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職員自らの手で設計から工事監理まで〜年間80件の工事を進める建築技術職の日々~

滋賀県彦根市で建築技術職として働く池田 勝彦(いけだ かつひこ)さんと水上 樹(みずかみ たつき)さんに、これまでの経歴や仕事、職場環境についてお話を伺いました。

—これまでのご経歴を教えてください。

池田:出身は兵庫県ですが、幼稚園・小学校・中学校を彦根市で過ごしました。高校は兵庫県の学校に進学した後、京都の大学で建築を学びました。大学卒業後は彦根市役所に新卒で入庁し、今年度で10年目になります。

水上:出身は彦根市で、大学まで彦根市で過ごしました。大学卒業後は民間企業に就職しましたが、今年度、彦根市役所に入庁しました。

—前職の内容と志望された理由を教えてください。

水上:住宅関係で設計業務を行っており、建築士の仕事ができる職場として選びました。公務員は難しそうというイメージがあったので、最初は選択肢にありませんでした。

—前職を退職された理由を教えてください。

水上:一番の理由はプライベートの時間がなかなか取れなかったことです。

完全週休二日制ではなかったので年間休日数が少なく、平日休みの会社だったので友人や家族と時間が合いませんでした。将来のことも考え、土日休みの環境を望み転職しました。

—彦根市に入庁されたきっかけを教えてください。

池田:公務員に建築職があることは全く知らず、民間企業の設計事務所やゼネコンへの就職活動を行っていました。

その後、偶然市の広報誌で建築職募集を知り、その流れで受けてみたところ、ご縁があり内定を頂いたので彦根市で働くことになりました。正直言って、受ける段階では仕事内容についてよく分かっていませんでした。

水上:前職で働いているときに、彦根市とは違う自治体になりますが、公務員の募集があることを知り合いから聞いたことがきっかけです。

応募に際してどのような対策をしたらいいのか、公務員になった大学時代の先輩に話を聞きました。その中で、「他の市町村も調べてみたら」とアドバイスをいただき、彦根市でも公務員の募集があることを知り応募しました。

—採用試験のための勉強や準備などはどれくらいしましたか。

水上:試験には、SPI試験と専門試験がありました。

SPI試験については、別の自治体に応募したときから対策を始めていました。専門試験については、応募の締切日前日に募集していることを知ったので、ほとんど対策はできませんでした。

ただし、前職の時に建築士の試験を受けており、試験の内容が似ていたので対応できました。

—これまでの異動歴を教えてください。

池田:公共施設の工事をする部署に配属されてから、現在、10年目となります。

—課の体制について教えてください。

池田:主に営繕工事を行っている建築課は課長、課長補佐、建築担当2名、電気担当1名、設備担当1名の計6名で業務を行っています。

水上:主に審査指導を行っている建築指導課は課長、課長補佐、技術職3名、事務職1名の計6名で業務を行っています。

—仕事内容や仕事の進め方を教えてください。

池田:業務の流れは設計・積算をして工事発注を行い、業者が決まったら打合せや工事監理を行っています。

工事担当は、年度初めに割り振りがあります。年度によってばらつきはありますが、少ない年でも10件以上、多い年では20件以上の工事を担当しています。

年間スケジュールについて、学校関係であれば夏休みに工事をしてほしいなど、工事ごとに要望や施工条件があるので、主管課と協議しながらスケジュール調整をしています。

年度の前半は設計・積算などの工事発注が主な業務となっており、年度の後半では次年度の工事予算見積や公共施設の定期点検業務を行っています。

水上:彦根市内の建築関係の申請や届出の審査が主な業務内容です。建築職といっても、事務仕事が多いです。建築の相談に応じることはありますが、自身が図面を書くようなことはありません。

—時期によって繁忙度は変わりますか。

池田:5月と6月が最初の繁忙期で、学校関係の工事を夏休み期間に行う必要があり、夏休み開始に合わせて工事着手するため、このときまでに工事発注を行い、業者を決定して打合せまで終えておく必要があります。

次の繁忙期は9月と10月です。工事発注や工事監理を行いながら、次年度の工事予算見積をしなければならないので、この時期が一番忙しいですね。

—設計を外部に委託することはありますか。

池田:新たに建物を建てる場合や増築をする場合などの設計は外部に委託しますが、既存の施設を改修する場合は職員で設計図面を書いています。全体の割合で言うと、委託しているのは約2割くらいです。

全ての設計を委託する自治体もあるようで、彦根市は自治体のなかでも職員が図面を書いている方だと思います。

現地調査や設計図作成の段階で施工上の課題や問題点に気づくことができ、工事発注前に対処できたりなど、職員が直営で設計を行うメリットはたくさんあります。

ー現場に行くことはありますか?

池田:施工の各段階で現場確認を行っています。大規模な工事になると毎週、現場事務所で定例会議を行い、現場確認や工事の進捗状況を確認しています。

—他の課とやり取りすることはありますか。

池田:工事をする時は建物を管理している主管課との調整を行う必要があり、担当職員との打合せやスケジュール調整などコミュニケーションを取る機会がたくさんあります。

水上:そんなに多くはないです。民間確認検査機関からの照会内容について、各課に照会をすることはありますが、直接のやり取りはほとんどありません。

—民間企業と違うと感じたところを教えてください。

水上:前職より職員の数が多いので、所属課や名前、年齢を知らない職員がいることです。

—仕事のやりがいを教えてください。

池田:建築に携わる者であればありきたりな理由かもしれませんが、自分が携わって完成した建築物が長い間地域の役に立ち、地図に残る仕事であるというところです。

—今後のキャリアプランを教えてください。

水上:今は質問しながら業務を行っている段階ですので、その辺りをなくしていきたいと思っています。今後は、より経験値を積み、仕事を効率よく進めていきたいと思っています。

—休暇の取得状況を教えてください。

池田:休暇は適時取得しており、休暇を取得しやすい職場環境です。

水上:前の職場と比較して取得しやすくなりました。休暇を取得しやすい職場環境だと思います。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年3月22日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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