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福祉の仕事がしたい!~公務員から民間企業へ転職、再度公務員へ挑戦した大阪府泉南市役所・社会福祉士~

公務員から民間企業に転職後、やはり福祉の仕事がしたいという想いから社会福祉士の資格を取得して再度公務員に挑戦した、大阪府泉南市役所・社会福祉士の藤田浩行(ふじた ひろゆき)さんに、社会福祉士としての業務や仕事のやりがいなどを伺いました。

—これまでの経歴について簡単にご紹介ください。

藤田:大学卒業後に自治体で働きたいと思い、大阪府の別の市役所に事務職として5年間勤めました。その後、民間企業の生命保険会社に転職して営業職に就いたのですが、再び公務員を目指して、平成30年4月に泉南市役所に入庁しました。令和4年に広域福祉課広域福祉係に異動し、令和6年からは現在の生活福祉課福祉総務係に勤務しています。

ー最初に事務職で公務員となられてから民間企業に転職。その後に社会福祉士を志望して、再度公務員を目指したきっかけは何ですか?また、泉南市役所を選んだ理由は?

藤田:前の市役所を退職する最後の1年間は、生活保護のケースワーカーとして働いていました。仕事自体は大変でしたが、役所内で連携ができており、職員同士が助け合いながら仕事をこなして、とても充実していました。

その後民間企業でも経験を積みましたが、最終的に自分がどんな仕事をやりたいかと考えた時に、やはり福祉の仕事がしたい!とあらためて思ったんです。ケースワーカーとして働いていた時の支援の仕事が楽しくて、また、やりがいも感じていたこともあって。

そこで、民間企業で営業職として働いたのち、病院で相談員として経験を積みながら通信制で社会福祉士の資格を取得しました。

泉南市役所は、私の地元と近隣の自治体であり、通勤にも便利という地理的な要素もあって採用試験を受けました。

ー泉南市役所での経歴と仕事内容について教えてください。

藤田:入庁してから最初の4年間は生活福祉課保護係に所属して、生活保護のケースワーカーとして働きました。

5年目と6年目は自ら希望を出して泉佐野市役所内の広域福祉課広域福祉係へ出向。そこは近隣の3市3町の合同組織で、介護事業所の監督、指導の仕事をしました。そして令和6年4月からは、以前と同じ生活福祉課に戻り、福祉総務係に所属しています。

ーご自分から出向の希望を出された理由は?

藤田:介護事業所の不正請求などの社会問題に対して、知見を得たいというのが理由です。今後のキャリアを考えて、自分のやりたいことで希望が出せたのは良かったです。

出向して学びとなったのは、他の自治体との違いが分かり、業務の進め方なども見れたことです。例えば、デジタル推進の取り組みなど、実際に他の市町の福祉体制を知ることができました。結果として、あらためて泉南市の充実した福祉体制を実感しましたね。

また、泉南市役所には社会福祉士が10人程度在籍しているのですが、他の自治体と比較して多いということも分かりました。私が転職活動をしている頃から、泉南市は社会福祉士の募集が多いと感じていたのですが、実際に働いてみて、福祉に力を入れていると実感しています。

他には、事業者自体の運営体制や、どんな想いで仕事をしているかなども知ることができて、大変勉強になりましたね。おかげで市役所を超えた横の繋がりもできました。

ー現職の課の体制と仕事内容について教えてください。

藤田:現在所属している福祉総務係は4人体制で、社会福祉士は私だけです。仕事内容は、市民向けの研修講座の開催や生活困窮者の支援、子どもの生活困窮者の学習支援などを行っています。他には、来年度に向けて、一つの支援機関だけでは解決が難しい複雑な課題を持つ方(家族)をサポートする重層的支援体制整備事業の準備や、福祉事業全般の計画管理などです。

時期によって多忙期は変わりますが、重層的支援体制整備事業の準備は優先的に行っています。多くの自治体は社会福祉協議会に委託していますが、泉南市の場合は市が直接運営し、来年4月から事業を始める予定となっています。

そのため、予算の調整や補助金申請、人員体制の整備、事業計画づくりなど、仕事は多岐にわたります。私は担当者として仕組みから考えなければならず、その部分が一番大変ですね。

何から手を付けるか、何人で始めるか、そして資金の配分など、ゼロから決めなくてはなりません。費用対効果や時間帯効果なども考慮しながら中長期的に計画を立て、予算によっては縮小する事業も選定しなければならない。他の自治体にも意見を聞きながらやっていますが、新しい社会福祉の体制づくりをするのは難しいですね。

泉南市は子供も若い女性も少ないので、どのようにして町づくりをしていくか。プレッシャーはありますが、同様にやりがいと楽しさも感じています。

ー社会福祉士の資格を取得したことで、何か変わったことはありますか?

藤田:生活保護のケースワーカーとしての業務範囲は、過去の市役所での経験と大きく変わっていませんが、社会福祉士という国家資格を取ったことで知識が増えたので、対応の幅は広がったと思います。

それは感覚的な対応というより、根拠に基づく支援といったものですね。当事者へさまざまな提案ができるようになり、関係機関へどのようにして繋ぐかの選択肢も増えたと感じています。

また、福祉関連の横の繋がりも増えたことで、他の自治体の社会福祉士さんとも知り合いとなり、共同の勉強会なども行えるようになりました。

ー職場の雰囲気はいかがですか?

藤田:5万8千人ほどの泉南市なので、職員数も少なく、上司との距離も近いです。そのため自分の意見も通りやすいですね。もちろん、きちんと理論を立てて、市や市民のためになる提案でなければなりませんが。

ー働き方や残業についてはいかがですか?

藤田:有給や夏休みなどは取りやすいです。残業はゼロではありませんが、自分のペースに合わせてコントロールできるのがいいですね。

ー仕事のやりがいや魅力についてお聞かせください。

藤田:入庁する前に仕事としてイメージしていたのは、現場における支援でした。しかし、実際に現場に出てどれだけ頑張っても、1人だとせいぜい100世帯前後の支援しかできません。それよりは大きな仕組みを作った方が、より良いチーム体制もでき、結果的に支援できる世帯数も増えます。

ですので、自分が計画して実施したものが支援として成功したときが、最もやりがいを感じますね。特に就労支援や、不登校の方が学校へ行けるようになったなど、子ども関係の支援にはやりがいと魅力を感じています。

ー最後に福祉課職のアピールポイントがあれば教えてください。

藤田:泉南市役所の福祉職は、通常の業務から連携が非常に強く、職員同士がお互い助け合う風通しのよい職場環境です。福祉に対する想いを持っている方も多く、課を超えた研修会や勉強会を通しての連帯感もあります。

例えば、3年ほど前から私が主催している勉強会では、事務職の方も含めて10〜15名ほどの職員が参加されています。この勉強会によって職員同士の繋がりをさらに深め、福祉に対して高い意識を持って頂けると思います。

実は先日、市長も事例検討の勉強会に参加され、現場の取り組みを評価して頂きました。

仕事以外では野球部もあり、スポーツを通して交流する環境もあります。こういった職員同士の関係の良さも、仕事の向上に繋がっていると思います。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年8月2日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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