近所さんとの関係とか、娘が生まれてから村民の皆さんが娘のことを知ってくれている人が多くて、大きくなったねと声をかけていただけることが多いです。

小さい時から娘の成長を喜びながら一緒に見守ってくれていて、上北山村ならではの人の温かさを感じました。

—逆にここは不便だなと感じるところはありますか?

辻井:強いて言えば、大きな病院に行くときや、買い物するときのアクセスが1時間半くらいかかってしまうところでしょうか。

でも、そういった時間のかかることも、週一回の家族でのお出かけと思って楽しみの一つになりつつあります。

—辻井さんは上北山村に移住してからご出産されていますが、産休育休はいつごろ取得されましたか?

辻井:令和2年の2月から産休に入って、令和4年の3月末までの約2年間育児に専念していました。育休は私が取るのがだいぶ久しぶりだったようですが、今私以外にも2人取得していて、育休のとりづらさのようなものは感じていないです。

—上北山村の育児環境はいかがでしょう。

辻井:とても恵まれていると感じます。

というのも、上北山村では生まれてから中学卒業までの教育にほとんどお金がかからないんですね。保育料も無料で、給食費も無料。保育園にも、ALTの先生がいてくれるので、早いうちから英語と遊びを織り交ぜた授業をしてくれています。他にもさまざまな補助金等の支援制度があるので、子育ては本当にしやすいです。

あとは先ほども言いましたが、近所の人たちもとても協力的なので、よく遊んでくださるおじさんおばさんの家に行って、その近くにある砂場で遊んだりとか。

私が今働いてる教育委員会には、元小学校の施設を改修した「とちの木センター」という生涯学習施設があります。そこのグラウンドに、木製のすごくいい感じの複合遊具があって、他のママさんたちもそこでよく子どもたちを遊ばせています。

—最後に、上北山村で就業を考えている方へのメッセージをお願いします。

辻井:上北山村の職員は、村外から移住して来る人が結構います。

私のように地域おこし協力隊から職員になった方もいますし、村の環境もそれを取り巻く人たちも温かみのある方ばかりです。

教育や育児の制度も整っているので、そういった環境で子育てをされてみたい方にもおすすめです。ぜひ一度訪れてみてください。

—本日はありがとうございました。

この記事は2023年8月10日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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