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40歳、職種未経験からの挑戦〜営業職、通信会社、測量会社を経て土木職に転職〜

東京での会社員生活から、地元・南房総市へUターンし、未経験の土木職に転職した髙木さん。40歳でのキャリアチェンジを決意した背景や、未経験の職種への挑戦、現在の仕事への思いなどを伺いました。南房総市の魅力や、今後の展望についても語っていただきました。

ー入庁前の経歴について教えていただけますか?

髙木:高校卒業後に東京の家電販売会社に12年間勤め、30歳頃に通信会社に転職しました。そこで5年間、携帯電話の基地局整備に従事した後、親の年齢を考え南房総に戻り、測量会社に5年間勤めました。その後、南房総市の職員になりました。

ー今まではどのような職種で働かれていたのでしょうか?

髙木:家電販売会社ではパソコンの販売など、営業職をしていました。その後、通信会社では技術職になりましたが、特に資格を持っていたわけではありませんでした。測量会社でも、資格は持っていませんでしたが入社後に勉強しました。

ー南房総市役所に入庁された経緯について教えていただけますか?

髙木:測量会社で働いていた時に市役所の方からお声をかけていただきました。40歳でも採用試験を受けられるということで、土木職に挑戦してみないかと誘われたのがきっかけです。

ー40歳でのキャリアチェンジ、特に土木職が初めての職種ということで、どのような思いでしたか?

髙木: おそらく最後の転職になるだろうという思いがあり、長く続けられるような仕事を選びたいと考えていました。土木職であれば、前職で測量をしていた経験も活かして役に立てるのではないかと考え、チャレンジしました。

ー採用活動に関して、試験対策や面接対策などはされましたか?

髙木: 試験対策メインですね。学校を卒業してからだいぶ時間が経っていたので、勉強する習慣がなく、簡単な問題も解けないのではないかと不安でした。そこで、一般教養の問題や土木職の専門の問題集を使って対策をしました。面接は、特に練習などはせず、ありのままの自分で話そうと思いました。

ー現在の業務内容について教えてください。

髙木: 建設課の土木係に所属しています。道路やトンネルなどが損傷したり壊れたりした際に、修復するための設計を行い、業者に発注して監督業務を行うことが主な業務内容です。近年は災害が増えてきており、土砂崩れや道路の寸断などの災害復旧の設計や、国との対応をしながら工事を進めるといったことも行っています。

小さい工事ですと、自分たちで現場を見て測量し、測量図を作成して設計書を作り、工事の数量を計算し、業者に発注します。業者が工事を終えたら報告を受け、現場を確認して問題がなければ工事完了となります。現場に出る時間より、事務所内で設計をしている時間の方が長いです。

大雨警報などの情報が出た際には、事前にパトロールを行い、危険な場所には土嚢を積むなどの対策をします。実際に災害が発生した際には、安全を確認した上で現場に行き、通行止めなどの対応をします。

ー入庁後1年間はどのように進んでいきましたか?

髙木:入庁当初は分からないことばかりで、先輩の現場について行ったり、メモを取ったりしながら、がむしゃらに覚えました。1年経ってようやく慣れてきたと感じられるようになりました。

また、 測量会社でも図面は書いていましたが、測量で使う図面と、工事に発注する図面では少し違いがあるので、入庁後に改めて勉強しました。ただ、測量会社での経験もあったので、すぐに覚えることができました。

最初の半年は大きな災害もなく、残業も少なかったのですが、後半は台風や大雨による災害が発生し、対応に追われる日々でした。

ー職場の働き心地や、残業や休日についてはいかがですか?

