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奄美大島 地元宇検村で働く技術職のしごととくらし

民間の測量設計事務所から奄美大島へUターンし、地元の鹿児島県宇検村役場に転職し、現在は建設課の課長補佐として働く峯 宏治(みね こうじ)さんに、お話を伺いました。

—まず、宇検村に入庁するまでのご経歴をお願いします。

:はい。私はもともと地元が宇検村で、隣の奄美市にある工業高校を卒業後、関東の測量設計事務所で働いていました。一度は奄美から本土に出てみたいという気持ちもあり、高校の先輩が2人ほど就職していた縁もあって、入社しました。そこで3年ほど現場で測量の仕事を経験し、平成7年に宇検村役場へ入庁しました。

—なぜUターンで宇検村の役場に転職されたのですか?

:いつか宇検村に戻るということはもともと考えていました。測量士補という測量士の国家資格を取り、その資格を色々な現場で活かしたいとも思っていました。そんなとき、ちょうど宇検村役場の土木技師の求人があり、タイミングも良かったので応募したんです。

—現在は建設課にいらっしゃるとのことですが、具体的にどのような仕事をされていますか?

:主に公共施設の建設、あるいは整備の計画を立てて、それをもとに現場で測量・設計して、施工管理を行います。あとは既存の施設や道路などの管理ですね。どうしても経年劣化や自然現象で痛んでしまうことがあるので、そのあたりも異常がないか確認します。

私が現在担当しているのは漁港・港湾施設の長寿命化のための維持管理と、役場に建築専門の者がいないので、勉強しながら建築の仕事にも就いています。

—宇検村の建設課として、やりがいを感じる部分はどこでしょうか?

:小さい頃からずっと土木の仕事をしたいと思っていましたが、まさか公務員としてその仕事に従事するとは思っていなかったんですね。

民間の仕事と比べると、行政として施工するプレッシャーはありつつ、数年の長期間かけたプロジェクトが完成したときは非常に嬉しいですね。村内を歩いていて、自分が携わった施設を見ると「あれは何年前に建てたな」と当時のことを思い出して感慨深くなります。

—次に建設課での働き方についてお伺いします。現在何名いらっしゃるのでしょう?

:課長を入れて6名。ただ課長は総括なので、実質5名です。5名とも主に現場に出る技術職ですが、事務の仕事もしています。他の課も含めると技術職はおよそ10人前後でしょうか。

—宇検村もしくは近隣出身の方が多いのでしょうか?

:建設系は奄美大島本島の子が多いですね。本土の学校を卒業して、Uターンで戻ってくる人も多いです。

—建設課に入って来られる方は、皆さんもともと建設の事業者だった方なのでしょうか?

:いえ。事務職として採用されて、建設課に配属されることもあります。ただ、未経験でも最近はパソコンでの製図やCADなどのソフトがあるので、パソコンを使い慣れている世代の呑み込みが早くて非常に助かっています。

また、現場の管理の仕方や作業員さんとの打ち合わせの仕方などを先輩から吸収して、だんだんと現場を回せるようになっています。

—就業時間についてはいかがでしょう? 残業などはありますか?

:昔は図面を引くのに時間がかかっていたので、残業もあったのですが、先ほども触れたように近年はCADなどの製図ソフトも随分と進化していて、基本的に定時で帰宅できますね。

ただ、台風などの災害があった場合は別途イレギュラーな対応はあります。

—異動はありますか?

:異動は短くて5年スパンくらいです。役場の中で土木技師が携わる部署が限られているので。たとえば私が在籍している建設課であったり、農地や林道の整備をする産業振興課であったり。あとは教育に関わるような施設を作るときに教育委員会に入る、といったような感じです。

—技術職の求人では、40代以下の方を募集されていますが、年齢はどのくらいの方が多いのでしょうか? また課内の関係性はいかがでしょう?

:50代の私が一番上くらいで、若くて23歳くらい。全体としては40代が最も少ないです。

課内の関係性としましては、基本的に私たちの課は事務仕事以外にも現場があり、1現場につきそれぞれ1名入る形です。ただ、現場で何か問題が起きたときや壁に当たったときは課で共有して、一丸となって問題解決にあたっています。

また、これは人材育成の話にもつながりますが、たとえば私が若手の方と一緒の現場に入る場合は、補佐にまわるようにしているんです。そうしないと人材が育たず次に繋がっていかないので、現場でのやりとりを覚えていきながら仕事をやってもらっています。

—新しい方が入ってくる際は、どのように人材育成されますか?

:1年目は、まず仕事に慣れてもらうことを目的に、建設課でどのようなことを行っているかを全般的に把握してもらうようにしているんです。たとえば私や他の者が担当している現場についてきてもらったり、事務仕事も行政や民間など色々な管轄があるので、そういったものも見てもらったりしています。

2年目以降は、その中でも山の分野や街の分野など領域を絞って、負担の軽い現場を担当してもらい、徐々に経験を積んでいってもらっています。

なので、新人1名に対して教育係1名がつく、というものではなく、建設課全体で案件ごとに補佐をするというイメージです。

—今後、宇検村の建設課が求める人材についてお聞かせいただけたらと思います。

:今の建設現場の現状として、新規の建築よりも老朽化した建物の延命や長寿命化が主になっています。すぐに現場に入ってバリバリ働いてくれる方ももちろん嬉しいんですけれど、いろいろな仕事や興味を持って、現場に入った時も作業員さんたちともコミュニケーションをとってもらえるような、やる気を持って挑戦してくれる方が嬉しいですね。

—最後に、宇検村への応募を考えられている方にメッセージをお願いします。

:宇検村も少子高齢化で人材が不足しているのが現状ですが、一度来ていただければその良さは十分伝わると思います。また、村内の付き合いをしていく中で、役場での仕事も覚えられていくと思いますので、ぜひそういったやる気のある方の応募をお待ちしています。

—本日はありがとうございました。

この記事は2023年12月25日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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