民間の考えを活かして知多市役所へ!~多様な考えをもって自治体で働く魅力~
民間企業での経験を経て愛知県知多市役所で働く白城さんのインタビュー記事です。
白城さんは学生時代から公務員に興味をもっていたものの、より広い視野をもってから公務員として働きたいと考え、民間企業に就職、その後知多市役所に転職をされたとのことです。民間を見てきた白城さんならではの業務のやりがいや魅力についてお伺いしました。
ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
白城:地元は知多市の隣にある知多郡東浦町で、高校卒業まで地元で過ごしました。その後、県内の大学に進学し、情報系の学部を専攻していました。大学卒業後は中部地方に密着した情報インフラ系の会社に就職し、情報通信に係るケーブル敷設の進捗管理及び実際の敷設作業等を行っていました。
前職では4年間勤め、令和6年度に知多市役所に入庁しました。
ー転職を考えたのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
白城:前職は業務を通じて多くの学びがあり、自身の成長を実感できるやりがいのある仕事でした。しかし、業務の特性上土日出勤や深夜作業も多く、ワークライフバランスの維持が難しかったことから、将来を見据えて転職を考えるようになりました。特に、ワークライフバランスが確保しやすく、地域貢献も実現できるといった点から自治体は魅力的な選択肢でしたね。
ただ、転職の時期などはあまりはっきりと考えておらず、就職後2~3年経ったころから、何となく転職も意識していたというくらいでした。
転機となったのは4年目でした。当時は三重県で勤務していたのですが、会社自体の拠点が中部5県だったということもあり、いずれは地元愛知に戻れるのだろうと思っていました。ところが、三重県で継続して勤務するといった話が出てきたため、年齢的なことも考慮し、地元に戻りたいという気持ちも後押しとなり、転職を決意しました。
ー転職先として自治体の道を選んだ理由を教えてください。
白城:以前から漠然と自治体の業務に魅力を感じていました。自分の仕事が市民の生活に直接影響を与え、その反応をダイレクトに感じられる点に惹かれていました。民間企業は、複数の企業が集まり1つの事業を進めていくというイメージでしたが、自治体は、基本的に自分たちが主体となり事業を進めていくため、より地域に根差した業務を行うことができ、地域貢献ができるのではないかと考えていました。
実は、新卒で公務員を考えなかったわけではありません。ただ、学生の頃は民間企業を経験してから行政に入りたいという思いがありました。行政は、どこか真面目で堅いイメージがあり、新卒から入ってしまうと視野が狭くなってしまうのではないかと懸念していました。民間企業での経験を通して、様々な働き方や価値観に触れた上で行政に入れば、より広い視野を持って働けるのではないかと考えたのです。
ー確かに最近では民間の考えを取り入れたいという自治体も増えてきていますので、視野を広げるというのはとても素敵な考え方ですね。自治体の中でも知多市を選んだ理由を教えていただけますか?
白城:両親が住む、地元に近い自治体で働きたいとは考えていました。最終的にここ知多市に決めたのですが、実は他の自治体でも採用試験を受験していました。
受験した自治体の中から知多市を選んだ理由はいくつかあります。
まず、交通アクセスの良さです。知多市は他の自治体に比べて交通の便が良く、最寄り駅には特急が停まるうえ、駅から職場までも近く、スムーズに通勤することができます。通勤のしやすさといった点で、他の自治体よりも魅力的に感じていました。
同様の観点にはなりますが、知多半島全体でみても知多市はバランスの取れた場所に位置しているということも魅力的でしたね。とても自然が豊かな場所であるにも関わらず、名古屋といった都心部にも簡単に出ることができるため、生活する上ではとても便利な立地だと思っています。
そして一番大きかったのは年齢的なバランスがよかったという点ですね。知多市は若年層から高齢の方まで比較的バランスよく居住されているというイメージがありました。
私は市民に向けたサービスやシステムを導入する際には、若い方にとっても年配の方にとっても住みやすい環境づくりやデジタル的な取り組みを進めることが重要だと考えています。知多市であれば、高齢者が極端に多いといったこともなく、バランスが取れた年齢構成となっているため、一方に偏ることなく、理想的なまちづくりに貢献できるのではないかと思い、ここで働くこととしました。
ー現在の白城さんの業務について教えてください。
白城:現在は情報担当として、主に2つの業務を担当しています。1つ目は職員からのシステムトラブルや不具合に関する相談を受けつけ、迅速に問題解決を図ることで、業務効率化を支援するような業務です。「庁内コールセンター」のような役割だと思ってもらえるとわかりやすいかもしれないですね。
そして2つ目は、DXを駆使したシステムの導入業務です。
市民の利便性向上や行政の効率化といった観点から、デジタル技術を活用した新たなサービスの導入を行っています。市公式LINEやオンライン申請システムなど、最新のテクノロジーを駆使したサービスを導入するにあたっての企画や予算策定、運用まで幅広く担当をしています。
ー前職と比較的近い分野のお仕事かと思いますが、これまでの経験は活かされていますか?
