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先輩だって「〇〇兄(にい)・姉(ねえ)」と呼べる環境!~気候だけじゃない!人だって温かい宇検村の魅力~

鹿児島県の奄美大島内、宇検村(うけんそん)で農業技師として働く吉原さん。農業技師という職種も魅力的ですが、何よりも働く環境が更に魅力的。目上の人を兄(にい)、姉(ねえ)と呼び、村民からも下の名前で呼んでもらえる、職員としても、住民としても宇検村を満喫している吉原さんにお話を伺いました!

—まずは簡単に自己紹介をお願いします。

吉原:私は同じ奄美大島内の笠利町の出身です。島内の普通科の高校を卒業後、実家がたんかん農家をしていたこともあり、大学は鹿児島県内の農業大学校に進学しました。2年制専修学校だったのですが、そこで農業の基礎を学びました。卒業後、平成28年4月に農業技師として入庁し、現在は産業振興課で宇検村の農業振興に携わっています。

ー宇検村で働こうと思ったきっかけを教えていただけますか?

吉原:大学卒業後は奄美で働きたいと思っていたところ、ちょうど宇検村で農業技師を募集していたため応募をしました。実家で働くという選択肢も持ち合わせていたため、ダメだったらしょうがないという気持ちで宇検村以外は受験をしていませんでした。

ー農業技師とはどういった業務をされているのでしょうか?

吉原:農業技師は、農家を訪問して農業技術の指導をするのが主な業務です。 例えば、使える農薬や管理方法が増えたり、新しい情報が出てきた時に、農家さんに伝えています。

また、農作物に病気が発生した際の対応や、栽培中に疑問が出てきた時にも相談に乗っています。 農家さんと一緒に知識を深め、より良い農業を目指しています。

県の情報や他の市町村の情報なども収集し、奄美大島内の農業技師同士で情報交換する場もあります。 農協や県の技術指導員の方々とも連携し、日々情報収集に努めています。

現在、宇検村には私を含めて3名の農業技師がいます。 昔から農政を担当していた課長補佐は、立場上は課長補佐ですが、実際のところ農業技師として現在でも活躍しています。 もう一人の方は、野菜専攻の担当として入りましたが、今では畜産、果樹、さとうきびなど幅広い分野を担当しています。

実は昨年からは私も畜産を担当することになりました。生き物と植物では根本的に違うので、対応が難しいこともありますが、日々勉強、日々奮闘しているところです。

ーこれまでで印象に残っている業務はありますか?

吉原:私一人の力ではありませんが、印象的な出来事があります。 ちょうど私が役場に入る前に、建設業を退職した方がたんかん栽培を始め、70aもの土地を開墾してたんかんを植えていました。 その小さな幼木の頃からずっと見守ってきたたんかんが、今年2月1日の「ハサミ入れ式」で収穫を迎え、その方の畑が式典の会場になったんです。 長年見守ってきた畑が、立派なたんかんを出荷するまでになったことに、大きな感動を覚えましたね。


ー働く職場として、宇検村はどのような特徴がありますか?

吉原:宇検村は人口が少ないほか、他の地域と比べると農家1人が所有する農地面積も少ないです。それに伴い、他市町村と比べると職員数も少ないので、農業技師としては幅広い分野を担当することになり、大変な面もあります。

しかし、人数が少ない分、フットワークが軽いというメリットもあります。 私の所属する課も10人ほどしかいないので、新しいアイデアを出しやすく、すぐに課内で共有できます。 また、年齢に関係なく意見交換ができる雰囲気があり、とても働きやすい環境です。これは本当に素敵なことだと思っています。それこそ、必要があれば村長まで話をすぐにもっていくことだってできてしまいます。

例えば、現在、宇検村の農産物をブランド化することを目指しているのですが、宇検村産の農産物であることをアピールするため、デザインを統一した段ボール箱を農家さんに提供しました。 また、奄美大島では、たんかんを通しただけで中身の糖度や酸を測定することができる光センサー選果機があるのですが、利用率が低迷しており、宇検村産たんかんのブランド化を図るために利用率向上を目指し、選果機を通した際に発生する選果手数料の助成を行っております。 さらに、農家さんには助成金を支給し、選果された高品質な農産物を「宇検村ブランド」として販売することができるようになりました。

宇検村はフットワークが軽いので、このような新しい取り組みも積極的にできたのだと思っています。

ー入庁前後で、イメージしていたことと違ったことはありましたか?

