あたたかい人に囲まれて、理想とする保育にチャレンジ~富山県砺波市~
富山県砺波市の公立認定こども園で保育教諭として働く米澤さん、尾田さん、小西さんにお話を伺いました。
—みなさんのご経歴を教えてください。
米澤:砺波市で保育士として働いて12年目を迎えました。はじめは砺波市立油田保育所(現在は民営化)に配属され、4年間勤務。その後異動して、現在は南部認定こども園で働いています。
入庁からこれまでに産休・育休を2回取得しております。今年8月から職場復帰して、現在は0歳児クラスの担任をしております。
小西:私は砺波市出身で、大学は都内ですが就職のためUターンしました。砺波市で働いて8年目です。最初の2年は出町認定こども園で働き、その後は鷹栖保育所で3年働きました。鷹栖保育所の閉所と同時に、太田認定こども園に異動して現在は5歳児クラスの担任をしています。
尾田:私も砺波市出身で、愛知県の短大卒業後、就職を機に砺波市に戻ってきました。今年3年目になります。北部認定こども園2歳児クラスの担任をしています。
—尾田さんはどのように就職活動をしていったのですか?
尾田:砺波市だけでなく愛知県の保育所や私立など複数の選択肢があり、実際に合格もしておりました。
そんな中で砺波市で就職を決めたのは、砺波市で行った保育実習が理由です。私が保育園児だった時にお世話になった保育士の先生が今も働かれていて再会できましたし、砺波市の職員のみなさんの雰囲気が良いと感じたんです。
やはり、砺波市は人があたたかいですし、これまでお世話になった地域に貢献したく、砺波市で働くのが一番だと思えました。
—砺波市で保育教諭、保育士が働く認定こども園や保育所はどれくらいあるのですか? また、どのくらいの年数で異動するのですか?
小西:公立の認定こども園は出町認定こども園、南部認定こども園、北部認定こども園、太田認定こども園の4か所です。また、公立の保育所は庄下保育所、東部保育所の2か所あります。
私は入庁して8年で2回異動し、3か所の園で勤務を経験しました。私の同期も、2か所目か3か所目で勤務しています。産休や育休を取得した場合、1か所の在籍期間が長くなりますが、そうでなければ3、4年で異動になることが多いようです。
—現在の職場の体制について教えてください。
米澤:南部認定こども園には0歳児クラスが2クラスあります。うち1クラスは4月から稼働しており、もう1クラスは私が職場復帰した8月から始動したクラスです。私が担任をしているクラスの定員は6名で、今のところ3名が在籍。私ともう1人の先生と2人で担任をしています。
私は育休から復帰したばかりなのですが、時差勤務をしつつフルタイムで働いています。
小西:私は太田認定こども園の5歳児クラスの担任をしています。1クラス27名で、2人で担任をしています。
尾田:私は2歳児クラスの担任をしています。1学年あたり2クラスあり、私が担当しているクラスには11名が在籍しています。担任は私の他にもう一人います。
米澤:年齢に応じて配置基準があるため、子どもの人数に応じて保育教諭の数も決められています。
小西:子どもの成長につれて必要な保育教諭の数は減ります。ただ、配慮や支援が必要な子どももいるので、加配職員が配置されることもあります。
小西:砺波市では、会計年度任用職員の先生も多くいらっしゃいます。
立場や働き方は様々ですが、子どもの育ちや発達について日頃から話し合ったり、保育の計画もともに考えながら進めています。
ー新人教育についても教えて下さい。
尾田:私は入庁1年目から担任としてクラスを受け持たせてもらいました。
初めは1日の保育の流れも分かりませんでしたが、一緒に担任をしているペアの先生や、同じ学年を受け持っている他の先生方に助けていただきながら、クラス運営の方法を学ぶことができました。
小西:私が最初に担当したのは0歳児クラスだったので子どもの入園時期に差があり、実際に担当するのは8月スタートのクラスだったんです。そのため、8月になるまでは他のクラスでサポートをして経験を積ませてもらっていました。
米澤:新人の先生には経験豊富な先生がペアになるので、ベテランの先生にフォローしてもらいながら働けると思いますよ。みんな優しい先生ばかりですし。
—園ごとに特色や方針の違いはありますか?