白城:元々光ファイバーやLANケーブルの敷設作業を行っていたため、例えば庁内でネットワークが繋がらないという相談があった際などは、現地で前職での経験を活かした対応ができていると感じています。
また、庁内インフラの保守業務の中で、通信関係の業者と連絡を取り合うこともあるのですが、相手方が言っている言葉の意味や状況がある程度理解できるというのは大きいかもしれないですね。
一方的に説明を受けるだけではなく、こちらも対等な立場でやりとりができていると感じることがあります。
ー転職してみて、現在はどういった点に魅力ややりがいを感じていますか?
白城:第一に休暇の取得に対して周囲の理解がとてもあること、これは転職して感じた魅力であるとともに、モチベーションの向上にもつながっていると思います。しっかり休んでしっかり働くこと、当たり前のことではありますがとても大切だと改めて実感しましたね。
そして、自分がやったことへの反応が直接自分に返ってくるということにとてもやりがいを感じています。
前職では、業種の特性もあり自分が今誰のために作業しているのか、その先で喜ぶのは誰なのか、ということが少々わかりにくいということがありました。自分が何かをやったことで影響を受けるのは、目の前にいる人ではなく、その先で利用している、自分からは見えない人々だったのです。
現在では、自分が支援することにより問題を解決すると、その場で直接お礼を言ってもらえることができる環境です。やはり、目の前で影響を確認できる、お礼を言ってもらえるというのはやりがいでもあり自分の成長にもつながりますよね。現在の業務は市民向けではなく、主に職員向けにはなるのですが、その職員が働きやすくなることで、その先にある市民サービスも向上するのだろうなとイメージすることもできるようになりました。
ー実際に働いてみて、民間と自治体で異なると感じた点はありますか?
白城:民間企業でシステム導入を担当する場合、プロジェクト全体の一部を担当することが多く、自分が直接的に貢献したという実感を得にくいことがあります。一方、自治体で申請システム等を構築する場合は、システム全体を自分達で検討、導入し、導入後も市民からの直接的なフィードバックを受け取ることができます。この「自分が作った!」という達成感や、市民からの反応をダイレクトに感じられることは、自治体ならではの感覚だと思いました。
また、これは企業によっても様々かと思いますが、私が所属していた会社と比較すると、やはり自治体の予算の使い方はかなりシビアだと感じました。
前職でも、もちろん予算策定はしているものの、年度内で新たに決定した事業等に関してはかなり柔軟に対応をすることが可能でした。ところが自治体の場合、予算や計画に組まれていなかった事業が発生すると簡単には実施することができず、補正予算を議会で承認していただくといった大掛かりな手続きが必要となります。
税金を扱っている以上、ここまで管理することは必要なのだとは思いますが、民間とはその取扱いに大きな違いがあると感じましたね。
ー民間も自治体も経験されている白城さんとしては、どういった人が自治体に向いていると思いますか?
白城:民間企業では、突出したスキルを持つ人材が重宝されるといった傾向もありますが、自治体では、市民との対話はもちろんのこと、様々な課との連携や調整、DX推進における関係者への働きかけなど、周囲を巻き込みながらプロジェクトを進める能力が求められます。つまり1つのスキルではなく総合力が大事になります。
特に、自らPDCAサイクルを回し、自分の中で1つ1つのプロセスを立てて完結できるような人は、自治体でも活躍できるのではないでしょうか。
ー最後に、求職者の方にメッセージをお願いします!
白城:知多市役所は、温かい職員が多いと思っています。地元出身者も多いですが、そうでない方も沢山働いています。出身地に関わらず、それぞれの個性を尊重し、多様な人材が活躍することができる場所です。
私は、出身地に関係なく、お互いのスキルを活かし合いながら働けるというこの環境に魅力を感じています。
自治体で働くとなると、「地元であること」を最優先に考える人も多いかと思いますが、出身にこだわらず、ここ知多市役所で、自分のスキルを活かしてくれるような人と一緒に働きたいと思っています!
ー本日はありがとうございました。