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元農業系の営業職に、ベテラン税関…順調にキャリアを積んでいた2人が、宇和島市へUターンした”きっかけ”とは?

愛媛県宇和島市にUターン移住し、宇和島市役所で働いている兵頭 一星さんと清水 謙太さんにお話を伺いました。

ーこれまでの経歴を簡単に教えてください。

兵頭さん:高知の大学院を卒業後、農業関係の会社で営業職として福岡に1年、長崎に1年、鹿児島に6年の合計8年間勤務しました。

いつか地元へ戻ってこようとは思っていたのですが、子供が生まれてから、奥さんや両親と話し合い、帰ることを決断しました。宇和島市役所へ入庁したのは、平成30年度のことでした。

清水さん:大学卒業後、神戸税関にて11年間勤務しました。元々理系で、その知見を活かして地元に就職しようとは思っていたのですが、当時志望していた愛媛県庁には技術系の採用枠が少なかったんですよね。

税関にも興味はあって、神戸税関を受けました。税関の管轄が中国・四国で地元も含んでいたことと、転勤族というところもすごく楽しそうで魅力的に感じました。いつか地元の近くに戻ってくる可能性もあるだろうと思っていたのも、その仕事を選んだ理由の一つでした。

しかし、私も子どもができた際、子育てのための時間も確保したいと思いまして。今後も転勤が多いと、子供と接する機会が減ってしまうと考え、宇和島市役所を受験することを決め、今年度の令和5年4月に宇和島市役所へ入庁しました。

ー試験の勉強はされたのですか?

清水さん:前職は非常に忙しかったので、勉強に時間はあまり割けなかったです。試験前1,2ヶ月での通勤時間くらいです。

ーお二人の現在の業務について教えてください。

兵頭さん:総務企画部市長公室 政策調整係に所属しています。市長の随行秘書なので、市長に同行したり、スケジュール調整など業務は多岐に渡ります。

清水さん:産業経済部 商工観光課 観光係に所属しています。地元のお祭りの運営に携わって盛り上げたり、様々な催事に出展して宇和島の特産品を販売し、観光PRや観光誘致などを行っています。また、国登録有形文化財に登録されている「木屋旅館」などの観光施設の管理が主な業務です。

ー公務員と民間での業務において、どのような違いがありますか。

兵頭さん:公務員の業務では予算が絡んでくるので、民間と比べるとスピード感は遅いと感じます。その一方で、入庁前に思っていた以上に市民の方との距離は近いですね。

私の場合、入庁直後に当市が豪雨災害に遭いました。当時は農林課に所属していたので、農地の整備だったり、倉庫や農業機械の補助事業を主に担当したのですが、「農林課が頑張ってくれてるから助かるよ、ありがとう。」と言ってくださった時にはやりがいを感じましたね。

その業務でいろんな方と接したので、未だにスーパーなどでも声をかけてもらえます。

清水さん:前職と現在では業務自体も全然違いますし、それをこなすことで見える結果も全く違いますね。

税関では、貨物を海外から輸入するときには関税や消費税がかかった際、輸入通関時に正しく申告し納税をしているかを、事後的に企業へ赴いて貿易関係書類を確認するなどの調査をしていました。

不適正な申告を発見したときには是正するとともに、輸入者に対して申告指導しないといけないというプレッシャーもあったので、精神的にも大変でした。

一方、現在は商工観光課で、市を盛り上げたり観光施設を修繕することが多いので、やはり市民の方から感謝されることがすごく多いですし、それが仕事をしていく上でのやりがいに繋がっています。

ー兵頭さんは前職でも異動を経験されていますが、公務員としての部署異動をどのように感じましたか。

兵頭さん:市役所の部署異動は、民間の転職に近く全く違う仕事をするので、大変だとは感じました。ただ、そういった環境の変化による良い面もあります。同じ部署に長年居ると良いところもたくさんありますが、良くも悪くも慣れてしまうため、環境が変わることで良い緊張感が生まれることをメリットに感じています。

ー清水さんは現在入庁して最初の部署ですが、年齢が上の方は勿論、下の方からも教えてもらうことがあるかと思いますが、皆さんとの関係性はいかがですか。

清水さん:年齢によらず、先輩や上司はすごく丁寧に教えてくださいますし、皆さんとても優しいです。これまでの経験上、仕事においてやはり人間関係が一番だと感じているので、とても良い環境だと感じています。

