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働く地域の魅力を知る研修!資格取得支援だって全国1位!?~上越市役所の充実した研修・育成制度~

自治体に限らずどこかで働こうと考えた時、採用後の研修制度や自身のキャリアアップについては誰しもが気になることかと思います。今回は新潟県上越市人事課で研修を担当している武藤さん、西山さんに、上越市の魅力的な研修やキャリアアップに関する制度についてお聞きしました!

—まずは簡単に自己紹介をお願いします。

武藤:私は上越市の出身で、大学は東京に行きました。大学卒業後は民間企業に勤めて、その後、上越市役所に平成21年7月に転職しました。高齢者支援や交通政策、産業部門を経験し、現在の人事課は5か所目となり、研修担当をしています。

西山:私も上越市の出身で、神奈川県の大学に行きました。地元で働きたいという思いをもっていたため、大学卒業後に上越市へ戻り、平成25年度に入庁しました。文化振興や税務、交通政策、観光部門を経験し、現在の人事課は5か所目となり、研修担当をしています。

ー平成25年度に入庁で5か所目と聞くと異動が多い印象ですが、どのくらいの期間での異動だったのでしょうか?

西山:観光部門は1年での異動とちょっと短かったのですが、それ以外は3年での異動でした。現在の人事課は2年目となります。

採用からおおむね10年以内の若手職員は、ジョブローテーション期間となっており、税・福祉などの市民対応系、都市整備・産業観光・農業などの事業系、総務・企画などの管理・調整系の部署に配属されるため、2~3年での異動が多いと思います。その後はもう少し異動の間隔が長くなることもあります。

ーお二人はなぜ地元に戻り、且つ公務員になろうと思ったのでしょうか?

武藤:私は元々東京の民間企業で働いていたのですが、いずれは地元に戻りたい、東京の環境で子育てするのはちょっと厳しいかなという思いもありました。そして、地元に帰るなら少しでも地域の役に立ちたいと考えて、上越に戻り公務員になることを決めました。

もちろん東京にも公園や様々な施設があり、子育てに困るというようなことは無いと思いますが、電車に乗って通学をしている子どもやどこへ行くにも電車が必要という環境は、やはり上越の環境とは違うなと感じたんです。

上越では移動に車は必要となりますが、逆に車があればどこに行くにも10分程度で行けます。渋滞につかまることもほとんどないので、どこに行くにも予定が立てやすいですね。先週もボブスレーをしてきたのですが、そこも車で10分程度あれば行けます(笑)

転職時には、両親が行政関係に勤めていたということもあり、自然と自分自身も公務員として働くという考えになっていましたね。

西山:私は公共性の高い仕事、社会をより良くするような仕事をしたいと思っていたため、民間ではなく公務員を志望していました。

また、一つの仕事を専門的にやりつづけるよりも、様々な仕事をやってみたいという思いがありました。自治体であれば幅広い業務があり、異動すると転職に近いくらい業務が異なるので、私にとってはそういった点も魅力的でした。

ーお二人とも人事・研修のご担当とのことですので、ずばり、上越市ならではの人事制度や研修制度はございますか?

武藤:他自治体の研修内容を深くは把握していないのですが、上越市では採用して間もなく、4月と5月に各3日間、入庁後の研修を行っています。その後、2年目や3年目も同期が集まる研修を設けています。

市役所職員ということもあるので、特に地域のことを知ってもらうような研修を取り入れています。例えば、採用1年目の研修では1日現地に出向き、上越市の歴史・文化をひも解いて、より市に愛着を持ってもらえるような現地研修に取り組んでいます。

採用2年目の研修では、山あいの地域で活動する人と交流し、その地域の方々がどういったことを課題と感じているのか、その課題から自分達は何ができるのかといったことを検討、提案するようなワークショップ型の研修を行っています。

西山:採用1年目の歴史文化研修は、越後の都として栄えていた上越のなりたちや歴史文化の概説について、始めに1時間程度座学にて学び、その後は歴史的に重要なスポットを実際に巡っています。

今も昔も交通の要衝である、北陸新幹線上越妙高駅付近にある弥生時代の釜蓋遺跡、戦国時代の武将、上杉謙信公の居城であった春日山城跡、市の歴史を学ぶ歴史博物館など、時代を辿って歴史を学べるようなカリキュラムとなっています。

現地研修の後はグループワークを行い、今後どのように自分の言葉で市の歴史文化の魅力を伝えていくか、といったことを話し合います。

武藤:春日山は標高180mの山で、研修では全員で登っています。春日山に上ると直江津港から上越市全体が見渡せるので、市内出身者にも、市外から入庁した人にも、採用時に市全体を眺めてもらうことで、このまちに携わる仕事をするんだなと改めて実感してもらえると思っています。

