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スキルよりも意欲!〜相談しやすい環境でスキルを磨ける山形県金山町役場の技術職の働き方とは?~

山形県金山町役場の環境整備課で技術職として働く松田さんと小林さんに、これまでの経歴や役場での仕事と職場環境についてお話を伺いました。

—これまでのご経歴を教えてください。

松田:地元の工業高校を卒業後、金山町役場に入庁いたしました。当時は「役場」がどのような仕事をしているのかすら、よく理解していなかった私に、学校の先生が金山町役場で働くという選択肢を提示してくれたんです。先生に役場で働くとはどういうことなのかを教えていただくうちに、公務員を目指すというよりも「金山町のために働く仕事」につきたい、と思うようになりましたね。

小林:実家が建設業に関する仕事をしていて、その仕事を見ているうちにものづくりに興味をもつようになり工業高校に進学しました。実は松田さんの後輩なんです。その後大学を卒業し、生まれ育った町で、自分が学んだことを活かし、貢献できればという思いで金山町役場に入庁しました。

現在は町道除雪と道路の整備や維持管理に関する業務などを主に担当しています。金山町は特別豪雪地帯に指定される程の雪深い地域でして、過去には2m24cmもの雪が積もった年もありました。そのような冬期環境の中、道路交通を確保するための除雪業務に携わっています。また、東北中央自動車道に関して、整備を行っていただいている国土交通省や地域等との調整役等を行っています。

—環境整備課の業務内容について教えてください。

小林:環境整備課は、町民の生活に直結するインフラ、例えばゴミの処理や地球温暖化対策、道路、河川、上下水道、町営住宅の整備や維持管理を行っています。他には金山町独自の取り組みになりますが、景観に関する運動や施策を条例で定めており、それらに関する事業を行っています。

松田:今あるインフラ施設というのは高度経済成長期に短期間で作られたものでして、それが現在、一気に寿命を迎えつつあります。それを長寿命化し、コストの平準化やピークを先延ばしするためにどう維持していくかを考えています。また、インフラの老朽化だけでなく空き家も右肩上がりで件数が増えているので、それらが課題ですね。

今の時代は、新しいものを作るというよりは、今あるものを余剰だから廃止するのか、それとも必要なものだから延命したり更新したりするのかという選択を迫られることがとても多いです。事業に係る費用が他の部署と比較して桁違いに大きいので、慎重な判断が必要でプレッシャーは大きいですが、それがやりがいでもあります。

例えば橋の損傷と道路舗装のひびわれなどの補修、どちらを優先するかといった場合、国はトンネルや橋など、崩落した際に第三者に対して被害が甚大なものについては重点的に手当をしなさいとしています。我々もその通りだとは思いつつもそこに地域事情が加わると判断が複雑になります。

橋に穴が空いた時、その橋が架かる道路からしか行けない集落があったとしたら、その橋を直さないとそこが孤立集落になってしまいます。その場合、仮にその道路の交通量が少なくても対応する優先順位としては高いと判断します。

あとは緊急輸送路に指定されている路線は単に老朽化の手当だけではなく、耐震の対応をする必要もありますね。国が定めた方針を地域の特性や実態に即した内容に落とし込んでいくことが、私たちのやるべきことだと考えています。

ー課の体制について教えてください。

松田:環境整備課には管理係、建設・景観係、上水道係、環境下水道係と4つあります。課長1名を含め、10名います。

課の業務としては、道路・河川・公園等の整備と維持管理、都市計画に関する業務、公営住宅の整備と維持管理、空き家対策、街並み景観、上下水道の整備と維持管理、生活環境に関する業務(地球温暖化対策、ゴミ減量、不法投棄防止、動物保護)などを行っています。

役所はいまだに縦割りのイメージがあるかもしれませんが、うちの課ではそういったことは全くないです。例えば道路や公園関係の担当である我々が上水道係の断水の広報をすることもありますし、逆にこちらのイベントで人手が足りない時には他の係の職員が手伝ってくれます。みんなで課題を解決していくという、仕事がしやすい雰囲気で、協力体制がばっちりです。

ー景観に関する事業について教えてください。

松田:「街並み(景観)づくり100年運動」ですね。高度経済成長期では戦後の復興のため、全国的に様々な建築物を創造した一方、歴史的な建造物も破壊されていたことが当たり前でした。そのような中、金山町は昭和60年に全国で1番か2番の早さで景観条例を制定しました。

