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農業から橋梁修繕まで!?~とにかく業務の幅が広い。玉名市土木職の働き方とは~

高校卒業と同時に地元長崎県を離れ熊本県玉名市で土木職として働く土井さん。採用後は農林水産や農地整備、上下水道に橋梁の維持管理と、幅広い業務経験をお持ちとのこと。そんな土井さんに、自治体土木職としてはたらく面白みや魅力についてお聞きしました!

—まずは簡単に自己紹介をお願いします。

土井:私は長崎県諫早市の出身で、高校を卒業するまでは長崎で過ごしていました。玉名市には、旅行で遊びに来たり、グリーンランドで遊んだりした思い出があります。フェリーで気軽に行き来できる距離だったので、 家族旅行で九州各地を巡ることも多かったかと思います。

農業高校の出身なのですが、土木に関係する課程もあったため、そこで土木を専攻していました。

高校卒業後、平成21年に玉名市役所に土木職として入庁しました。

ー高校で土木を学ぼうと思ったのには、何かきっかけがあったのですか?

土井:実は私自身が何かをやりたくて決めたというわけではないんです。父も同じ農業高校の出身で、親戚にも同じ学校に通っていた人がたくさんいました。さらに仲の良かった友達からも一緒に行こうという話があり、自然と私も農業高校を選びました。

土木の専攻ではあったのですが、正確には農業土木だったため、農業用の水路や農道の設計などを主に学んでいました。

ー大学に進学するといった選択肢は考えなかったですか?

土井:当時は、大学に進学するというイメージは全くもっていなかったですね。土地柄なのか、進学する人も身近では比較的少なく、周りの友人も高校卒業後は何かしら手に職をつけて働くという人が多かったので、自然と私も卒業したらすぐに仕事をするんだろうなと思っていました。

ー旅行で来たことがあるとはいえ、長崎と熊本だと少々離れていますが、なぜ玉名市を受験しようと思ったのでしょうか?

土井:公務員を選んだのは、親戚に公務員が多かったこともあり小さい時から仕事内容なども聞いていたので一番身近な仕事だったからです。地元には大きな企業もなかったため、高校3年生になった頃から、働くなら官公庁がいいかなと思っていました。

仲の良かった友達が市役所で働きたいと話しているのを聞いたこともあり、だったら私もという感じで市役所を意識するようになりました。実は自衛隊や消防といった職種も受験していました。

ー高校を卒業後、地元を離れ働くということに不安はなかったですか?

土井:何より料理も家事もしたことがなかったので、一人暮らしをすることが不安でしたね。働くことももちろん心配なことが多かったですが、たまたま同じ高校の同級生が同じタイミングで採用されたので、それがとても心強かったです。

地元を離れ周囲に知り合いが少ないというのも確かに不安でしたが、思いのほか一人暮らしは自由で、休みの日は趣味のギターを気兼ねなく弾いたりできました。

今は子育てでなかなか一人の時間が持てない分、あの頃の自由な時間は良い思い出ですね。

ー同期も年齢が様々かと思いますが、同期との関係性はいかがでしたか?

土井:同期は6人で、先程説明した同級生のほか、もう1人同い年がいました。年上の人が気を使ってくれていて、入庁したときから同期間では敬語を使わないように言われていたので、とても仲良くなりました。私にとっては頼れる兄や姉のような存在ですね。

仲間内では敬語を使わないような関係性ですが、他の方がいる前では敬語を使ったりと、使い分けをしています。

高卒のメリットというほどではありませんが、同期では私たちが一番年下だったので、何かと甘えさせてもらえることが多かったですね。

皆でご飯に行ったときの割り勘も、年の分ちょっとだけ負担が少なかったりもしました(笑)

ー逆に、高卒で入って大変だったと思うようなことはありますか?

土井:職場では断トツで年下だったので、大人の人とどんな会話をしていいか戸惑いましたね。音楽の話も世代が違うから分かってもらえないだろうし、長崎出身なので方言も違うし、方言が出てしまうと相手に通じないかもしれないといった不安もありましたね。

ーこれまでどのような業務を経験してきたのですか?