吉原:「農業技師」と聞いていたので、ずっと現場で技術指導をするイメージをもっていたのですが、実際には事務作業と現場は半々くらいの割合でしたね。思った以上に事務的な仕事が多いというのが正直な感想です。

また、私が役場職員として発する言動の全てが、役場としての言葉になる、責任ある言葉になるということも、働き始めてから実感しましたね。

ー宇検村ならではの魅力を教えてください。

吉原:奄美大島の中でも宇検村は辺境にあるため、他の市町村と比べても集落単位のお祭り「さばくり」が盛んです。14の集落それぞれに独自の行事があり、私も積極的に参加しています。

村が主催するバレーボール大会にも出場し、地域の方々との交流を楽しんでいたり、豊年祭では相撲大会も開催され、若者から年配の方まで幅広い世代が参加しています。

宇検村は、職場以外での地域とのつながりがとても深いことが魅力だと思っていますね。

また、 目上の人を呼ぶとき「〇〇兄(にい)」「〇〇姉(ねえ)」と呼ぶなど、親しみやすい雰囲気があります。 私自身も、課長補佐の方を下の名前で「なるき兄(にい)」と呼んでいますし、時と場所にもよりますが、課長であっても「〇〇兄(にい)」と呼ぶことがあります(笑)

集落の先輩方は私のことを下の名前で「しゅうへい」と呼んでくれています。 業務で接する村民の方々も、同様に私を「しゅうへい」と呼んでくれることもあり、とても親近感があるといいますか、嬉しく思いますね。

ー宇検村の生活はいかがですか?

吉原:宇検村は移住者に対してとてもウェルカムな雰囲気があります。 私自身も宇検村にゆかりはありませんでしたが、青年団に入れていただいたり、集落の行事に呼んでいただいたりと、温かく迎え入れてもらっています。

確かに、宇検村にはコンビニも24時間営業のスーパーもありませんし、パチンコ店もありません。 集落には個人経営の商店がありますが、だいたいが午後7時には閉店してしまいます。主要なまちからは車で1時間程度かかるので、不便に感じる方もいるかもしれません。

しかし、実際に住んでみると、不便さはそれほど感じないと思います。 むしろ、自然に囲まれた静かな環境で、ゆったりとした時間を過ごせることに魅力を感じています。 集落の行事や地域の方々との交流を通じて、日々新しい発見があり、充実した生活を送ることができますよ。

ー今後、宇検村でやってみたいことはありますか?

吉原:宇検村の生活で良いところは、人口が少ない分、やりたいと思ったことをすぐに実現できることです。 例えば、地域の若者で結成される連合青年団という団体があるのですが、「連合青年団を使ってこんな行事をやりたい」「こんなイベントを開催したい」といったアイデアがあれば、すぐに役場に繋いでもらったり、青年団で主体的に動いたりすることができます。 これは、他の自治体で一住民として暮らしていたら、なかなかできない経験だと思います。

実は私は以前から、奄美大島でゲーム大会を開催したいと考えていました。 島内でゲーム大会を見たことがなく、実現できたら面白いと思ったんです。 そこで、連合青年団や地域の方々の協力を得て実際にゲーム大会を実施し、去年第2回目のゲーム大会も開催することができました。 「にい」「ねえ」の力を借りて実現できたことに感謝していますし、今年も開催したいと考えています!

ちなみにゲーム大会は、奄美大島内で開催されるリアルなゲームイベントです。 去年は宇検村で開催し、200人ほどの方々が参加してくれました。 親子で一緒にゲームを楽しんだり、屋台で買い物を楽しんだり、とても賑やかなイベントになりました。 青年団が主催し、役場も施設を提供してくれるなど、地域全体で盛り上げてくれました。

これは、宇検村だからこそ実現できたイベントだと思っています。 これからも、地域の方々と協力しながら、宇検村ならではのイベントを開催してみたいですね。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年8月9日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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