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北海道の小さな町で保健師として輝く!~大きな自治体ではできない、地域に密着した働き方~

北海道白老町役場で保健師として働く木村さんと工藤さんのインタビュー記事です。お二人とも出身や経歴はそれぞれ異なるものの、白老町を志望した理由はその環境と規模感とのこと。

都会とは異なる地方の魅力、そして白老町で保健師として働くやりがいや地域住民との関わり方などをお話しいただきました。

白老町ならではの働きやすさがよく伝わるので、 保健師を目指している方、移住を考えている方に是非読んでいただきたい内容となっています。

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

木村:白老町の出身で、札幌市内の大学に進学し、看護師と保健師の資格を取得しました。その後、関東の大学病院のNICU病棟で4年間勤務しました。妊娠・出産を機に退職し、7年間のブランクを経て、令和5年度に白老町役場の保健師として入庁しました。

工藤:私は札幌市出身で、看護学校を卒業後、保健師の資格を取得するため大学に編入しました。その後、白老町役場に保健師として入庁し現在に至ります。

ーお二人が保健師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

木村:大学進学時に、「人の役に立つ仕事」に憧れを抱いていました。公務員として働いている兄の影響もあったかもしれません。

工藤:看護学校での実習を通して、患者さんたちが「家に帰りたい」と願っている姿を目の当たりにし、入院に至る前に病気を予防できたら…と思いました。そこで予防的な保健活動を担う保健師という仕事を知り、地域で暮らす人々の健康を支えたいと考えるようになりました。

ー働く場所として、白老町役場を選んだ理由を教えてください。

木村:大学卒業後は関東の病院に勤めていたのですが、出産等を機に子育てしやすい環境を求めて、地元白老町に戻ってきました。保健センターに子どもの関係で訪れた際に、偶然にも保育園時代の恩師に再会し、その再会がきっかけで子育て支援課の会計年度任用職員として1年間勤務しました。その後、正規職員の試験を受験し、保健師として採用されました。まさに、人の繋がりのおかげで今がありますね。

工藤:出身である札幌からアクセスが良いことが大きな理由でした。高速道路を使えば 1 時間ちょっと、特急も通っているのでとても便利だと思います。保健師として働くうえでは、大きな自治体ではなく、人と人との距離が近く丁寧な関わりをしたいと思い、白老町を希望しました。

ーお二人の現在の業務内容について教えてください。

木村:私は母子保健を担当しています。妊娠期は母子手帳の交付や妊娠後期の面談を通して妊婦さんの体調管理を行います。お子さんが生まれてからは、新生児訪問や乳幼児健診を通して、母子ともに健やかに暮らせるよう支援しています。また、町全体の出生児数や妊婦の届け出数、健診で経過観察が必要なお子さんの分析といった業務も行っています。

工藤:私は成人保健を担当しています。町民の健康診断の受診率向上を目指し、健診後の保健指導、未受診者への訪問などを行っています。白老町の国保加入者の健診受診率は38%程度と低く、国の目標である60%には届いていないのが現状です。どうすれば受診率を上げられるか、年齢層や就労状況などを分析し、看護師や管理栄養士と連携しながら、未受診者訪問などを通して受診を促しています。

健診を受けた方にも、保健指導を通して体の状態を理解してもらい、生活習慣の改善に繋げられるよう、学習会なども開催しています。PDCAサイクルを回し、効果的な予防活動を目指しています。

これらの業務は地区担当制と業務担当制を併用しているので、業務ごとに区切られるのではなく、母子から成人まで白老町民全体の保健活動を考えることができます。

ー働く環境としての白老町役場の雰囲気はいかがですか?

木村:とても良い雰囲気です。仕事は忙しいですが、大変さをみんなで共有し合い、一体感を持って働いています。公務員は残業が無いというイメージがありますが、時期によっては残業もあります。ただ、協力し合う雰囲気があるので、チームで乗り越えられていると感じます。

工藤:保健師だけで10名程度おり、管理栄養士とも連携しながら、日々相談し合い、協力して仕事を進めています。困った時に相談しやすい環境なので、とても働きやすいですね。

ーこれまで保健師として勤務されてきた中で、印象に残っている業務やエピソードはありますか?