髙木:上司や同僚とも話しやすく、悩み事を打ち明けられる環境です。同僚と飲みに行くこともあり、良い雰囲気の職場だと思います。教えていただく先輩も年下の方が多いのですが、分け隔てなく接してくださっています。

残業は、自分の仕事が立て込んでいるときや災害発生時にはあります。休日も、大雨などの災害時には現場確認などで出勤することがあります。

ー業務の中で大変だったことについてお聞かせください。

髙木:昨年の10月に、和田エリアにある道路が崩落しました。今まであまり大きな現場を経験していなかったこともあり、どのように設計すればいいのか分からず大変でした。

また、災害復旧工事として国から補助金をいただくために、現地調査に来られた方に説明をすることも初めての経験だったので、準備などが大変でした。1年間で一番大変だったと思います。上司に相談したり、アドバイスをもらったりしながら、なんとか仕上げることができました。

今は工事も完了し、通行できるようになっておりますが、この後完了検査を受けて、ようやく工事完了となります。

ー仕事のやりがいは何でしょうか?

髙木:生活道が壊れてしまって「通りづらい」「通るのが怖い」「転んでしまった」という住民の声を聞くと、修繕したいという気持ちになりますし、それが直ることで、また気持ちよく通っていただけると思うとやりがいになりますね。

子どもと一緒に道路を歩いている時に「この道路、お父さんが直したんだよ」と言えることも大きなやりがいであり、面白さに繋がっています。

ー今まで経験された仕事と市役所での仕事は、どのような点で違いますか?

髙木:私が今までに経験した民間の職場ですと、ある程度誰かがカバーしてくれるようなところがありました。誰かが休んでも、誰かが代わりに仕事をしてくれる。でも、現在の土木職の業務は1人1人が現場を任されるので、誰かが代わりになるのは難しいところがあると思います。それと、民間と比べて残業が少ないと感じます。

ーこれまでの経験で、今の仕事に活かせていることはありますか?

髙木:最初に勤めた家電販売会社での接客経験や、サポート業務で培った電話応対のスキルが、今の仕事でも活きていると思います。市民の方や電話で問い合わせてきた方にも、丁寧な対応ができていると思います。

業務内容では測量会社で学んだことが一番活きていますが、電話応対などは、やはり慣れが必要だと思うので、前職での経験は大きかったと思います。

ー今後行ってみたい仕事はありますか?

髙木:大きな災害復旧工事や、橋やトンネルなどの大きな構造物の工事に携わってみたいです。大きな構造物は、安全に通れるようにすることで、安心して暮らせるようになると思うので、やってみたいと思っています。

ー都内と南房総市では、どのような違いを感じましたか?

髙木:東京では徒歩圏内に何でも揃っていましたが、南房総だと、歩くよりも車で移動する文化です。東京では車はそれほど必要ありませんでしたが、南房総では車がなければ生活できません。

また、道路の観点からですと、道路にはアスファルトの道路とコンクリートの道路があるのですが、コンクリートの道路は都会ではあまり見ないかもしれませんが、田舎の方ではよく見るかもしれませんね。

ー南房総市で好きな場所や景色はありますか?

髙木:自分が育ったのが海沿いなので、やっぱり海が綺麗な場所が好きですね。

個人的には、千倉にある潮風王国という道の駅がいいですね。そこで子供と遊んだりしますが、夕焼けがとても綺麗です。小さな子供連れでも楽しめる広い広場があるので、走り回ったり、滑り台で遊んだりできます。

来年には和田地区に新しい公園ができる予定なので、楽しみです。こちらは、市の別の部署で設計などを行っています。

ー髙木さんが感じる南房総市の特徴についてお聞かせください。

髙木:南房総市は道の駅が多く、8ヶ所の道の駅があります。特に、よく行くのは潮風王国とローズマリー公園です。子どもを連れて色々な道の駅に行って、ソフトクリームを食べ比べるのも楽しいです。

富浦にある枇杷倶楽部では名産品の枇杷を使った商品が多く販売されております。枇杷ソフトクリームは特においしいですね。

ー最後に、就職活動中の方や転職活動中の方にメッセージをお願いします。

髙木:年齢制限いっぱいの方でも、やる気さえあればぜひチャレンジしてください。活発な方も内向的な方も、やる気さえあればどんな方でもできると思います。市役所の仕事は、やりがいのある業務が多いので、きっと充実した日々を送れると思います。

ーありがとうございました。

この記事は2024年7月19日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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