ー実際に市役所で働いてみて、意外だったことはありますか。

兵頭さん:世間一般のイメージで言うと、公務員の方は定時で結構みんな帰ってるんだろうと思われてる方が多いかと思いますが、残業や働き方は部署や時期によって異なります。

私が入庁した頃は自然災害や新型コロナウイルスの流行もあったので、定時に帰れない部署も多かったです。時期によっては夜遅くまで出張があったり、朝早く出てきて夜遅く退勤することもあります。

ただ、「今日子供の体調が悪いので早めに帰ります」など家庭の事情で急に休む必要がある場合には、職場の理解があって有給休暇を取得しやすいですね。

清水さん:ある程度自由な服装で働けるのはすごく良い点だと感じています。前職では制服かスーツ着用でしたので。そういう意味では良いギャップを感じています。

3年前には、宇和島らしい働き方を推進する「Uwajima-Biz」という独自の服装基準を定めて宇和島市をPRする取り組みを始めまして、お祭りやイベントのTシャツ・ポロシャツなど、基準に合った軽装での出勤が許可されています。

姉妹都市のアメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市にちなんで、「ハワイ」という文字が書かれたTシャツやアロハシャツで勤務することも可能で、実際に着用している職員も大勢いるんですよ。

あとは、市民の方へのご対応の仕方です。入庁前はかなり丁寧に接するイメージがありましたが、実際に働いてみると、お互いの関係性によってはあえてフランクに接する場面もあります。市民の方に寄り添ったお仕事をしている職員が多いです。

ー宇和島市役所職員の着用可能な服装の一覧を拝見したのですが、事業PRのポロシャツ、Tシャツ、アロハシャツなどもOKなんですね。とてもフレキシブルな印象を受けます。テレワークも導入されているんですよね。

兵頭さん:正規採用後の試用期間が終われば、テレワークをすることができます。貸出用パソコンを使って、庁舎側のパソコンと繋いで、仮想空間でテレワークができる環境が整備されています。

全体的に窓口対応が多いので、デスクワークがメインの部署じゃないと頻繁には活用できませんが、他の自治体に比べてもかなり使いやすいと思います。実際に私は、市長の外勤がない日に資料整理を行う際や、子供が熱を出した時にテレワークで事務処理をしたことがあります。課ごとに運用方法を定めていますね。

ー福利厚生だと、兵頭さんは約一年前に育児休業をされましたが、どれくらいの期間で実施されたのでしょうか。

兵頭さん:土日を含め、約3週間です。市長や副市長、上司にも「そんなに短期間ではなく、1〜2年取りなさいよ」と言っていただいたのですが。周りの方に育児休業について相談した時には快く了承して頂いたので、とても取りやすかったですね。

また、市長や副市長をはじめ「宇和島市の男性育休取得率を向上させたい」という思いも強いので、今後もっと育休取得をされる男性が増えていくのではないかと感じています。

有給も積極的に取るように言われているので、それによって子育てやプライベートの時間ともバランスが取りやすいですね。

ー育児休業や休暇を取得しやすいということは、働きやすい環境の重要要素ですよね。清水さんは、移住をされた際に何か補助制度を活用されたのでしょうか。

清水さん:宇和島市では主に、35歳までの方が対象になる奨励金と、35歳より上から65歳が対象の奨励金の2種類があります。私の場合、住民票を移して半年後に申請することで、家族4人分で30万円が支給される制度を活用しようと考えています。

ーお2人ともご家庭を持たれてお子様もいらっしゃいますが、宇和島は子育て世帯にとって良い環境だと思いますか。

兵頭さん:商業施設の数においては、都会と比べるとやはり少ないですが、マイナスな面は特になくて。やはり両親もいますし、近くに住んでいるので、一緒に子供と釣りに行ったり、のんびりできることは子育てにおいて良いと思いますね。

清水さん:移住前は、甲子園球場が近くて複合施設等もある都市の方に住んでいたのですが、そこでは電車に揉まれながら通学している子どもたちもよく見かけました。それと比べると宇和島市は、兵頭さんが言われたとおり、広々としていますね。

スポーツ施設(テニスコート)を利用するのにも、住居近くでは2時間3,000円もかかっていましたが、宇和島市では1時間500円程度なので、施設利用コストの面でもメリットを感じています。

ーありがとうございました。

この記事は2024年3月6日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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