当時の金山町長がヨーロッパを視察した際、100年以上前からの町並みが保存されている様子に感銘を受け、金山町でも同じことができないかと考え、運動として取り組みはじめました。また、英国人旅行家のイザベラ・バード女史が、金山町を綺麗な街だと表現していたので、それをコンクリートの建物にかえてしまうことに疑問があったのだと思います。

条例を制定したのは国の景観法が制定されるよりもずっと前のことだったので、とても注目されたと聞いています。政策の柱として景観の保全や整備を明確にしたことはあの時代においては、珍しかったようです。

町並みを保存するため、住宅の建築様式や木造建築のガイドラインを定めたり、金山町の基幹産業が林業なので、新しく建築物を建てる際には地元の業者に依頼し、地元の森林組合が用意した木を使う地産地消で地場産業の活性化にも繋げています。こういった取り組みが認知されてきて、観光客の方にいらしていただけるようになりましたね。

ー残業はありますか?

小林:当然繁忙期などには残業することもあります。ただ、当然のことと言えば当然ですが、時間外手当や代休などはしっかりと制度化され支給されていますし、係の枠を超えた課内職員の協力体制もあります。

ー仕事のやりがいについて教えてください。

小林:町民の方に「ありがとう」と喜んでもらえたり、町が良くなっていく様子を見ることが一番のやりがいですね。お叱りを受け、耳が痛くなるようなことを聞くこともありますが、ニーズにうまく答えられた時は、やりがいにつながります。

町道の除雪で言えば、冬期間、町民が安全安心して暮らせるように業務を遂行し、無事春を迎えられた時は、やったぞ!と思います。道路を作る工事であれば地図に線が入るような大きな仕事になります。そういった点が業務に携わる者としてのやりがいや楽しみになります。

—新しく入庁した人への教育体制について教えてください。

松田:町民のニーズを満たす仕事ができるようになるためには、現場に出て、人・物・施設を実際に見たり触れたり、話したりして経験を積まないと難しいと思っています。とはいえ最初から1人で現場に行ってこい、というのは指導になりませんから、我々も当然同行します。

新人への教育という側面だけではなく、私たちも定期的に現場を見ておかないと、ニーズを感じ取るセンサーが鈍ってしまうので、上司・部下関係なく現場に行くことは大切です。一緒に行って、一緒に学んで、一緒にレベルアップできれば最高だと考えています。上司が何でも最適解を出せるわけではないので、一緒に上司も悩んで勉強します。そういった新人へ寄り添う体制がありますし、お迎えする準備ができています。

本当に些細なことでも相談・報告ができるような空気を作るように私たちは意識しています。ここが気になるとか、ちょっと失敗してしまった、とかですね。悩みを抱えこむと、その職員自身が体調を崩してしまいますし、ミスやトラブルが甚大な事故につながるリスクもありますからね。全面的に私たちがサポートします。

また、職員の意識次第でスキルアップできる研修もありますので、そこへ業務の傍ら気兼ねなく参加できるようにサポートもしていきます。研修の内容はいろいろとあって、専門職に関するスキルアップ研修から、コンプライアンスの研修など多岐に渡りますね。

—社会人経験者の方が入庁した場合、どのように業務の引き継ぎがされるのでしょうか。また、どのような業務を担当するのでしょうか。

社会人経験者の方については、その経験値などを考慮した上で、公務職場の技術職という立場に早く馴染んでいただけるような事務事業のスキームを考えています。

公務職場というのは人事異動や配置換えが常ですので、一概にこれだけ、とは言えませんが、技術系の職員として採用されるわけですので、やはり一般的な土木工事などの設計・積算・工事監理などは担当することになると思います。そこから場合によっては、建築や景観行政、あるいは部署移動により農業土木・森林土木などの業務についても関わる可能性もあります。

社会経験を踏まれている方ですので、これまでのお仕事での経験が必ず活きると思っています。技術の知識や経験だけでなく、町民の心に寄り添うような接客対応、折衝などきめ細やかな住民サービスにも期待しています。

—最後に、応募を検討している方にメッセージをお願いします。

松田:誰でも最初はハードルが高い部分が必ずあると思うので、スタートラインのスキルレベルは、あまり気にしていないです。それよりも目的意識を持って仕事や、仕事に必要な勉強に取り組めるかが重要だと考えています。専門知識にあまり自信がないという方でも応募を敬遠して欲しくないですね。

やる気があればいくらでもスキルアップできるので、そういう気持ちで取り組める人であればどなたでも歓迎です。

小林:町民の気持ちの寄り添い、町の発展や町民の生活の質の向上のため頑張っていただける意欲・向上心のある方の応募をお待ちしています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年5月27日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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