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新卒で壱岐島へ移住。若手職員・畑さんが語る業務や東京事務所での挑戦

新卒で関東から壱岐島へ移住。地域活性化の最前線で奮闘する壱岐市役所職員、畑さんに話を聞きました。東京事務所での新たな挑戦、地方公務員のやりがい、そして壱岐島の魅力について語っていただきました。

―新卒で壱岐市役所に入庁されたのはどのような経緯だったのですか?

畑:最初に就職活動をした際には、公務員になろうとは全く思っていませんでした。出身は関東で、東京の大学を卒業しその後は一般企業に就職するものだと考えていたためです。

しかし、あまりそういった企業の試験などがいまいちフィットせず、改めて「どんな暮らしがしたいか」を考えたんです。

そこで、別にどこに住んで何をしてもいい立場で自由に考えようと思い、そこで自然豊かな地域で、地域に根ざした暮らしをしたいという思いが生まれました。そしてその地域に関わる仕事ができるのは公務員なのではという選択肢にたどり着きました。

そこから、全国の自治体をフラットに捉えて調べていき、壱岐市に興味を持ち、就職いたしました。

―壱岐市を選ばれた決め手は何でしたか?

畑:まずは、壱岐市がSDGs未来都市(SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行う都市として、内閣府が選定する事業)に選定されていたことがきっかけで興味を持ちました。

そして、偶然食べた壱岐産メロンの美味しさに感動したことも大きいです。壱岐市の「生産性や効率性だけではない、手間暇かけたものづくり」に魅力を感じ、直感的に「いいところに違いない」と思いました。

―入庁後の仕事内容を教えて下さい

畑:まず観光課でスポーツ合宿の誘致や修学旅行の受け入れなど、観光振興に関わる業務を担当しました。補助金の申請対応など事務手続きもそこで学んでいます。

そしてSDGs未来課では、地域運営組織の支援や小中学生へのSDGs教育のサポートなど、地域活性化やSDGs推進に関わる業務が中心でした。現在は東京事務所で、観光振興、情報発信、企業連携、ふるさと納税など、壱岐市のPRに関わる幅広い業務を担当しています。

―壱岐へ興味を持たれたきっかけの、SDGsの業務もやっていたんですね。地域運営組織の支援とは、具体的にどのようなことをされているのですか?

畑:地域運営組織は、地域住民が主体となって地域の課題解決や活性化に取り組む組織です。壱岐市では、小学校区単位で設立された地域運営組織に対して、補助金の交付や活動のサポートを行っています。例えば、地域のお祭りやイベントの復活、コミュニティバスの運行、高齢者の見守り活動など、地域の実情に合った活動を支援しています。

―そうなんですね、では現在勤務されている東京事務所では、どのような業務を担当されているのですか?

畑:上司と2人体制で業務にあたっています。観光振興、メディアへの情報発信、企業連携、ふるさと納税など、壱岐市のPRに関わる幅広い業務を担当しています。

あとは移住支援についても、私自身が移住者なので色々相談に乗ったり、イベントごとでもゲストとして登壇したりもしています。

PR系業務ですと、壱岐の名産のPRが多いですね。壱岐産黒毛和牛や麦焼酎などを、都内の飲食店に直接売り込みにいったり、フェアを開催したりしています。領域を分け合うということではなく、常に情報を共有しながら進めていくことが多いですね。

―民間企業と交渉していくというのは大変そうですよね。

畑:会って直接お話をできるのはやはり大きいですよね。雑談レベルでも一度話をさせていただいたものをそのまま本庁に投げるのではなく、事業者側とタッグを組んで案を練り上げていきます。

企業側のやりたいこともわかるし、壱岐市にとって良い提案だなと思うものもあります。とはいえ、そのままの案では通らないので、どちらにもWin-Winになるやり方を一緒に探っていくことになります。

企業側も遠方の離島にいきなり行って提案というのはハードルも高いですし、予算などタイミングの話もあるので、継続的に企業との関係性を構築できるという役目も東京事務所にはあると思います。

ただ、本当に楽しくストレスなく働けているのですが、まだまだ力不足で悔しいという思いもあります。本当に領域が広く、さらに優秀な企業の方々とも話をするのでまだまだ伝えきれない部分もあるというのは課題で、よりいろんな経験をしていきたいです。

―印象に残っている仕事はありますか?

畑:移住のご相談で、年配の壱岐出身の方が50年ぶりにUターンをするという支援をさせていただきました。東京にいても壱岐の方のために仕事ができるんだなと思いましたし、東京で直接話しができたから、こうやって話ができたという点も記憶に残っています。

―仕事のやりがいはなんですか?

畑:壱岐市は小さな島なので、自分の仕事が誰のためになっているのかを具体的にイメージしながら働くことができます。人々の生活全般、暮らしに関わる仕事なので、例えば良い提案を企業から受けて、それを実際に事業や取り組みにつなげていけたらその分市民の方々の生活にも影響していく。その点にすごくやりがいを感じます。

―今後の目標や展望についてお聞かせください。

畑:いつかは壱岐市役所本庁に戻るでしょうし、そこで全く今と違う部署に配属されても楽しいと思いますね。どの分野でももっとこうしたらという伸びしろはあるでしょうし、やりがいはあるのではと思います。

―働き方はいかがですか?

畑:壱岐、東京どちらも最高ですね。これまでの配属部署はそんなに残業もなかったですし、壱岐では夏に17時15分定時であがれば17時半には海に浮かんでいるというような生活でしたし、今もワークライフバランスは取れています。

それと、私は旅行も趣味なのですが、九州を車で1周したり、東南アジアの方へ旅行に行ったりというのも行きやすいです。離島に住むというのは、一見アクセスが悪く不便だと感じると思うんです。

でも、壱岐島は福岡まで高速船で約1時間で着くんですね。例えば私の出身地だと車や電車どうやっても1時間以上かかって都心へ行く形ですが、むしろ船に乗っているだけで着く。大都市の福岡でも遊べますし、新幹線もあるし空港も近いので旅行にも行きやすいです。

これは住んでみて気付いた良さですが、平日は自然豊かな壱岐を楽しみ、土日は都会へ行くという楽しみ方もできるわけです。

―他に壱岐島の良さはありますか?

畑:壱岐市は2万5千人の小さな島ですが、もともと4つの市町が合併しているので、それぞれの文化・食文化・方言まで違ってくるんですね。そういったものを1つ1つ知っていくのも非常に興味深くて面白いです。噛めば噛むほど楽しい、と思っていますね。

また、壱岐に移住して馴染んでいくという点も苦労はなかったですね。先輩職員の皆さんにもかわいがってもらえましたし、街には公民館があるのでそこで地域のおじいちゃんたちと草刈りや神社の掃除などを通して交流していきました。

同じ世代の移住者もいるので、その人達と仲良くなって遊ぶということもありましたね。そうやって周りに支えられながら生活はできていたと思います。

―最後にひとことありますでしょうか?

畑:本当に、やりがいはすごくある仕事だと思います。日々仕事で出会わせていただいている方々も一流企業の幹部クラスの方、国会議員の方など多種多様なプロフェッショナルな方々であり、そういった方々と公務員として対等に話すことができる。

あと、壱岐市自体に本当にいろんな方が来てくれるので、自分の本業ってなんだっけ(笑)と思うくらいにいろんな人達と仕事ができるのは面白いです。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

この記事は2024年6月26日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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