IT営業職から宗像市役所へIターン転職!〜さまざまな仕事を経験できる公務員の楽しさ〜
大分でIT関連の民間企業で働いた後、令和3年度に福岡県宗像市役所へ入庁。現在は人事課に在籍している藤田 匠平(しょうへい)さんに、宗像市役所への転職を決めた理由、入庁後のギャップ、現在のお仕事に対するやりがいについてお話を伺いました。
—これまでの経歴を簡単にご紹介ください。
藤田:大学を卒業後、地元の大分県で民間のIT関連企業の営業職に就きました。取り扱う製品はパソコン1台など数千円から数万円の商品を売ることもあれば、数千万円を超えるシステムを売ることもありました。
民間で5年程経験を積み、今後のキャリアを考えたときに、同じ仕事を続けていくというよりも、さまざまな事業に関わり、自分自身の成長につながればと思い、市役所への転職を目指すことにしました。
そして公務員試験を受け、令和3年度に福岡県宗像市役所へ入庁。はじめはデジタル推進課に配属され、市役所内のシステムの入れ替えや統一されていなかったメールサービスの統合、市民の方に向けた電子申請サービスの拡充などに携わりました。
令和5年度から人事課に異動し、職員の給与支払いや市全体の人件費の管理、職員の処遇改善に向けた取り組みなどをしています。
—もともと大分で働いていたとのことですが、転職先を宗像市に決めた理由は?
藤田:自分が働く場所については特にこだわりを持っていなかったのですが、経済など九州の中心都市としての役割を持つ福岡に出たいという思いがあり、福岡県内で自分が興味を持った自治体の試験を受けようと考えました。
いろいろな自治体を見ていて、たまたま宗像市の「世界遺産のあるまち」というワードが目に入りました。宗像市に特に縁はなかったのですが、福岡県内で初めて録画面接を取り入れていることを知り、先進的な取り組みにも興味を持ちました。他の自治体も考えてはいましたが、そのような点から宗像市役所に決めました。
—公務員試験を受ける際、どのような試験対策を行いましたか?
藤田:テストセンターでのSPI試験であったため、受験の1ヶ月ほど前から仕事のスキマ時間を活用して対策していました。
公務員試験を受ける前は、専門的な勉強の準備をしないと難しいのでは?と思っていたのですが、SPIのように高校卒業程度の勉強をある程度やり直せば対策ができる試験があるということを知ったのも、公務員試験を受けようと思ったきっかけです。
—入庁後の教育・研修体制などはいかがでしたか?
藤田:1年目〜3年目まではそれぞれ入庁年数に応じた研修がありました。それ以外にも自分の興味がある分野の基礎知識的な研修を1年目から受講できます。
私は人事課に配属されたときに、給与の研修を県内の自治体職員が集まる研修所で受けました。
—最初はデジタル推進課に配属になったとのことですが、当時の課の構成やお仕事内容についてもう少し詳しくお願いします。
藤田:デジタル推進課は、私が入庁した年に「デジタル化推進室」という名前で立ち上がり、入庁から丸2年在籍しました。その前の年までは4名でしたが、私ともう一人増えて6名での体制となりました。
仕事内容は、市役所のシステムや端末などを管理する業務と政策的な業務にも携わりました。たとえば、児童手当に係る手続きがスマホやパソコンなどで済むように電子化をするという市民の方に向けた取り組みや先述のとおり、市役所内で3つのメールサービスを使い分けていましたが、1つに統一することで市全体の業務を効率化させるなど職員の事務改善に向けた取り組みを行いました。
—異動後の現在は人事課でお仕事されているとのことですが、異動先の希望などは出していたのでしょうか?
藤田:配属希望は特に出していませんでしたが、デジタル推進課で他部署の方と仕事をしていく中で、一緒に働きたいと思う職員と多く出会うことができました。現在も先輩、後輩問わず、その当時に出会った職員と一緒に仕事をする機会が多くあるので、与えられた環境の中で、誰と出会い、一緒にどう働くかという点が大切だと感じています。
—異動前と後で業務内容がかなり変わったと思いますが、どのように仕事を覚えていきましたか?
