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自然豊かな森町で空き家と移住者をつなぐ!地域おこし協力隊の魅力

静岡県森町で地域おこし協力隊として働き今期で退任を予定している横山 春人(よこやま はると)さんと、担当職員の三浦さんに現在行っている仕事内容や後任として入っていただきたい人物像について伺いました。

—まず、森町に移住する前の簡単な経歴をお願いします。

横山さん:はい。大阪で生まれ、高校まで過ごした後、医療系の大学に進みました。理学療法士を目指していたのですが、キャリアプランを大きく変え、「お日様の下で働きたい」と思い、縁あって沖縄県の牧場施設に就職することになりました。

そこでは、自然の中で、必要な物はできるだけ自分たちでまかない自給自足するような牧場で、こういうことが幸せなのかと生きるヒントをもらったように思います。

そこで妻と出会って、自分たちが感じた幸せな暮らしを今度は家族で作っていこうと思い、退職しました。それから6年ほどかけて理想の土地を探して回り、最終的に3年ほど前に森町を訪れたんです。

—森町を選んだ理由をお聞きしてもいいですか。何かピンときたものがあるのでしょうか。

横山さん:都会へのアクセスの良さ、自然の豊かさなどいろいろありますが、一番大きな理由は「水がその土地にあること」です。

以前、山陽地方に住んでいたときに西日本豪雨にあい、1か月ぐらい水が来なくなったことがありました。水源がその地域と全く違うところにあり、はるばる運ばれてきた水で暮らしていたと、そのとき初めて知ったんです。この経験から、「水のある土地で暮らしていきたい」と強く思いました。

森町役場にはじめて移住の連絡をした際に、「森町の山の方は上水道がほとんど通っていませんが、町の皆さんは水源を管理して暮らしているんですよ」と職員さんが教えてくださって。「そういう暮らしを求めていた!」と思いました。

—横山さんが本当に求めていたものが森町にあったんですね。次にお仕事について伺います。地域おこし協力隊に入った経緯を教えていただけますか。

横山さん:移住を決めた時、ちょうど地域おこし協力隊の求人があったんです。これから自分たちの暮らしを森町で作っていきたいし、自分たちがこれまで経験してきたことを地域に還元していける機会になるんじゃないかと思い、応募しました。

—横山さんのお仕事は、「空き家の利活用」と「定住推進コーディネーター」とお聞きしました。これまで具体的にどんなお仕事をしてこられたのでしょうか。

横山さん:1年目は役場職員の方と、地域おこし協力隊の先輩で現在は移住コーディネーターをされている方に付いて、森町の空き家を1件ずつ調査して回りました。当時500件ほどあった空き家の中から住める可能性のあるものをピックアップし、移住相談に同席して適した空き家を紹介する仕事です。

また、米作り体験ができる交流会も初年度から行っています。森町の中山間地域は高齢化もあり耕作放棄地が増えているんです。僕自身も田んぼを復旧して米作りをしたい思いがあり、この米作り体験が移住希望者と地域住民との交流の場になったらいいなと思って始めました。

その他に、初年度から森林環境教育の研修も受けています。廃校になった小学校の周りの裏山を使い、森林組合や森林インストラクターの方と一緒に、森林の大切さを子供たちに伝えています。森林で遊ぶ体験を通じて、森町のよさ、自然の豊さを知ってもらう活動です。

—1年目からさまざまな活動をされてきたんですね。横山さんにとって、地域おこし協力隊のやりがいとはどんなものでしょうか。

横山さん:地域の人たち、役場の人たち、色んな立場の人たちとつながりができました。自分だけでなく、地域や、自然環境や、森町にとって「良くなること」って何だろう、「地域おこし」ってなんだろう、とこれまで見えなかった大きな視野で考えるモノサシを少しずつですが、持てるようになりました。そんな人のつながりの中で、一緒に悩み、考え、喜べることをたくさん経験させてもらえているのが大きなやりがいだと思います。