木村:1年目は保健指導に自信が持てず、課題を感じていましたが、2年目に継続して関わった住民の方々が私の名前を覚えていてくださり、指導内容を参考に生活習慣を改善したと教えてくださった時は、本当に嬉しかったです。自分の仕事が誰かの役に立っていることを実感し、保健師としてのやりがいを改めて感じることができました。

工藤:私が担当している地区には漁師さんが多く住んでいるのですが、夜に海に出て朝帰り、日中は休息という生活を送っているため、なかなか会うのが難しいんです。初年度は、「漁師の生活を分かっていない」と拒絶されることもありました。しかし、毎年健診を受けてくれるので、コツコツと訪問を続け、根気強く保健指導を行ううちに、少しずつ漁師さんたちの意識が変わってきたように感じます。「工藤さん、また来るんでしょ?」と声をかけてもらえるようになった時は、受け入れていただけたような気がして、本当に嬉しかったですね。

ー保健師としてやりがいや魅力を感じるのはどんな時ですか?

木村:病院勤務時代は、患者さんが退院するとそれで関係が途切れてしまうことに葛藤を感じていました。しかし、保健師として地域で働くようになり、住民の方と継続的に関わり、長期的な支援ができることにやりがいを感じています。特に、子育て中の母親は不安を抱えていることも多いので、気軽に相談してもらえる存在でいられることが嬉しいです。

工藤:私も木村さんと同意見です。新生児訪問で出会った子供が、乳幼児健診、保育園訪問と成長していく過程を、健診などで確認し、長期的に見守ることができるのは、白老町のような規模の町ならではの魅力だと思います。また、子育て中の母親をサポートし、最初は不安を抱えていたお母さんが自信をもって子育てしていける姿を見られるのは、この仕事の大きなやりがいですね。

また、顔の見える関係を築けるので、関係機関とも連携しやすく、住民の方にとってより良い支援を提供できる環境だと感じています。

ー想像していた保健師の働き方と違った、ということはありましたか?

木村:想像以上にデータ分析や統計処理の業務が多いことには驚きましたね(笑)保健指導に活かすといった点ではとても重要なことなのですが、入庁前はExcelなどもあまり使ったことがなかったので、最初は戸惑いました。

工藤:私もデータ分析や事務仕事が多いことに驚きました。学生時代は、対人支援がメインの仕事だと思っていたので、想像していた働き方とはギャップを感じましたね。国への報告資料の作成など、学校では習わないような事務仕事が本当に多いです。

ー保健師として働いていて「これは白老町ならではだな」と思えることはありますか?

木村:他の課との連携がスムーズで、新しい取り組みなども提案しやすい環境だと思っています。例えば、子どもたちの性教育を進めたいと思い、学校保健会に相談し、講演会を開催することができました。今後は他課とも連携し、より白老町での性教育を充実させていきたいと考えています。

工藤:個人とじっくり関われること、関係機関と顔の見える関係を築けることが、白老町ならではの魅力だと思います。困った時に気軽に相談でき、一緒に解決策を考えていけるので、住民の方にとって心強い存在でありたいと思います。保健師同士はもちろん、管理栄養士とも連携を取りながら、チームで仕事に取り組んでいける環境です。

ーでは、生活環境としての白老町の魅力を教えてください。

木村:札幌へのアクセスが良い点も魅力ですが、自然豊かで静かな住環境も気に入っています。子育てにも最適な環境で、子どもものびのびと育っています。都会ではなかなか気づかなかった自然の変化に感動する毎日です。

ナチュの森という施設もおすすめです。廃校になった校舎をリノベーションした施設で、子ども向けのワークショップや遊具、カフェなどが併設されています。倶多楽湖の湧水を使った公園もあり、子どもたちはそこで水遊びを楽しんでいます。

工藤:ウポポイをはじめとする観光スポットも多いですし、食べ物も美味しいです。白老牛やタラコも有名です。あと、温泉もあるので、疲れた時にはリフレッシュできます。白老町に来てから登山も始め、休日は近隣の山に出かけてリフレッシュしています。

ー最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

木村:ブランクがある方、北海道での生活に不安がある方、色々な方がいると思いますが、一緒に地域医療に貢献したいという気持ちがあれば大丈夫です!

工藤:新しい生活に不安を感じる方もいるかもしれませんが、「住めば都」という言葉通り、私も白老町での生活を楽しんでいます。尊敬できる先輩方に囲まれ、向上心を持って仕事に取り組むことができます。ぜひ一緒に白老町で保健師として働きませんか?

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年12月18日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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