藤田:まずは自分自身でやってみるというスタンスで覚えていきました。ただ、それだけでは、仕事が事務作業になってしまうので、どの業務においても制度の仕組みや根拠となる部分を理解しながら覚えるように意識しました。
—民間企業から公務員に転職した際、何か困ったことや疑問に感じたことなどはありましたか?
藤田:今でも困ったことや疑問に感じることは多々ありますけれども、上司や同僚と会話をする中で解決できることも多いので、特に苦に感じたことはないです。
自治体は民間企業に比べると、より法令や条例、規則など根拠に基づいて仕事を進めることが強いので、最初は仕事の進め方という点ではギャップを感じていたと思います。
ただ、そういった中でも自分なりに工夫して、クリエイティブな発想ができるのも民間から転職してきた人の強みであると思います。まずは、定型的な業務はこなしつつ、発想を転換させてどう改善できるか、どう改革できるかというのを考えるのも、行政の大切な役割です。
—藤田さんが思う公務員として働くやりがいについてお聞かせください。
藤田:民間でも公務員でも「誰かのために働く」という気持ちは変わらないのかなと思います。なので、そこに関するやりがいは今でも変わらずに持っています。
民間のときは「特定のお客様のために」という考えだったのが、公務員になってからは「市全体のお客様や職員のために」と働くうえでのモチベーションは変わったと思います。
あとは、営業だった頃に比べると直接数字が見えるような仕事ではないのですが、さまざまな人とかかわりながら、成果物が形として残るという点ではやりがいを感じています。
—人とのつながりのお話がありましたが、市役所内の風通しや課内の職員同士の交流などはいかがですか?
藤田:風通しはとても良いです。ただ風通しが良いだけではなく、締めるところはきちんと締めて全員が前向きに仕事に向き合っているというところが私には合っているのかなと。
最近では、市役所の風通しの良さは民間に近づいているようにも感じます。以前の職場ではフリーアドレスという固定席を持たずに好きな席に移動しながら働くスタイルを取っていたのですが、市役所内でもその取り組みが最近進んできています。席が固定されないことで普段しゃべらない人との会話が生まれて、新たなアイディアが生まれ、職場内の雰囲気作りも良くなっていると感じています。
—宗像市役所での働き方について教えてください。(残業の有無、有給休暇など)また、民間企業にいた頃と比べて待遇や環境に違いはありますか?
藤田:残業で夜遅くなることは少ないです。繁忙期にも波があって、人事課では人が入れ替わる4月などが忙しくなるので残業で遅くなることもあります。ただ、休みの制度も充実していますので、働くときはしっかりと働いて、休むときはしっかりと休むメリハリのある職員が多いと思います。給与面も条例に定められているので、給与や賞与、昇給などの待遇は民間と比べて制度がはっきりとしていると思います。
—宗像市の暮らしぶりや過ごし方、オススメの場所について教えてください。
藤田:趣味が釣りなので、休みの日には片道20分くらいかけて海に魚やイカを釣りに行きます。ほかにも市役所に入ってから交友の幅が広がったこともあり、同世代の職員と一緒に出かけることもありますね。あとは市役所のサッカー部に所属しているので、週末はかなり充実しています。オススメの場所は、道の駅むなかたと近くの海辺にある公園です。景色が綺麗で浜辺から地島や大島も見える絶景なので、宗像にきたらぜひ、寄っていただきたいところです。
—最後に、公務員を目指す方にメッセージをお願いします。
藤田:公務員は、さまざまな仕事を経験できる職種です。私自身、異なる分野の勉強と仕事をしてみたかったので公務員を目指しました。市役所に入れば部署の異動もありますし、それぞれの部署で専門的な知識も求められます。そして、その経験が自分自身を成長させるきっかけにもつながると思います。
ぜひ、公務員を目指す方は、自分自身の色にあった自治体を見つけてもらって、その中でぜひ宗像市役所を選んで一緒に働くことができればと思います。
—本日はありがとうございました。