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社会人経験の強みは専門知識よりも働き方!~鉄道土木職からの転職~

神奈川県から移住し、新潟県上越市役所で土木技師として勤務する工藤さん。前職は鉄道会社に勤めており、土木は土木でも鉄道土木というちょっと異なる分野だったようです。そんな工藤さんに、転職して感じたことや上越市での生活についてお聞きしました!

—これまでのご経歴を教えてください。

工藤:もともとは神奈川県に住んでおり、大学卒業後、鉄道会社に就職しました。大学時代に土木を学んでいたものの、就職後の仕事は鉄道土木、いわゆる線路の維持管理業務を行っていました。土木とはいっても一般的な土木系とは少し異なる分野の仕事でしたね。

鉄道会社での仕事は好きでしたし、同僚や先輩との関係性もとてもよかったです。しかし、妻の実家の近くに引っ越すこととなり、結果的に令和3年4月に上越市役所にIターン転職をしました。

入庁後まずは道路課に配属され、道路工事を担当しました。道路脇にある蓋のない側溝を蓋つき側溝に改良する工事を主に担当しました。次に、「黒井藤野新田線」という道路を新設する仕事を担当しました。どちらの経験にも言えるのですが、道路課での仕事はやったことに対する変化が目に見えるので、やりがいがありましたね。

今年度からは下水道建設課に異動になり、現在は下水道環境工事を担当しています。先ほど変化が目に見えることがやりがいという話をしましたが、道路課から一転、下水道は地面の下なので、やりがいはこれから模索ですね(笑)

—もともと自治体で働くことに興味はあったのでしょうか?

工藤:前職は民間の鉄道会社でしたが、実は就職活動をする際は自治体で働くことも視野に入れていました。

自治体ではなく民間企業を選択したのは、単純に自治体よりも先に民間企業で内定をいただいたというのが理由です。ちょっとしたタイミングの差でしたが、当時民間や自治体というこだわりはあまり持っておらず、少しでも早く就職活動を終えたいという思いでした・・(笑)

転職活動に関しては、前職で発注側の仕事をしていたため、自治体の仕事に近しい部分があるかなと思い、まずは自治体に絞って転職先を探すことにしました。

もちろん民間でももっと選択肢はあったのかと思いますが、働きながらの転職活動だったので、あまり時間も労力も割くことができなかったんです。

自治体のホームページから求人を探したところ、上越市を含めた複数の自治体で求人を見つけることができたため、すぐに申し込みをしようと思いました。

—他にも自治体で募集をしていた中で、上越市を選んだのには理由がありますか?

工藤:上越市は首都圏で採用試験が受けられるうえに、土木の専門試験がなかったんです。転職活動をしていた時はちょうど繁忙期だったので、この2点はとても助かりました。専門試験対策までは到底手が回らなかったですね。

また、資格がなくても受験できるというところも大きな魅力でした。鉄道土木としての資格や経験は有していましたが、それらは一般土木として求められるものとは異なっていましたからね。

—上越市役所に転職してみていかがですか?

工藤:中途採用の場合、年齢や上下関係で少々やりづらいと思われる方もいるかもしれませんが、私の場合は前職でも私より早く入社した年下の先輩なんかもいましたので、転職してもそのあたりに違和感を感じることはほとんどないですね。前職でもそうだったのですが、上越市役所でもまずは楽しく仕事をすることを心がけています。

また、転職したことでワークライフバランスは充実したと実感しています。

前職では週に1回程度夜勤があるなど、生活も少々不規則になることがありましたが、現在は土日休みで夜勤はありません。働き方がずいぶんと変わり、土日に子どもとの時間も取れるようになりました。

仕事面だけでなく、生活環境もがらりと変わりました。都会と比べると不便なところもあるものの、上越市は子どもを育てるのにはとてもいい環境です。虫取りや魚釣りも経験できるし、キャンプ場だってとても安価です。都会に住んでいたらお金をかけていたようなことが、ここでは自然の中で普通に体験できたりもします。

—現在の業務内容や心がけていることを教えてください。

工藤:この4月から下水道課建設課に配属され、まだ手探りで仕事をしている状態です。目にすることのできる道路から、目のつかない場所にある下水道の担当に変わったので、業務ややりがいが大きく変わるのではないかと思っています。

私は現場を見るのが好きなので、下水工事の現場も積極的に見に行っているのですが、道路工事と似ている部分もあれば違った工程もあったりして、その違いがまた面白いですよね。

担当する工事はまだ始まっていないのですが、下水道ができれば浄化槽から側溝に下水を流すこともなくなります。夏場にイヤな臭いがすることもないので、住民の方には喜んでいただけるかなと期待しています。

心がけという程のものではないかもしれませんが、道路や下水道は住民にとって「あって当たり前」のものですから、できた時のお礼よりも不具合が出た時にお叱りを受ける方が多いと思っています。なので、感謝されることをモチベーションに働いていたら、おそらくこの仕事は楽しくなりません。

私の場合、物づくりが好きということもあり、担当する工事を完成させることに仕事の楽しみを見出すようにしています。自己満足でもいいから、まずは自分自身が楽しく仕事をするということを考えています。

—前職で培ったスキルは現在の業務に活かされていますか?

工藤:前職では鉄道土木といって、一般的な土木とは違う分野だったこともあり、残念ながら現在の仕事に活かせるような専門知識はほとんどありません。それどころか、道路課で得た知識でさえ、今の下水道建設課では関連が無いものが多く、異動と同時にゼロベースからスタートしたような感覚です(笑)

ただ、前職で培った社会人としての仕事の進め方といった部分は、とても役に立っていると思います。「段取り八分」といって、仕事の段取りがうまくいけば仕事の8割は終わったようなものという言葉があるのですが、仕事の分野は違っても、社会人として身につけた仕事の進め方や根回しなどの「段取り八分」は、どこであっても活かせると実感しています。

—前職と比べ業務に対する意識は変わりましたか?

工藤:前職との立場上の違いという点で気をつけようと思っていることはあります。前職では、自分が点検したり検査をして見つけた問題を解消するために働いていましたが、公務員となった今は、上越市が地元の要望や意見を汲んで、整備計画を立てています。前職と比較すると、自分発信から他者発信の仕事に変わったわけです。

なんとなく仕事をしていたのでは、人に仕事をやらされているという意識になりかねませんので、そうはならないように、「問題があるから直すんだ」という意識を持って働くようにしています。

また、市民の方と直接お話する機会が多く、土木の知識のない市民の方に事業や工事についてわかりやすく説明するのが思った以上に難しいと感じています。

前職では工事を請け負ってくださる業者さんとの打ち合わせが多かったものですから、意思疎通に苦労することはありませんでした。相手はプロですからわかりやすくといった気遣いはあまり必要なかったのです。それが、公務員になった今は、一般市民の方にわかりやすく説明しなくてはなりません。予想していたこととはいえ、やっぱり大変ですね。

—上越市役所への転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

工藤:上越市役所の技術職は事務職に比べると配属される部署が限られているため、仕事で関わることが多く、仲が深まりやすいと感じています。

自治体の技術職なら、応募要件に資格が必須でないことも珍しくありません。意外に思うかもしれませんが、応募のしやすさといった面では民間企業よりも間口が広いかもしれません。土木職として転職するなら、上越市に限らず自治体は狙い目だと思いますよ!

—どうもありがとうございました。

この記事は2024年7月4日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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