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育児と仕事を両立して毎日をやり切る!~時短勤務をサポートする阪南市役所の企画部署とは?~

大阪府阪南市役所の政策共創室で働く大家 麻衣(おおいえ まい)さんに、これまでの経歴や市役所でのお仕事と職場環境についてお話を伺いました。

—これまでのご経歴を簡単に教えてください。

大家:母は看護師で父は消防士という公務員の家庭で、阪南市で生まれ育ち、大学卒業後、地元の阪南市役所に入庁しました。

入庁後、まずはみらい戦略室という企画部署に配属になりました。ちょうど市の基本方針となる総合計画の策定を進めていたころで、会議の準備・メモ取りや、中学校の生徒会役員の皆さんにご参加いただいた会議の運営などを担当していました。右も左もわからない状況でバタバタしながらも、やりがいを持って楽しく過ごせた1年間でした。

2年目に配属になったこども家庭課は、全く異なる環境でした。児童福祉に関する窓口や保育の担当だったのですが、子どもが保育所に入れず仕事ができない方や、離婚を考えている方からのお話を聞いたりなど、生活に密接した、市民のお一人お一人に関わる仕事に5年間従事していました。

カルチャーショックを受けたというか、ここで引きずっていた学生気分が完全に抜けたような、公務員という仕事が非常に重要な仕事だということを実感できた経験だったと思います。

その後は税務課の徴収係の仕事で、自分としてはハードな環境での交渉も経験しました。そして、大阪府庁への出向職員募集に応募し、出向を経験いたしました。

派遣が終わった後は、行政経営室、現在の政策共創室という企画系の部署に配属されました。感覚としては、入庁当時の所属に出戻ってきたという感じです。それから結婚をして、妊娠出産のために2年間休暇をいただき、復職後も同じ部署に在籍しています。

—大阪府ではどのような仕事をしていたのでしょうか?

大家:市町村課という部署に2年間在籍していました。1年目は地方自治法や住民基本台帳法に関する仕事をしていました。いろいろな市役所の市民課やその他の課からの問い合わせ対応であったり、補助金や調査に関する業務、市町村と国との連絡役をしていました。2年目は地方公務員法という法律に基づき、各市町村の人事担当課等からの問合せ対応や国からの調査業務などを担当しました。

ー多くの部署を経験されてきたんですね。

大家:はい、それぞれの課での仕事や忙しさについても理解できたと思っています。今の課では、別の課に協力や依頼をお願いする場合が多くありますが、なるべく相手に負担にならない手法、そしてコミュニケーションをできるだけ心がけています。

ー大阪府庁を経験されて阪南市役所との違いも感じましたか?

大家:感じました。特に府庁の働き方で驚いたのは、効率を重視した仕事の進め方です。課にもよると思いますが、私がそれまで市役所で所属した課では、精度を重視し、自分なりに100%をめざし形を作り、その後上司が手を入れていく手法をとっていましたが、大阪府では、スピードを重視し、下書きや6~7割の資料でもどんどんと見せていき、都度上司に方向性等を確認しながら手戻りを減らす手法をとっていました。

確かに、自分1人で突き詰めて90%、100%まで頑張ったとしても、方向性が間違っておりそこからの方針転換が必要になる場合もありますし、また、特に内部資料では100%の精度を求められないこともあります。

この効率を重視した方法はとても勉強になりましたので、今は私も取り入れています。

ーそうなんですね。では、現在の政策共創室では、どのようなお仕事をされていますか?

大家:現在私が所属している政策共創室の企画担当では、総合計画など市の運営に関する計画の策定や進捗管理、広域行政や関西国際空港に関する会議など、大阪府の市町村統括部局の対応や、マイナンバー制度に関すること、他に企業版ふるさと納税の仕事もしています。

また、担当課が決まっていない業務を拾い上げたり、事業構築の前段の企画部分から関わることもあります。席を空けると全く新しい分野の業務資料が置かれていて「何だこれは?」から業務が始まっていくこともあります(笑)。

ー今の業務は何人で担当しているのですか?

大家:今の業務を専任で担当しているのが私を含めて2名、他の課と兼務をしている2名の計4名です。私は時短勤務なので、作業量が多くリモートでも実施できる業務を比較的多く担当し、もう1名の主査がそれ以外の調整が必要な業務を主に担当しています。

ー時短勤務はどのような制度かを教えてください。

大家:部分休業制度を利用しています。朝は定時8時45分の勤務開始で、15時15分の退所なので通常よりも2時間早い退勤時間です。

育休前も効率化しようという意識はありましたが、現在はさらに効率化・省力化を意識して進めています。大阪府で経験したことを活かし、ひとりで作り込むより、完成度はほどほどでもどんどん出して意見をもらいながら進めていくという形です。

ーリモートワークはどういった場合に実施していますか?

