見出し画像

子育てをしながら建築技術職としてのキャリアを築く~ワークライフバランスを整えた泉南市役所での仕事

大阪府泉南市役所の都市整備部住宅公園課で、建築技術職として働く山下明奈さんにお話を伺いました。

—これまでのご経歴を教えてください。

山下:高校卒業後、専門学校に進学して建築を学び、二級建築士の資格を取得しました。卒業後は個人の設計事務所や地域に根付いた工務店、不動産会社で建築の仕事をしていました。

特に不動産会社には約9年勤務し、住宅の設計やホテルの内装に携わるなど、いろいろな仕事にチャレンジさせてもらいました。この会社に勤めている間に結婚・出産し、産休・育児休暇を取得。

復職するつもりでいたのですが、子育てをしながら働くことを考えると、家と職場の移動時間の長さがネックになりまして。2023年4月に泉南市役所に入庁しました。

—なぜ泉南市の公務員になることを選ばれたのですか?

山下:結婚してからは泉南市に住んでいるので、自宅の近くで働きたいと思ったんです。育児中でもある中で、公務員ならライフステージに合わせたさまざまな条件で働けると思い、選びました。

とはいえ、ずっと民間企業で働いてきましたので、そもそも公務員の職種の中に建築職があることすら知らなくて。育休中に泉南市の子育てサロンや子育て支援センターを利用していた時、市の広報誌に建築職の求人情報が掲載されていたので「これだ!」と思い、チャレンジしてみることにしたんです。

—泉南市の採用試験はどのような内容でしたか?

山下:専門分野の筆記試験の後は面接です。子どもを祖母に預けての短期集中だったので大変でしたね。

面接は人柄重視だと聞いていたので、泉南市で働きたいという思いを素直に伝えました。ご縁があって泉南市役所で働けることになってよかったです。

—お仕事の内容を教えてください。

山下:公共施設の工事に携わっています。小学校や公民館などいろんな施設で、建築工事だけでなく電気工事や給排水工事など、工事の内容もさまざまなので、幅広く建築の仕事ができるところが非常に面白いです。

複数の業務を同時進行で担当することが多いので、公園のブロック塀の改修工事をしながら、小学校のトイレの設計をするような状況です。

設計は、自分で自主設計して積算、工事するケースと、設計事務所さんに委託して設計してもらうケースの2通りあります。後者は専門的な設計が必要な場合なのですが、内容をきちんと把握して工事発注、現場監理を行わなくてはならないので常に勉強が必要です。

担当している工事が行われている時は、現場の巡回に時間を使うようにしています。工事監理ではハーネスをつけて足場を上ることもあります。

ー民間企業との違いは感じますか?

山下:公共工事は予算の執行の考え方から年間の工事予定が決まっている点が民間と違うと感じます。夏休みと年度末は工事が多いから忙しいのですが、工事が少ない時期は余裕があります。スケジュールが決まっているおかげで業務も進めやすく、残業をすることはほとんどありません。

民間だと1年を通してずっと工事していますし、突発的な業務も多かったのでいつも忙しかったですね。

それと、民間企業に勤めていた時は急に休みを取るのは難しかったのですが、公務員として働き始めてからは休みが取りやすくて助かっています。先日も子どもが熱を出したので急に仕事を休まなくてはいけなかったのですが、先輩や指導員の方が仕事をフォローしてくださったので、安心して休めました。また、公務員は入庁した4月から有給休暇が取得できるので、それも子育てしていると助かりました。

部署のメンバーでも、リフレッシュのために休む方もいらっしゃいます。「ちょっと今日は休むね」とか、「仕事が終わったから時間休を取って早く帰るね」と、わりとフランクに休暇を取得されています。

ー担当する案件は自分1人で対応するのですか?

山下:1つの案件に対して、主担当と副担当の2名体制で進めています。これは私が新人だからというわけではなく、経験を積んだ職員であっても常に2名体制なんです。

どちらかが休んでも必ずフォローできる体制が整っています。これも、1人で仕事を進めていた民間企業時代とは違う点ですね。

それと、公共工事では工事の規模に関係なく、市役所内外の多くの人と関わり、調整すべき事項が多いです。ですから、普段からコミュニケーションを取って話しやすい雰囲気づくりをすることを心がけています。

—では、都市整備部住宅公園課の体制について教えてください。

山下:都市整備部 住宅公園課は12名で、住宅公園係と建築係にわかれています。私以外は全員男性職員で、年齢は私が最年少です。私の在籍している建築係は、係長と主任2名、そして私を含む4名体制です。

働いている人の役割や年齢層はさまざまです。実は、市役所の職員ってお堅い人ばかりだと思っていましたし、技術職の方々には怖そうな印象がありました。

しかし、みなさん優しく接してくれていろんなことを教えてくださるので、イメージが変わりました。

ー教育の体制はどのようなものだったのですか?

山下:入庁半年の研修期間は、指導員がマンツーマンでついてくれて、仕事の進め方はもちろん、有給休暇の取得方法など事務的な手続きについても丁寧に教えていただきました。

初めの1か月は、1週間ごとに指導員の方とミーティングを行ったうえで目標を設定し、その後、設定した目標について振り返り、フィードバックをいただいていました。

いつでもささいなことでも質問できますし、育児の相談にも乗っていただいたりと、コミュニケーションはよくとれていました。

—これからどのような仕事がしたいですか?

山下:泉南市は人口減少をはじめとするさまざまな問題を抱えています。そんな問題をひとつひとつ解決していかなくてなりません。

建築職として入庁した私にできることといえば、泉南市に住みたいと思ってくれる子どもたちが増えるような公共施設を作っていくことです。

私は子育てを通じて、泉南市の公共施設が古くなっていると気づきました。これからはそういった公共施設や小学校などを蘇らせるための修繕や建て替えが発生するはずです。

民間企業で働いてきた経験を活かして、これらの事業に尽力していきたいです。

—これから泉南市役所で働きたいという方に向けてメッセージをお願いします。

山下:建築職をはじめとする技術職として働く女性は少ないというイメージがあると思います。実際、女性技術職の人数は少ないのですが、職種は違っても同じフロアで働く女性は多いので、働きやすい職場だと思います。

民間企業で技術職としてのキャリアを積もうと考えると、結婚や出産などのライフステージの変化がどうしてもネックになりがちです。

しかし、公務員として働いていれば産休や育休が取りやすいだけでなく、男性技術職と同じように研修や試験を受けてキャリアアップを目指すことができます。

女性が仕事をしやすいのはもちろん、男性も女性もワークライフバランスがとりやすいのも公務員として働く大きなメリットです。泉南市役所では男性も育休や介護休業を取得しやすい環境が整っています。山本市長ご本人も育休を取得されたくらいなんですよ。

私は民間企業から建築職のキャリアをスタートさせましたが、自治体職員という立場から建築職のキャリアをスタートさせるという選択肢もありますよ。

ーありがとうございました

この記事は2024年2月28日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

泉南市役所の採用情報はこちら