見出し画像

一人で立ち向かうわけじゃない!~「消防士」を選んで今思うこと~

座間市消防本部の救助隊として勤務する神崎さんと消防隊で勤務する佐藤さん。お二人とも高校卒業後に消防士として入庁したとのこと。そんなお二人に、消防士になりたいと思ったきっかけや、実際に消防士になり経験した消防学校や当直勤務について、更には消防士として働くやりがいなど、率直な思いを語っていただきました!

ーまず、お二人はなぜ消防士になりたいと思ったのでしょうか?

神崎:中学生の頃、職場体験で厚木市消防本部の訓練に参加させてもらったことがきっかけでした。当時から筋トレも好きだったので、一緒に筋トレもやらせてもらったり、訓練の様子を見るなかで、救助隊のオレンジ色の服がかっこいいなって思いましたね。

私の兄も消防士になったということがあり、自分もなりたいって気持ちがどんどん強くなっていきました。高校に入った頃には、将来は消防士になろうと決めていました。

佐藤:私は高校3年の時、進学すべきか就職すべきか進路で悩んでいました。そんな時、座間市のホームページで女性消防士の方の記事を見つけ、そこに「消防は男性だけの職場じゃない」ということが書いてあり、初めて女性も消防士になれることを知りました。そこからは、消防士という仕事にすごく憧れるようになりましたね。地元が座間市ということもあり、お世話になった地域に恩返ししたいという気持ちも強く、座間市で消防士を目指そうと思いました。

ーお二人とも高校卒業後そのまま消防士になられたということですね。高校生活を送りながらの就職活動はどのような対策をしたのですか?

神崎:学生時代は野球がメインとなっていたこともあり、勉強が苦手だったので、筆記試験に自信がなかったですね。そのため、公務員専門学校の夏季講習に通って、家でも一生懸命勉強をしました。コロナ禍だったということもあり、自分のために使える時間は多かったことから、兄と面接の練習をしたり、体力錬成にも力を入れたりと、まんべんなく対策はできていたと思います。

佐藤:私も学生時代スポーツばかりだったので、勉強は得意ではありませんでした。筆記試験に関しては参考書を買ったり図書館に行ったり、自分なりに勉強をしていました。面接対策に関しては、学校の先生や校長先生など、普段は緊張してしまうような方々にも付き合ってもらえたので、本番さながらの緊張感を味わいながら練習することができました。

ー消防の試験だと体力テストもあるかと思いますが、体力試験はいかがでしたか?

神崎:どのような試験内容かわからず不安はあったのですが、いざ試験が始まってみると、思っていたよりも苦手な種目が少なく、「これはいけるぞ!」といった感覚でしたね。ただ、どの種目に関しても誰にも負けたくないという思いでやっていました(笑)

佐藤:男性も女性も、走ったりする試験は同じコースで行っていたので、男性の受験者に抜かされたりするとやはりどこか悔しいという思いがありましたね。ただ、自分がやってきたことはしっかりと発揮できたのかなと思っています。

ー採用後に入校する消防学校は厳しいイメージですが、振り返ってみるといかがですか?

神崎:消防学校では基本を学ぶことから始まり、徐々に応用的なことを習うようになります。ロープワークや実技的なことは、訓練をこなしていけば自然とできるようになるかと思います。ただ、実技訓練後に座学があったりもして、体力的にきつい中で講義を受けるのは、集中できないこともあり大変でしたね(笑)

また、私が入校したときはちょうどコロナ禍だったということもあり、マスクをつけたままの訓練が基本でした。もちろん、マスクを着けていることに配慮された訓練ではありましたが、ランニングするだけでも、防火衣を着るだけでもとにかく苦しかった思い出があります。

佐藤:私は今でも戻りたいと思うくらい、本当に楽しかったです(笑)

約半年間の寮生活だったので、同期とずっと一緒にいられて、毎日がとても充実していました。厳しい訓練も、班員や座間市消防本部の同期、クラスのみんなで励まし合い進めることができたので、自分にとって初めての生活環境の中で、すごく成長できたと感じています。

ー実際に消防士になってみて、高校生の頃イメージしていた消防士とギャップはありましたか?