ー自分が働く場所の歴史や全体を見渡すという研修はとても魅力的ですね!採用2年目の研修の詳細も教えてください。

武藤:上越市は、多くの中山間地域を抱えています。その地域へ班ごとに2日間伺い、現地で活動している人の話を聞いたり、中には一緒に作業を行ったりすることもあります。

地域によって課題も様々で、内容や取組が異なりますので、実地研修後に全員が集まり、各班で考えた課題解決方法や現地での経験についてグループワーク形式で話し合った後、全員で情報共有をしています。

上越市は東京都の半分ほどの面積がありますので、市内に住んでいても、その地域には訪れたことがないということも多いのですが、研修後その地域に再び訪問し、施設やお店に立ち寄るといったことも聞いているので、研修を通じてその地域のことを知る、その地域のことを好きになる、といった効果はあると思っています。

西山:私も、同研修で安塚区という地域に行きました。安塚区では毎年、地場産品のそばを地元の方が手打ちし、ふるまうという「新そばまつり」を開催しており、そのイベントの準備をお手伝いしました。

その研修に行った際に、安塚区のそばのことを初めて知り、その後もプライベートで安塚区のイベント等に行くようになったので、実体験をもって、この実地研修が地域のことを知り、好きになるきっかけになっていると思います。

ーでは、採用後の個々の職員に対するフォロー体制はどのようになっていますか?

武藤:採用後半年間は、育成指導担当といわれる先輩を付けています。具体的には同じ所属内の主任クラスの職員が、新規採用職員の仕事に必要な知識やノウハウ、職場におけるルールやマナー等を早期に習得できるようアドバイスします。

育成指導担当と新規採用職員が同じ担当業務を担っているか否かで個別の指導内容は異なりますが、原則として、月に一度、翌月の目標を設定し、週に一度は振り返りの場を設けて、振り返りシートに記録することとしています。1か月分の振り返りが蓄積されると、今度は所属長や副課長が振り返りシートを確認し、その月の目標や、目標のうちできたこと、できなかったことなどを確認し、それに対するアドバイスをしています。

ちょうど先日の新規採用研修の中で、1か月の振り返りを行うとともに目指す職員像について考える機会を設けたのですが、目指す職員として自身の育成指導担当を挙げる職員がとても多かったので、新規採用職員からも、働き方や仕事の教え方に理想とされるような接し方ができていると思っています。

西山:研修については、採用年次や役職に応じた集合研修以外でも、能力開発や専門知識の習得を目的とした研修も実施しています。また、令和6年度から選択式eラーニング研修を導入しました。選択式eラーニング研修は、自身の業務に必要となる研修であれば業務時間内に受講することができ、現在の業務には直接的に関係しない、いわゆる自己研鑽といった目的であっても勤務時間外に受講することができるオンライン研修です。

ーその他、職員の育成を後押しするような上越市役所ならではの制度はありますか?

西山:上越市では、職員が資格取得した際にかかる費用を助成する「資格取得助成事業」があります。制度としては従来からあったもので、他自治体でも珍しいものではないかもしれませんが、これまで主に技術系の10資格を対象としていたものを、令和5年度に対象資格を135資格に大幅に拡充しました。

あくまで人事課調べにはなりますが、これは全国の自治体の中で現時点で一番多いのではないかと思っています!

対象資格の分野としては、情報関係や技術関係、社会福祉関係、事務スキルに関する資格など、本当に幅広い資格が対象となっています。現在の自身の業務に関係する資格かどうかは問わないため、キャリアアップのための取得であっても大歓迎です。

費用の1/2、上限は5万円といった制限はあるものの、資格取得に係る受験料だけではなく、取得のため利用した講座の受講料も対象となります。

その他、上越市では、長期派遣研修として、中央省庁や新潟県庁との1~2年程度の人事交流を行っており、令和6年度には新たに、株式会社 電通の自治体職員等の年間研修生受入制度を活用して、職員派遣しています。電通への派遣職員には、民間企業のノウハウを学んでもらい、行政サービスの質の向上に繋げることを期待しています。このように、市役所職員でありながら、国や県の職員や民間企業で働く機会もあります。

—資格取得支援については、キャリアアップのための資格も対象としたり、中央省庁や民間企業等への派遣もされていたり、本当に職員の能力開発に積極的なんですね!本日は貴重なお話をありがとうございました。

この記事は2024年9月27日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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