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土木技術職として携わる再開発業務~市民と共に歩む都心部のまちづくりとは?~

北海道釧路市で土木技術職として働く山下さん、現在の業務は市民の方々を集めてのワークショップの開催や都心部で活動する学生団体の支援など、普段イメージするような技術職としての業務とはちょっと異なるとのことです。
技術職として、工事だけではなくその前段階となる計画作りから携わっている山下さんに、土木技術職としての業務の幅広さとそのやりがいについてお聞きしました!

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

山下:幼いころから親の仕事の関係で転勤が多く、一番長く住んでいたのは札幌でした。
札幌市内の高校を卒業後、同じく札幌市内の大学に入学し、土木工学を専攻しました。
大学4年の時、研究室のメンバーはみんな就職活動よりも卒業研究を優先して取り組んでいるような環境で、私も周囲につられて就職活動はほとんどせずに、気づけば12月になっていて(笑)。
いよいよこのままじゃまずいなと思い、ようやく進路について考え始めたのですが、ちょうどそのタイミングに稚内市と釧路市の土木職の追加募集を見つけることができました。
小学校の頃、一時期釧路に住んでいたことがあり、稚内と比べて土地勘があったことと、たまたま父が釧路に単身赴任をしていて試験を受けやすい状況だったこともあって、釧路市を受験することにしました。

ーかなりぎりぎりでの採用活動だったのですね。試験対策とかはされましたか?

山下:公務員になろうと明確に考えていたわけではなかったのですが、授業とは別に大学の公務員対策講座に参加していたので、ゼロから勉強を始めたというよりは、過去にやったことを思い出して試験の準備をしました。

ーこれまでどのような所属に配属されたのですか?

山下:入庁後、最初は道路維持事業所という部署に配属となり、市道の維持管理や冬季の除雪作業等の業務を担当しました。その後、道路河川課の河川担当に異動となり市の管理河川の維持管理等の業務を担当しました。
令和元年度に北海道庁に派遣されることとなり、札幌で2年間勤務をして、令和3年度に現在の都心部まちづくり推進室に配属となりました。

ー北海道庁への派遣も経験されているのですね?派遣先ではどのような業務を行っていたのですか?

山下:北海道庁では、都市再生整備計画事業を担当する部署に配属されました。
都市再生整備計画事業とは、各市町がその地域の特性を活かして、地域住民の生活の向上を図るために、必要となる公共事業などを独自に組み合わせて計画をつくり整備するもので、各市町からの計画策定に関する相談や、事業実施のための指導などを担当しました。
いろいろな市町のまちづくりに関われる、とてもやりがいのある仕事でした。

ー続いて、現在の業務内容について具体的に教えていただけますか?

山下:釧路市の都心部と言われているエリアには鉄道が走っており、街が南北に分断されています。また、都心部ににぎわいをもたらすためには現状の車中心の空間から、人と公共交通が中心の空間への転換が必要だと考え、鉄道の一部分を高架化することにより、都心部の道路網などの社会基盤を再編することでそれを実現しようとしており、その計画を前に進めていくための業務を幅広く担当しています。
この計画は都心部の形を大きく変えるものなので、「官」だけで進めるのではなく、将来の都心部を実際に利用する市民の方々にも検討に参加していただきたいと考えており、鉄道高架に向けた各関係機関との協議などを進めながら、並行して、どのようにしたら駅周辺が皆さんにとって居心地のよい、にぎわいのある空間になるかということを、ワークショップなどを開いて、市民の方々と協力しながら検討しています。

ー一般的に聞くような、設計や現場監督といった業務とは少し異なる働き方ということでしょうか?

山下:もちろん鉄道高架後の高架下道路の設計なども行っていますが、今の時点では、その手前の段階の、まちづくりのコンセプトを具体化していく業務の比重が大きい状況です。
また、その他に、都心部で活動している学生団体の支援等も行っています。

市内には大学が2つ、短大が1つあり、市外出身の学生さんも多く通っているのですが、普段は学校の近辺で生活、行動している学生さんが、きっかけがあって都心部に来てみると面白い発見があったようで、自主的に団体を立ち上げ、その後、まち歩きイベントの開催など継続的に活動をされていて、出しゃばらない程度にお手伝いしています。
この先、着工が近づくにつれて設計や積算といった業務の比重が増していく見込みです。

ー技術職とはいえ、様々な経験をされているのですね。これまでの経験で特に印象に残っている業務はありますか?

山下:皆さん同じかもしれませんが、やはり最初に配属された部署での仕事はとても印象に残っていますね。
最初に担当した市道の維持管理業務では、道路や除雪に関して厳しい内容からお礼の言葉まで様々なご意見を受けることが多く、市民の方々と日々コミュニケーションをとっていました。
また、外の作業が多かったことも印象的で、デスクワーク以外の経験も積ませてもらえたと思っています。

ー自治体で土木職として働くやりがいや魅力はどういった点だと思いますか?

山下:土木関係の人材が民間企業に就職した場合、道路などインフラの設計や施工に携わる機会はあっても、出来上がったものは自分たち(民間企業)のものにはなりません。
インフラ以外でも、他者が所有するものや管理するものについて仕事をする機会の方が多いのではないかと思います。
一方で、自治体で働く土木職の仕事の対象となるのは、基本的に自治体が所有し、管理するものなので、計画の段階から完成後の維持管理に至るまで「自分たちのもの」について考えて仕事をすることになります。このあたりは、自治体だからこそと感じる部分です。

ー昔は引っ越しが多かったとのことでしたが、現在改めて釧路市に住んでみて、どういったところが魅力だと感じますか?

山下:やはり夏場の過ごしやすさですね。北海道の中でもたとえば札幌は本州と同じくらい暑くなりますが、釧路はとても涼しく過ごしやすい環境だと思います。
また、食べ物も美味しいですね。道外からお招きした講師の方が「日本国内には何を食べても美味しいという都市が稀にあるのだけれど、釧路がまさにそうだ」とおっしゃっていました。私が地元民だから美味しいと言っている訳ではありませんよ。笑
札幌へのアクセスも近いうちに高速道路がつながりますし、空港が市内にあるので本州とのアクセスがいいというのも魅力だと思います。

ー働く職場として、釧路市役所はどのような雰囲気ですか?

山下:まだまだ自分が知らない部署も多いので、あくまで自分の経験してきた範囲での印象ですが、どこの職場でも何か困ったことがあればすぐ相談ができる環境だと思います。当たり前のことなので、わざわざ言うことでもありませんが(笑)。
そこまで大きな組織ではないので、同じ部署で働いたことのない人でも、何かの業務で関わったことがあったり、業務以外の懇親会の場で一緒になったことがあったりと、どこかで何かしらの接点をもつ機会が多いですね。

ー最後に求職者の方にメッセージをお願いします!

山下:入庁に向けてのメッセージとなりますが、CADとか専門的なアプリケーションの操作は、入庁してから実務の中で身につけることができるので、あまり気にしなくてもいいと思います。実際に私は学生時代にCADを使ったことはありませんでした。
その代わり、Excelは多少使い慣れておくと入庁後に役立つと思います。職種に関わらず、何をするにもExcelは切り離せない存在となっています。
もちろんすぐ使えなければいけないというわけではありませんが、習熟度によっては仕事を効率よく進められるのではないでしょうか。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年10月23日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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