大家:例えば今年度当初、娘の慣らし保育に対応するため通常勤務ができなかった時期は、リモートワークの申請をして、可能な範囲で業務をしていました。現在は子どもの病気などの際にリモートで業務をしています。

時短勤務で周りの方に負担をしてもらい、早く帰るというのは自分の中でもストレスがかかる部分はあります。だからこそ、リモートワーク制度や、業務用チャットの制度など、時短中の自分が少しでも仕事に参加することができる制度はありがたいです。

また、部分休業制度を利用していることで、周りから否定的な言われ方をしたことは私自身1回もありません。これはすごいことだと思います。

周りの人が「部分休業制度を利用していることへの気兼ねは全く持たなくていい」と直接言ってくださるので、感動するほどありがたく思っています。

ー仕事のやりがいや面白さはなんでしょうか?

大家:密度の濃い時間を過ごせているので、毎日やり切った感はあります。仕事中の緩急の付け方というか、アクセルの踏み方が上手くなったなと自分では思っています。企画の部署ではよくある話なのですが、年間を通して仕事量があり、聞くところによると、去年までは残業や休日出勤もありつつ2人で対応してたそうです。私も育休前までは、日常的に残業していた記憶があります。

しかし今は、残業すればいいという意識が全くないというか、実際に残業ができないので、ひとつひとつの作業を時間内に終わらせるよう注力していて、毎日、時間が過ぎていくのをとても早く感じています。

1日単位で考えていた仕事を、例えば「1日で2つ終わらせる」という考え方から、「2時間で1つ、1時間でまた1つ、午前で2つ終わらせる」というように、時間単位で考えるようになりました。

周りの方も、私の時間感覚に寄り添ってくださっており、上司もスピード感をもって判断してくださるので、細かく段階を踏んで作業を進めることができています。それが毎日の仕事をやり切った満足感に繋がっていると思います。

ー自分のスキルが上がっていくという観点で、市役所の仕事はどうでしょうか?

大家:市役所の仕事の根幹は、日々の生活に密着したところにあります。そのため、自分の生活に役立てようと取得した資格や生活の中で興味を持って調べたことが、ふとしたときに仕事に繋がり、自然とスキルアップになっていることがあります。それは市役所で働く上でのメリットだと思っています。

例えば、育休中に娘の離乳食があまりに進まないので、必要に駆られて離乳食アドバイザーの講座を受けて資格を取得しました。講座を受けるにあたり、子どもの食や栄養・健康を中心に様々な学びがありました。私は、直接的には母子保健の担当ではありませんが、イベントなどの準備に、このような知識が参考になったりします。

また、他の課の事業についても、学びを得たことで今までとは違った見方が出来ることもあります。

逆もまたしかりで、仕事の知識が日常の生活に生きることもあります。企画の仕事は市役所内の業務の情報に触れる立場なので、自然と、自治体や国のサービスに詳しくなります。例えば、産後体調を崩した妹に、行政の支援サービスに関する助言をしたこともあります。

このように、生活上のことが市役所の業務に役立ったり、逆に仕事上の知識が自分や周りの人の生活の役に立つのは、とても面白いなと思いますね。

ー最後に、阪南市の良いところを教えてください。

大家:まずは、ほどほどに自然と近く、とても生活しやすいところです。釣りができる海にも、カブトムシが採れる山にも、すぐにアクセスできます。

自分の体験ですが、小学校の頃、自由研究で蝉の羽化を写真に収めようと、夜間、家族と近くの山に行ったことがあります。探検のようで、記憶に残る体験でした。また、就職してからは終業後夜釣りをすることもあり、下手なりに魚がさばけるようになりました。

日常的には、自転車でちょっと行けば電車の駅がありますので、通勤・通学の便もよいです。実際に、私も、中学校入学から大学卒業まで、問題なく電車で通学できました。

次に、住民の方がとても優しいところです。初見はとっつきにくいところもあるかもしれませんが、私の場合は、接客する短い時間の中でも、口調など親しみのある対応を心がければ、すぐに打ち解けていただける方が多いと感じています。

大阪府に出向していた際は、府民との接点はほぼ電話のみでしたが、周りから、苦情の電話を共感と丁寧な説明で収める対応力を評価していただきました。私の中心にある共感の大切さや歩み寄る姿勢を育ててくれたのは阪南市の風土であり、今のわたしがあるのは住民のみなさんのおかげだなと思っています。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年9月10日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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