そして、よそから来た自分たちにも新しいことや、やりたいことにチャレンジさせてもらえる環境にも感謝しています。

—横山さんの後任の方がくるとしたら、どんな方に来てほしいですか。

横山さん:「森町に住んでみたい」「この地域が好きだな」という気持ちを持つ人に来てほしいです。ベースに「この地域が好きだな、住みたいな」という思いがあれば、大変なことがあっても乗り越えていけると思います。

—次に、担当職員の三浦さんにお聞きします。いま募集している職種の具体的なミッションを教えてください。

三浦さん:まずは横山さんが行っている「空き家の利活用」と「定住推進コーディネーター」をそのまま引き継いでいただきたいです。また、新しくADDressとの提携業務も視野に入れています。

—「空き家の利活用」と「定住推進コーディネーター」は、先ほど横山さんにお聞きしたとおり、定住の相談にのったり、数百件ある空き家を見に行ったりする業務になるのでしょうか。

三浦さん:はい。あとは移住者が孤立しないように、先輩移住者や地域住民と移住者をつなぐ交流会などを開いていただくことも期待しています。

—なるほど。横山さんは移住者と地域住民を上手につないでいるご様子ですね。

三浦さん:そうですね。移住者の方同士はもちろん、地域住民の方とも仲が良い印象です。何かあったときに相談しやすい環境ができていると思います。

—新しい取り組みである「ADDress提携」について、もう少し詳しく教えていただけますか。

三浦さん:ADDressは全国の空き家に住める月額のサブスクリプションサービスで、利用者はいろいろな地域を拠点として暮らすことができます。もし、ADDressと提携していくようであれば、街中にある改修中の複合施設を拠点とし、その家守としての業務と移住者の相談業務をやっていただけたらなと。

ただ、まだ具体的な方針が固まっていないので、まずは現在、横山さんが担当している活動を引き継いでいただきながら、複合施設をどう運用していくか一緒に考えていきたいです。

ー地域おこし協力隊の皆さんは、どんな働き方をされているのでしょうか。

三浦さん:基本は週5日間活動してもらいます。地域のイベントなどがある場合は変則的な日程になるので、臨機応変に対応いただきたいです。また、定例会を月2回行っており、活動報告や活動計画の打合せをしますので、それには必ず参加いただきたいと思っています。

ー具体的に、どんな方に活躍してもらいたいですか。

三浦さん:住民の方と関わる機会が非常に多いと思いますので、コミュニケーションが取れて、地域に溶け込める方に活躍いただきたいです。あとは、さまざまなことにチャレンジできる方ですね。

また、自然豊かな場所に住みたい気持ちがある方も適していると思います。地域おこし協力隊の任期後も定住されるような、意欲のある方を求めています。

—地域おこし協力隊の選考はどんな流れになりますか。

三浦さん:第一次選考は書類選考です。書類選考に合格後、第二次選考で「おためし地域おこし協力」を2泊3日で体験し、最後に面接試験を行います。また、履歴書と一緒に、面接で聞かれるような「森町を選んだ理由」なども提出していただきます。

ー前もって文章で理由を確認されるんですね。「おためし地域おこし協力隊」も適性を事前に確認する方法の一つなのでしょうか。

三浦さん:選考の一環として、地域にしっかり溶け込める方なのか、意欲のある方なのかを判断させていただきたいと思っています。実際に協力隊の活動を体験したり、地域住民との交流会を行ったり、森町について知ってもらう機会にしたいです。住んでいる方と話すことで、どんな地域なのかがわかり、お互いのミスマッチを防げると思っています。

ーおためし地域おこし協力隊に参加される方は、自分でホテルを取って宿泊するのでしょうか。

三浦さん:ホテルがないので基本的には町内のゲストハウスに泊まっていただきます。事前にお電話やメールでやり取りし、応募者と相談しながら日程を決めさせていただきます。

ー最後に、応募を検討している方へ伝えておきたいことはありますか。

三浦さん:森町役場では、最初にミッションを設定します。ミッションに取り組む中で興味がわくものや新しいものが見つかったら、そちらに視野を広げていっていただけたらと思います。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2023年10月26日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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