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希望した業務ではない経験が庁舎移転で全て活かせた!〜幅広い仕事がある公務員の業務とは〜

平成14年度に広島県竹原市役所入庁後、現在は企画政策課の公共施設再整備担当として働く中井建士(たけし)さんに、これまでのお仕事内容や職場環境、公務員の業務などについてお話を伺いました。

—はじめに、これまでの経歴をご紹介ください。

中井:大学を卒業して平成14年に入庁、最初の4年間は税務課固定資産税の担当をしました。その後の6年間は財政課で予算や決算の仕事をして、次に県庁へ出向。2年間法務のリーガル関係の仕事につき、竹原市に戻った後も法務関連の業務を4年間務めました。

次からが大転換で、庁舎の移転や移転した後の空地を活用する制度の取りまとめ役であったり、事業が円滑に進むように財政の知識を使った財源の確保などを6年間担当しています。

—庁舎移転のプロジェクトが始まってからのご担当なのでしょうか?

中井:今の市役所は大分古いので、プロジェクト自体は約10年前の平成21年頃から始まっています。実際には予算の問題でなかなか進まず、平成30年頃からより本格的に進めていくことになり、異動し担当に就きました。

その頃には西日本豪雨があったので一旦業務を止めましたが、災害復旧が終わった後の令和2年にお金の問題を一通りクリアしました。その後、実際の移転業務に着手し、今年度中に新しい庁舎にも移れる状態になっています。

—業務は何人ぐらいで担当されていたのですか?

中井:市長直属の業務なので、担当としては市長と部長、私の3人で私が基本的に動いていました。県も1人か2人ぐらいが担当で、あとは総務省と話をしていました。

竹原市役所はそんなに大きい組織ではないので、市長と直に話をします。その分、意思決定も早いしフットワークも軽いのが竹原市のいいところですね。

—財政面がクリアできた後は、設計などにそのまま入っていったのでしょうか?

中井:関係団体の調整をクリアにした後は、技術職にプロジェクトチームに入ってもらって設計や施工を進めました。この段階でのメイン業務は技術チームになるので、私は事業や財源の管理などの事務部分を担当しています。

—この段階で庁舎のコンセプトが決まるのでしょうか?

中井:最初に国から財源を取りに行った際には、新しい庁舎がどうあるべきかをちゃんと整理しています。災害が多くなっているので、防災拠点として活動できるか、市民も使いやすく、我々職員も仕事がしやすい環境であるかなどは詰めた上で動いています。

実際には、設計段階であまりコンセプトが動くことはありません。余談にはなりますが、議場は今まで年4回しか使えない場所だったのですが、今回は広い会議室にして必要な場合には議場を設けたり、市民も使えるというコンセプトを入れました。

—コンセプトの整理は既にされていたのですね。

中井:市役所は浸水エリアなので、防災上1階には窓口は置きません。庁舎なので安全性が高いのは当然ですが、職員だけではなく、市民の方にもメリットがないといけません。

決まり切ったことだけではなく、自らのアイデアでこのようなストーリーを作って進めていけるのは、竹原市ぐらいの規模の方が良いですね。

—設計や工事段階では、財源管理や事務対応をずっとされているのですか?

中井:業者との打ち合わせには一緒に入ります。技術職の人たちは技術論の話を業者の方とするのですが、それを吸い上げて議会や市民に説明する業務については私が行います。

—庁舎の移設に対して、市民の見方はシビアではなかったですか?

中井:市役所自体がかなり古く耐震性もなかったので、早く手を打つべきだと言う市民の皆さんの声は多い状況でした。地震があちこちで起こっている中でもあり、我々がやっと事業着手できましたという報告だったので、必要性があるのかというご意見は無かったですね。

—現在は、最終段階の詰めをしている状況でしょうか?

