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「人のために働きたい」という思いを胸に、DX化により働きやすい職場づくりに挑む ~香川県三豊市~

香川県三豊市役所総務部総務課デジタル推進室に勤務する、前田龍匡(まえだたつまさ)さんにお話を伺いました。

—これまでのご経歴を教えてください。

前田:三豊市役所に入庁する前は、自衛官として働いていました。でも、いざ働いてみると自分には合わないなと感じ、転職することに決めました。

自衛官になったのは、人のために働きたいという思いがあったからです。転職を決めた後も、この思いは変わりませんでした。そこで、地元である香川県にUターンし、公務員として働こうと思いまして。ただ、香川県のどの自治体で働くかまでは決めていなかったので、香川県内の役所について調べるところから転職活動を始めました。

そこで目に入ったのが三豊市です。三豊市は広報がうまいなというのが第一印象でした。当時、三豊市ではオフィス改革が行われており、本庁舎の2階フロアをリノベーションし、フリーアドレス制度が導入されたと報じられていました。変わりゆく場所で働くのは、純粋におもしろそうだと思いましたね。

転職活動をするまで、三豊市に足を運ぶ機会はさほどありませんでした。それなのに、日本のウユニ塩湖と呼ばれる父母ヶ浜や紫雲出山という桜の名所などは三豊市にあるという認識があったんです。

なるほど、これも広報が上手だからだったのかと納得しましたね。

実は、出身地の役所で働くという選択肢もあったのですが、最終的に選んだのは三豊市役所でした。面接官の方々の人柄の良さがわかりましたし、第一印象の良さもあったことから、働くなら三豊市だなと感じたんです。

無事に採用され、令和3年度に入庁しました。始めは総務課に配属され、法制執務担当として条例や規則の制定改正、個人情報保護に関する業務を担当しました。翌年には総務課の中にデジタル推進室が発足し、このタイミングでデジタル推進室に異動しました。

情報分野の業務を担当しており、入庁4年目です。

—仕事の内容を教えてください。

前田:デジタル推進室が担っているのは、DX推進業務や庁内のネットワーク管理です。その中で私がメインで担当しているのは、DX推進業務です。これまでにそのような業務の経験はなかったものの、大学では情報部門を専攻していたこともあって興味がありました。好きな分野で人のために働けているのは幸運ですね。

社会にはDXに関わる情報があふれています。そんな中から必要な情報を入手するのは難しいですよね。そもそも職員は自分の業務で忙しく、新しいことをするための情報収集をする余裕はないと思うんです。ですから、まずは私が様々な情報を収集し、共有するようにしています。

時には、「このようなシステムがあるから使ってみたい」という相談を受けることもあります。そんな時は、庁内ネットワークで利用が可能かどうかを検証したり、課題のすり合わせを行います。現場に情報を提供し、それに対する声が返ってきたら事業のスタートです。

DX化の一例として挙げられるのは、クラウドPBXの導入です。電話交換機のクラウド化を行い、これまでなら固定電話でしか受けられなかった内線電話を業務用スマートフォンで受けられるようにしました。全職員に配備したので、どこにいても内線電話を受けることが可能になったんですよ。

業務用スマホを導入する自治体の話はよく聞きますが、全職員が使えるところはかなり珍しいと思います。他にはない、三豊市ならではの働き方ができているのではないかと思います。この業務用スマホを使用してさらなる業務改善をはかるため、情報収集し、新しい働き方の提案に力を入れています。

最近では、三豊市の保育所や幼稚園でも業務用スマホの活用を推進しています。保育所や幼稚園の先生方向けにICT勉強会を開いたり、業務用スマホをもっと便利に使うためのレクチャーを行ったりしています。

これまでは市役所の担当者が20以上もある出先機関に足を運ばなくてはならず大変だったのですが、DX化によってその手間を省くこともできるようになりました。

単にツールを使うだけでなく、ツールを使う人たちがよりよい働き方ができるようにつなげられたらいいなと思っています。

—課の体制を教えてください。また、他部署と連携することはありますか?

前田:デジタル推進室は室長とメンバー4名が在籍しており、合計5名の部署です。主に情報とデジタル推進の二本柱の業務がありますが、業務によってチームがわかれているわけではありません。それぞれに重きを置く担当業務はあるものの、みんなで一緒に業務にあたっています。

情報分野は専門性が高く難しい業務もありますが、勉強したりみんなの力を借りたりするので、自己研鑽にもなり、とても働きやすい環境です。

DX化は庁内を横断的にまたぐ大きなプロジェクトですから、他部署と関わる機会は大いにあります。また、三豊市はフリーアドレス制をとっているので、物理的にも心理的にも他の部署との垣根がありません。

従来の市役所では、部署ごとに部屋がわかれている感覚があり、用事があっても「お邪魔している」という意識が拭えないのですが、三豊市にはそれがないので横のつながりが強いですね。そのおかげか、行政瀬策の意思決定がかなりスムーズだと感じています。

とはいえ、いくら他部署との風通しがよくても、DX化のように新しいシステムを導入する時には、少なからず抵抗があると思うんです。これまでとはやり方を変えるのは大変ですからね。

ですから、こちらからの提案を押し付けるのではなく、現場の声を吸い上げることを心がけています。このようなアプローチも、他部署の垣根がないからこそやりやすいです。

—これからの展望を教えてください。

前田:個人的には、業務用スマートフォンの活用に力を入れているところです。スマートフォンなら固定電話ではできなかったことがたくさんできると思っています。すでに三豊市の行政事務では、写真を撮影したり、翻訳機を使ったりしています。しかし、一部の職員はまだ内線電話の代わりとしてしか業務用スマートフォンを使えていません。

今後は、ほとんどの職員が業務でスマートフォンを活用しているような、他の自治体にない働き方を実現することを企んでいます。

入庁する前、三豊市は新しい試みに取り組んでいる魅力的な市役所に感じたというお話をしましたが、入庁してからもその思いは変わりませんし、他の役所を見てみてもやっぱり三豊市役所はいいなと思いますね。裁量を持って働けていますし、DX業務にもやりがいがあります。

繁忙期はあるものの、様子を見ながらも問題なく休みが取れて働きやすい環境です。三豊市役所に転職してよかったなと思います。

—本日はありがとうございました!

この記事は2024年6月5日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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