市民の生活を守る重要な設備に携わる! 〜自分の技術を活かしながらワークライフバランスも保てる公務員電気職とは?~
和歌山県橋本市の浄水場で働く角田さんに、公務員・民間企業での電気職としての働き方の違いや、ライフスタイルの変化に関してお話を伺いました。
—これまでのご経歴を教えてください
角田:2012年の4月に、データセンターなどの通信設備の維持管理や設計工事管理を行う民間企業に就職しました。最初の6年間は石川県におりまして、はじめ3年間は設備の維持管理、あとの3年間は営業を担当し、7年目の途中で大阪に異動になりました。
その後2021年度末に退職し、2022年度に橋本市に転職してからは、市の浄水場で水道関連のモーターや、ポンプなどの設備の維持管理に携っております。学生時代から技術的なことに興味があったので、大学は機械専攻でした。
—転職の理由や経緯をお聞かせいただけますか
角田:北陸や大阪で働いているうちに働く場所を落ち着けたいと思うようになり、そして地元の和歌山で働きたいという気持ちがどんどん強くなっていったんです。和歌山で転勤がなく、かつ新卒から電気に関する業務に携わっていたので、そのキャリアを活かせるような転職先を探していました。転勤がないという点で、公務員の求人を見ていましたね。
公務員の事務職の求人は多くみかけますが、電気職の求人は少ないんですよ。しかし偶然、橋本市の電気職の求人がありまして、ご応募させていただき採用いただきました。
—公務員試験はどんな内容でしたか
角田:SPI試験があって、その後面接が2回ありました。学生時代に何度かSPIを受けたことがありますが、今回の試験のためにも勉強はしました。面接の対策としては、質問内容を自分で想定して、それに対する答えを用意する、という程度の対策をしていました。公務員の教養試験ではなかったので、民間企業への転職と同じ感覚で準備できました。
—今のお仕事の内容を詳しく教えてください
角田:橋本市には浄水場や、浄水場以外にも橋本市内全域に水を貯めるような配水池、浄水場からその配水池まで水を送る施設である中継ポンプ場など、様々な施設があります。そういった施設の中のポンプや、ポンプを動かすためのモーターを操作するための制御盤などの設備の維持管理をしています。
故障していたら自分たちで修繕したり、大きな故障の場合は業者さんを手配するので、その発注や作業の管理を行っています。
—課の人数や体制をお伺いします
角田:同じ課には9名所属しています。技術職は6名で、上長が1名、化学職2名、電気職は3名です。電気職のうち1名は浄水場長補佐で、電気職と化学職全体を管理しています。私ともう1名で実務を分担しています。
例えば点検へ行く際に二手に別れて、どこか不具合をみつけたら、どのように修繕しようか話し合いをします。ひとりで修繕へ行くときもあれば、その人と一緒に行ったりもしますね。点検箇所は浄水場内外で4〜50箇所、月2回、合計5日間ほどかけて行います。
—今のお仕事と民間企業で仕事の仕方に違いはありますか
角田:民間企業で管理していたのは自社の設備ではなかったので「お客様の設備」という意識でした。今は橋本市の資産、つまり「自社の設備」という意識ですね。そういった点は異なります。
前職は水道関連の設備は取り扱わなかったので、いま取り扱う機械そのものは全然別物ではありますが、大きな枠として「設備を確認して、故障個所を修繕する」といった点では似ていますね。さきほどの点検のお話をしましたが、チームでの仕事の仕方や、点検をして不具合を見つけてチームで話し合って解決するという流れは、民間企業も公務員も似ていると思います。
電気職の場合は民間・公務員間で転職しても、仕事のやり方の違いでカルチャーショックを受けることは少ないと思います。
あと、県をまたぐ異動がなくなったことと、電気職で働きつづけることができるのが良いですね。今後、維持管理から工事などの異動はあるかと思いますが、事務職などの他の職種への異動はおそらくないです。
—仕事のやりがいや今後の展望を教えてください
角田:異動などで、新しい仕事も経験していきたいです。工事の仕事にも携わっていきたいですね。古い設備の修繕だけではなく、新しい設備への更新の仕事にも関わりたいですね。
今は自分たちで点検を行っておりますが、来年度からはその一部を民間の企業に委託するので、自分たちでの工事もしつつ、民間企業の実施する点検を確認する作業も行います。どっちもやっていくという流れになるかなと思ってます。
—橋本市での生活について教えてください
角田:実は、私は和歌山県出身ではありつつも、橋本市に地縁はなかったんです。浄水場で勤務してから、はじめて橋本市に住むことになりました。ただ、学生時代に車でこちら方面を走ったりすることはあったので、住んでみて大きなギャップを感じることはなかったです。
橋本市は和歌山県内でも人口が多い方の町なので、生活するのに便利です。普通に暮らしていく分には市内だけで事足りますので、そういった面では住みやすい場所ですね。
また、京奈和自動車道があるので、どこに行くのにも非常にアクセスしやすいです。あえて不便な点を上げるとすれば、ゴミの日が週1回ということぐらいですかね。
—公務員に転職して働き方はどう変わりましたか
角田:民間企業では夜の22時まで働く日も多かったのですが、今は18時前後に退勤しています。
一日の流れですが、まず朝8時半が定時スタートなので、大体8時頃に出社し、メールの確認や、パソコン上で浄水場内外の設備で警報や大きな変化がでていないかを確認しています。
8時半から朝礼が始まり、その後設備の点検や修繕作業を行い、大体17時頃にデスクに戻り、その後は1日の作業のまとめや翌日の準備をします。そういったことをしてると、定時は17時15分ですが、退勤はだいたい18時前後になってしまいますね。もちろん定時に帰る日もありますよ。
ただ、年度末や来年度の予算組みの時期は忙しいですね。台風や大雪などの気象状況によって突発的に忙しくなることもあります。例えば今年だと1月、2月にけっこう雪が降ったのですが、そういう時はかなり忙しくなります。
そうはいっても、民間企業時代よりも時間に余裕はありますのでワークライフバランスがとれています。カレンダー通り土日もお休みです。車で出かけることが好きなので、休みの日にはドライブを楽しんでいます。和歌山の南の方だったり、奈良県や三重県や滋賀県にも行きますね。
—橋本市浄水場の技術職へ応募を検討している方にコメントをいただきたいです
角田:橋本市の水道は、市民の皆様が生活するうえで重要なインフラ設備です。重要な設備に携われるということは、やりがいがあると思います。「みんなの暮らしにとって重要なもの」に携わっていきたいという方にぜひ来ていただければと思います。
技術職というと民間企業への就職を選択する方が多いかと思いますが、公務員という選択肢もおすすめしたいですね。県外への異動がなく、地元でご自身の技術を活かせる仕事がずっとできるという点で公務員はおすすめです。
—本日はありがとうございました。