土井:最初に入った農林水産課では、トマトやイチゴ農家さんを3年間サポートしていました。ビニールハウスの建設や農業機械購入の補助金を決定・支給するような業務が主でした。実際にハウスを建てるのは農家さんなので、私の仕事は経済的なサポートがメインでしたね。

農業高校出身ではあるものの、土木職としてイメージされるような業務とは全然違うので、むしろイチゴがいつできるのかとか、イチゴ栽培の勉強をたくさんしていました(笑)

その後、農地整備課に異動になって、農道や水路の維持管理、災害時の復旧を担当することになりました。ここは正に高校で勉強したことが活かせる仕事で、工事の発注とかもしていました。ただ、工事だけがメインの仕事というわけではなく、農家さんが農道や水路の草刈りをする上での日当補助や、材料費の補助といった業務も多かったですね。

その後、上下水道工務課に異動になって、下水道本管の建設や新築住宅の横引き、公共桝の設置を担当することになりました。

こちらに関しては本当に何もかもが初めてで、前の課の知識や経験、学校で学んだことが全く活かせませんでした。そもそも下水管がどうやって敷設されているのかすら知らなかったくらいです。

そして今、土木課で橋梁の維持管理を担当しています。前の課の異動と同じで、今までの知識や経験が活かせない部分も多いですね。ただ、4課目になり、公務員としての知識や経験はこれまでに培ったものが活かせるようになっていると感じます。

ー農地、上下水道、橋と様々な分野を経験されているのですね。これまでで印象に残っているような業務はありますか?

土井:今現在の業務になりますが、橋梁の修繕業務は印象的というか特徴的だなと思っています。破損箇所の補修に関しては、業者への発注だけでなく、時には自分たちで材料を調達して補修することもあるんです。この橋梁メンテナンスは全国的にも注目されている分野で、私たちの取り組みはメディアに取り上げられたこともあります。

修繕の規模にもよりますが、自分たちで直接橋梁の補修作業を行うのは、他の自治体ではあまり見られない取り組みかと思います。

ー土井さんにとって、自治体で土木職として働く魅力はどういったところにありますか?

土井:これまで4つの部署を経験してきましたが、毎回仕事内容がガラリと変わるので、勉強することは本当に多いと思います。ただ、そのおかげで町中を歩くときの視点も毎回変わります。下水道に配属されていた時はマンホールが気になったし、農地整備課の時は水路が気になるなど、配属される部署によって、町の見え方や自分が興味を持つ点が変わるといった点は、自治体の中で働く面白みであり、魅力だと思っています。

ー働く環境として、玉名市役所はいかがですか?

土井:子育て環境の話になりますが、実は2人目が生まれた時、育休を取得させてもらいました。私が採用された頃は、男性が育休を取るなんて考えられなかったのですが、今では育休を取得するのが当たり前になりつつあります。

周りの同僚でも育休を取得する男性が増えていて、私が知っているだけでも、育休を取得した男性はかなりいると思っています。

1人目の時は育休を取らなかったのですが、2人目で実際に育休を取ってみて、1日の育児の大変さや妻の苦労を少しは理解できたような気がしています。今でも育休をとって良かったと思っています。

ー最後に、求職者の方にメッセージをお願いします。

土井:高校を卒業後すぐに働き始めたわけですが、実は20歳くらいの頃は、大学に行けばよかったと思うこともありました。仕事が忙しかったこともあって、大学で遊んでいる友人を見て、自分も遊びたいなという感じでしたね。

ただ、今になってみれば進学せずこの仕事に就いて良かったなと思っています。仕事の中で大学とは違った多くを学べることも楽しいですし、結果的に親にも金銭的な負担をかけずに済んだというのも良かったですね。

周囲の職員は、相談すると親身になって力になってくれる人たちばかりです。なので、知識がない、経験が少ないといった不安は抱かなくても大丈夫です。少しでも興味があれば、是非チャレンジしてみてください。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年7月29日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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