小西:私は3か所の園を経験しましたが、園ごとに少しずつ雰囲気が違うと感じています。現在の太田認定こども園はメリハリがあります。仕事の時間はきっちり働いて、定時になったらサッと帰っています。おかげで働きやすいですね。
米澤:私は2か所しか勤務経験がないのですが、園ごとの雰囲気の違いのほかに、職員の入れ替わりによって雰囲気が変わると感じています。自分が担当するクラスやペアを組む先生によっても仕事の仕方が変わりますしね。
公立園なので異動はつきものなのですが、異動があることこそメリットだと感じています。いろんな先生方と関わることで、たくさんのことを勉強させてもらえますから。園によって行事や子どもの特性も異なっていて、地域とのつながりもさまざまです。
他の先生方からそんな話を聞いて、違う園で働く楽しみもあるなと思っているところです。
小西:研究部会などで、他の園の先生と知り合う機会があります。ですから、異動しても知り合いがひとりもいないということはありません。異動先にも顔見知りの先生がいらっしゃいますし、さほど不安に感じることはないと思います。
—研修制度や育成制度はありますか?
小西:先ほどお話したように、研究部会が開かれています。5歳児部会や4歳児部会など、受け持ちクラスの年齢ごとに集まって、1年を通してそれぞれに取り組みたいテーマの研究をするんです。子どもたちの遊びの中にどんな学びがあるかなど、年に3回ほど集まって話し合っています。
他の園で働く先生方と話していると、どんな遊びをしているのかとか、お部屋の環境などがわかり、とても勉強になっています。横のつながりもできるので、保育の経験が浅く、引き出しが少ない私にとってはいろんな知識を得ることができてありがたいです。
米澤:研究部会のほかにも、市内外の外部研修に参加できます。私は先日砺波市保育研究会の離乳食の研修会に参加してきました。園から参加を促されるだけでなく、自分から希望して参加する研修もあります。他の園の先生方に悩みを相談することもできるので、助かっています。
尾田:保育方針はどの園も同じですが、先生ごとに子どもたちに対する願いや保育観はそれぞれ違うんです。ですから、自分のやりたい保育を自分でしっかり考えて、自分がいいと思う点を吸収したらいいんだよと先輩から教えていただきました。
—砺波市で保育教諭、保育士として働くやりがいやおもしろさを教えてください。
尾田:私はまだ未熟ではあるものの、子どもと一緒に自分も成長できているなと実感できたときにやりがいを感じています。先輩から教えていただいたことや自分で勉強したことを踏まえて保育をして、子どもたちが成長したと感じた時がうれしいです。勉強したかいがあったと思います。
小西:子どもたちが「嬉しい」「楽しい」という感情を味わえた瞬間に立ち会えるところに喜びを感じています。保育教諭の仕事って、子どもと一緒に笑ったり喜んだりと、笑う回数がとても多いんですよ。
出勤すると子どもたちが「小西先生」と言ってかけ寄ってきてくれるのが嬉しいですね。一緒に活動する中で、信頼関係ができたのだと思います。また、子どもたちの成長の瞬間に立ち会えるのも楽しいです。
米澤:子どもたちと一緒に過ごせるのはもちろん、職員同士が力を合わせてチーム保育ができていると感じた瞬間がとても好きなんです。私自身、育休から復帰したてで、保育教諭としての感覚が鈍っているのではと不安に感じることもありまして。
そんなときに、まわりのみんながいろんな情報を教えてくれたり、経験に基づいてアドバイスをしてくれたりと、ありがたいと感じることが多いんです。
—砺波市の産休・育休制度について教えてください。
米澤:私は産休・育休を2回取得しました。1人目を妊娠した時はコロナ禍ということもあって、少し早めに産休に入らせていただいて、2年近くお休みしました。2人目の時も2年近く産休・育休を取っています。
最近では、1年以上2年未満の休みをとる方が多いですね。職場の方も産休・育休を取ることに理解があると感じています。
—砺波市での暮らしはいかがですか?
小西:どこに行くにも車が必要で、その点はちょっと不便だとは思いますが、富山市も金沢市も1時間圏内ですし、新幹線停車駅の新高岡駅も30分ほどです。ほどよく自然もありますし、スーパーやショッピングモールもありますから、生活しやすいと思いますよ。
尾田:私も一度県外に出たことで、砺波市の人のあたたかさを改めて認識しました。私の成人式の日は大雪だったのですが、成人式に出席する私のために、自宅から大きい道路に続く道を地域の人が雪かきをしてくださったんですよ。日頃から野菜をわけてくださったりと、力になってくださる人がいるのはいいことですよね。
米澤:砺波市は子育て面のサポートが手厚いです。助成金もありますし。砺波市では健康センターで赤ちゃんの成長に関する相談会を週に1回開催していて、気軽に相談できるのがいいところです。初めての子育てで悩んでいた私は、親身に答えてくださったのがとてもうれしくて、あたたかい気持ちになって帰宅したのを今でも覚えています。
小西:砺波市は都会ほど人が多くなく、ほどよい人の多さと人のあたたかさの中で、のびのびと生活できると思いますよ。
ー本日はありがとうございました。