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女性救急救命士が語る、地方都市での挑戦とやりがい ~長崎県松浦市消防本部〜

松浦市消防署に救急救命士として勤務する加世田春花さんへのインタビュー。

加世田さんにその職種を志したきっかけ、業務内容、やりがい、松浦市での生活についてお話を伺いました。

―ご経歴を教えて下さい。

加世田:広島出身で、大学で救急救命学を専攻し、救急救命士の資格を取得後、平成31年度に松浦市消防本部に入庁しました。

―消防士を志したきっかけは何ですか?

加世田:もともと医療系の仕事に興味があり、看護師を目指していました。しかし高校生時代に、実際に救急救命士の仕事を目の当たりにする機会があったんです。そこでその仕事の魅力に惹かれて、救急救命士を目指すようになりました。

―松浦市消防本部を選んだ理由は?

加世田:就職活動では、松浦市消防本部以外にも様々な地域の消防本部を受けました。その中でも、松浦市消防本部には実際に見学に行かせていただき、そこで庁舎の新しさや職員の方々が親切だったことが印象に残っており、松浦市に決めました。

長崎県は行ったこともなかったですし、それまでは実家暮らしで、ひとり暮らし自体初めてでしたが、自然豊かな環境や食べ物が美味しいところなどにも惹かれて長崎へ来たという点もあります。

—現在の業務内容を教えてください。

加世田:松浦市には本署と、福島、鷹島の離島にそれぞれ出張所がありますが、私は本署に勤務しています。職員は64名で、朝の8時半からの24時間勤務を隔日で行う2交代制の勤務体制です。他にも、課長や課長補佐などは8時半から17時15分までの日勤業務体制です。

普段は大体12名ほどで勤務しておりまして、出動要請があれば通信担当2名以外の職員全員が出動します。もちろん、潜水など専門業務はその資格を持つスペシャリストが対応していますが、救助隊、消防隊、救急隊などを全員が兼務しており、通信担当も交代で担当するような体制です。

例えば大きな市だと専属の通信指令員がいるなど分業がしっかりとされている場合もありますが、松浦市は全員でいろんな業務を協力しながら行っています。

―お休みはどういった形なのですか?

加世田:隔日の勤務を2,3回繰り返して、そこから3日間(非番・週休・週休)のお休みがあるといった流れです。なにか休日中に移動の制限があるわけではありません。

―入庁当初の教育体制はどういったものなのですか?

加世田:4月からの半年間、日勤体制で働いた後に、5ヶ月間消防学校へ入校して消防の基礎について学びました。そして2年目から隊員として現場へ出て、働きながら学んでいくかたちです。患者さん、その家族とのコミュニケーションは初めてだったので、その点に最も気を遣いながらの対応が一番苦労した点です。

救急救命士の資格を持つ先輩も多くいるので、専属の誰かではなくその都度勤務されている方々に教えてもらっていました。

松浦市は初めての町なので、まず道を覚えるのも大変でしたね。

―働いてみてのギャップはありましたか?

加世田:同じ現場はないのだというのは毎回出動する度に思います。患者さんとのやり取りやどう処置するか、周囲の環境への配慮など考えるべきことは多く、その都度先輩職員を見て勉強をさせていただいています。

—仕事のやりがいや魅力は何ですか?

加世田:救急現場で、患者さんやその家族から「女性隊員がいてくれて安心した」と言ってくださる時は、非常に嬉しく思います。あとは、避難訓練で幼稚園や小学校へ出向くこともあるので、そこで子供たちと接して、笑顔を見るとさらにやりがいを感じます。

―女性の職員は他にも在籍されているんですか?

加世田:私以外にもう1名在籍しています。上司や先輩方はやさしく気さくに接していただけるので、普段のコミュニケーションや業務で働きづらさを感じることはありません。個室の仮眠室もあり本署では十分に働きやすい環境も整っているので、もっと女性の職員が増えれば良いですね!

ちなみに、現在出張所は女性職員が働ける環境が整っていないのですが、建設中ですのでそちらへの異動などのキャリアも広がっていくかと思います。

―松浦市での生活はいかがですか?

加世田:都市部とのギャップはありましたが、自然豊かで、なにより海が近いので新鮮な魚介類が食べられるのが良いです。有名ですが、やはりアジフライが特にお気に入りですし全然違いますね。

―地縁のない町だとプライベート上の交流はあるのですか?

加世田:消防の職員は、消防学校で5ヶ月間、寮生活を共にするので、そこで交友関係は広がりましたね。今も他消防本部の女性職員さんなどと交流があります。

―ありがとうございました!

この記事は2024年8月23日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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