中井:新庁舎の方は淡々と進んでいるので、引越しの段取りをしていくのがこれからの仕事です。今度は現庁舎が空くので、そこの跡地に新しい施設を作る事業を進めています。

市民が使う新しいホールや図書館、子育て支援施設などを一緒にした新しい施設を建てようという複合施設整備事業を去年から動かしています。どちらかというと、こちらの方にフェーズが移っています。

事業費も大きいし、市民の方にも直接参加してもらって今事業の検討を進めているので、庁舎と比べるとお金もプロセスも大変な事業です。あと4年ぐらいの令和10年ごろには完成させたいと思っています。

—市民を巻き込んでの事業とは、どういった内容ですか?

中井:アンケートやワークショップをしたりします。話の中では、ネガティブな話題ではなくて、みんなもっと良くしたいああしたいこうしたいという部分を出してもらいます。

私の方では、財源への落とし込みをどうするかとか、広く市民に理解してもらうためには説明をどうするのかという部分を庁舎と同様に考えていきます。

—市民からアイデアを募っていく部分がとても大事なプロセスですね。

中井:庁内の関係部署、図書館の担当やホールの担当などが集まり、全体的なまち作りの視点で事業を進めていくような人などが集まったチームで進めています。巻き込み方が皆さんうまいですね。

メンバーは10人ぐらいです。若手が多く、役割分担とチームワークみたいな感じで自治体っぽくないチームです。窓口で法律に則った仕事というのではなく、ルールがない中でアイデア勝負をしているところなので、自治体の中ではちょっとポップなことを言うところですね。

もともと、窓口仕事もしていきたいなとは入庁時思っていたのですが、現在はそうではなく新しい窓口自体のコンセプトを作る仕事です。どういったつくりだと喜ばれるのか、どう新しくすればよいのかなどプランニングの部分で窓口の仕事に貢献できていると思っています。

いろんな希望を持って公務員になりたい人がいると思うのですが、希望が叶うか叶わざるかによらず、幅がかなり広い業務ができるのが公務員です。いろんな選択肢の中で適性に合わせた人事とか、何か決めてもいいけど、何か決めなくても幅広い選択肢が働く上では用意されている業界だと思います。

—仕事の面白さややりがいというのはどういう部分でしょうか?

中井:個人的には今の業務が向いてるとは思っていないです。財政や法務が長かったので、規制面の仕事が多く、自分の適性としてはどうなのかなという思いはあります。

ただそれは自分の評価であって、一方では新しいものを作っていくという点でいろんな人の動きを見ながら刺激も得ながら、すごい情熱を持ってやっている方もいるので、そういう人と一緒になって仕事ができて、自分の適性が生かせている部分もあると思っています。

公務員は揺りかごから墓場までとよく言われているように、広い幅の中で仕事をしていけます。その中で、自分の適性に合う仕事もあれば合わない仕事もあるとは思うのですが、前向きにやっていれば貢献できる部分っていうのは、多分にある業界だと思います。

—ワークライフバランスという点ではどうでしょうか?

中井:そこはやはり最高に整っている業界だと思いますね。ただ公務員の人員削減も進んでいますし、仕事も多様化しています。大変な面も結構あって、やっぱり勉強はしなきゃいけないこともあります。

一方である程度自分の裁量で仕事ができる部分が、市役所全体としてありますので、自分で調整しながらワークライフバランスも整えていくという両面があるのかなと思います。

—竹原市の暮らしという点でははどうですか?

中井:懐かしい感じのする町ですね。山があって海があって、歴史もあります。ぱっと見地味ですが、暮らしていくには何も困らない落ち着くところです。

—最後に竹原市役所のアピールをお願いします。

中井:竹原市役所自体は、結構アットホームで風通しも良い中でやっていけます。前向きにやっていれば、すごくいい職場だと思いますよ。

できたてホヤホヤの新庁舎で、市民にとってはもう当然なんですが、働く我々にとってもより良い環境で仕事ができます。5年後には新しい複合施設も完成し職場の周りの環境がこれからぐっと変わってきます。これらの施設を中心に市がまた盛り上がってきますので、ぜひ一緒に働きましょう。

ー本日はありがとうございました!

この記事は2024年11月14日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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