神崎:やはり消防士といえば、火事になったら火の中に飛び込んで、要救助者を担いで出てくる、みたいな派手な活動を想像していたのですが、実際に消防士になってみると、ドラマで見るような大きな災害は少なくて、水利調査や道の確認、資器材の整備、ホース格納箱の維持管理など、日々地道な業務が多いと感じましたね。

佐藤:私も出動が頻繁にあって、いつも誰かを助けているイメージを持っていたのですが、出動自体あまり多くなく、現場によってはどうしても助けられないようなこともあります。もちろん日々訓練は重ねているのですが、なかなか現場で仕事を覚えるといった機会は少ないのかなと感じましたね。

また、消防士の仕事として、消防、救急、救助といった現場活動をイメージするかと思いますが、実際のところ現場以外での事務作業も多くて、特に当直の時は事務作業に追われていることだってあります。

ー消防士といえば24時間勤務ですよね?当直勤務という働き方はどうですか?

神崎:23時からが仮眠時間とされているのですが、事務作業等を終えていたらすぐに寝ることもあれば、寝ないで先輩方とプライベートな話をすることもしばしばあります。美味しいご飯屋さんの話から誰かのデートの話まで、当直勤務の夜ってコミュニケーションをとるのに良い時間だなって思いますね。

最初は当直の仮眠時間は常に緊張していて全然寝れないといったイメージをもっていたのですが、先輩たちがざっくばらんに話しかけててくれるので、今では夜の時間はリラックスして心身を休めることができています。もちろん、指令がかかればすぐに出動するためある程度の緊張感は常に持っておく必要があります。

佐藤:当直勤務の場合、1回あたりの勤務時間が長いため日数だけ見ると休みが多くなります。24時間勤務してからの明け番を経験すると、自分の時間をしっかりと確保することができるのでそこは嬉しいですね。

ただ、私の場合は仮眠の時間であっても「指令があったら起きなきゃ」という緊張感が強くなかなか寝付けないこともあるので、思ったよりも体力的にきついなと思ったのが正直なところです。

ー座間市消防本部で働いてみて感じた魅力ややりがいを教えてください。

神崎:座間市は訓練施設や資器材が豊富で、恵まれた環境の中で様々な訓練をすることができるのが魅力だと思っています。高層火災の訓練や低層模擬家屋の訓練など、一つのジャンルでも色々なパターンを想定した訓練ができるんです。だから、いざ現場に出ても、訓練でやったことが自然と活かされるようなこともあります。

また、消防という仕事に関して言うと、現場で市民の方を救出した際に、本人や関係者の方々から泣きながら感謝の言葉をいただいたりすると、消防士としてのやりがいを強く感じることができますね。

佐藤:業務の中で、最初はできなかったことやわからなかったことが、先輩や上司に助けてもらうことで、できるようになった時に、自分の成長を感じてやりがいを感じます。

また、課題に一人で立ち向かうのではなく、チームで協力して問題を解決していくこの消防士という職業に、大きな魅力を感じています。

ー佐藤さんは女性消防士ということですが、実際に消防士になられていかがでしたか?

佐藤:市民の方や周りの人からは「かっこいい」とか「すごい」と言われることもあるのですが、実際に活動をしていると、やはり男性と比較して体力や筋力的な面でハンデを感じてしまうことがあります。ただ、その悔しさをバネにしていつも頑張っているというところですね!

座間市消防本部では、まだ女性で救助隊員になった方がいないので、今後ぜひ挑戦してみたいと思っています。

ー最後に求職者の方や学生の方にメッセージをお願いします!

神崎:高校を卒業してすぐに社会に出るのは大変、というイメージから、とりあえず大学に進学するという人もいるかもしれませんが、座間消防本部は先輩が親身になってサポートしてくれるし、年の近い職員もたくさんいるので、わからないことは何でも聞ける環境です。

また、高卒で消防士になった場合と大卒で比べると、消防士としての経験差は4年になります。消防の世界では、この4年の経験差はとても大きいと思っています。高卒で消防士になることには、体力面だけではなくたくさんのメリットがあります。私自身、高卒で消防士になって本当に良かったと思っています。

体力に自信がない人も、知識面で頑張っている人も、それぞれの強みを生かして活躍できるのが消防士です。一つでも自分の強みがあれば、きっとやっていけると思っています!

佐藤:私自身、進路を決める際にはとても悩み、様々な人に相談していました。そんな時、たまたまホームページで見た情報がきっかけで、消防士になることを決意しました。

自分の夢を決めるきっかけは、日常のどこに隠れているか分かりません。自分の可能性を広げてくれるものは、意外と身近にあるのかもしれません。

だからこそ、たくさん悩んで、後悔のない選択をしてほしいと思います。

様々な職業がある中で、消防士は困っている人のもとへ一番に駆けつけることができる、誇りを持てる職業だと考えています!

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年7月29日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

座間市役所の採用情報はこちら