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奄美大島に移住した保健師〜新卒で入庁し、地域密着でワークライフバランスを実現~

鹿児島県宇検村役場に新卒で入庁し、保健師という専門職で働く浅尾さんに、島に移住された経緯や仕事のやりがい、そして島での生活などについて伺いました。

—これまでの経歴について簡単にご紹介ください。

浅尾:出身は熊本県ですが、鹿児島県の大学と大学院に進み、卒業後に新卒で宇検村役場に入庁しました。

ー入庁された理由や経緯を教えてください。

浅尾:ちょうど大学院を卒業した2010年に、宇検村役場で臨時職員の求人募集がありました。前任者が産休に入るため、1年だけの期限付きであったためお試しでと応募しました。そして翌年には正規職員として採用されました。

ー臨時職員から正規職員になられたのにはなにか理由があったのですか?

浅尾:臨時職員として働いていた時は補助的な業務でしたが、色々と仕事を任せてもらえました。しかし実際に仕事をやっていくうちに、保健師として働くには1年では成果が見えないと感じるようになりまして。

もっと村民の方々と接しながら、じっくりと腰を据えて仕事に取り組みたいと思うようになり、臨時職員の任期が終わる前に正規職員の試験を受けました。

ー宇検村への移住を決意されたきっかけを教えてください。

浅尾:当時、臨時職員の募集は鹿児島県内の他自治体でもあったので、宇検村にするかどうかの選択肢がありました。先生にも相談しましたが、「保健師として地域に密着した活動をしたいなら宇検村が良いのでは?」とのアドバイスを頂きました。自分としても同じ1年を過ごすなら、より地域密着型の方がいいかなと。

あとは、奄美大島には以前から何度も来ていたので、何となく島の雰囲気は知っていて抵抗はあまりなかったですね。保健師さんが島民の方たちと、とても親しい関係で楽しく働いているのも事前に知っていたので、島で働くことにも良いイメージもありました。

ー課の体制やお仕事の内容などを教えてください。

浅尾:入庁時は保健師の資格をもっている正規職員2人に会計年度任用職員1人の体制でした。保健師の資格をもっている正規職員は4人いるのですが、教育委員会の方に異動となり、現在の保健福祉課内には正規職員で保健師は3名です。

入庁当時の主な仕事は検診や保健指導、訪問活動などでした。また同僚の保健師が産休に入ったので、同時に母子保健の分野も受け持ちました。高齢者に関してはベテランの保健師が担当するといった体制で、いわゆる業務分担という形です。

私の所属している保健福祉課は、地域包括支援や高齢者、子育て世代包括支援などを含め全ての支援サービスがあります。そして、先輩保健師の方々が大事にしてきた訪問活動を軸にして受け継いでいます。

現在は暮らしの様子などの見回りは会計年度任用職員が担当して、訪問活動の回数は減りました。しかし、病院に行かない、遠方に家族がいて連絡が取れないといった場合などに仲介者としての役割を担うこともあります。

あるいは「閉じこもり」などのケースが小さな村でも多くあり、ソーシャルワークなど他の専門分野や心理的なサポートなども含めた仕事も増えています。宇検村には社会福祉士がいないので、最近では、その分野の役割も求められていると感じますね。

ー多岐にわたる仕事の中で、やりがいを感じるのはどういった時ですか?

浅尾:もちろん保健師として求められることは多岐にわたりますが、仕事をやる上でとてもやりやすい環境です。職場の方々の助けや相談もできる環境で協力しあっています。

そんな中で、やはり小さな自治体なので、他の自治体では経験できないこともさせていただいている点がやりがいに繋がっています。

例えば、自分で予算を立てて事業を組み立てる機会など、早い段階から経験させてもらっています。また高齢者の事業でも、大きな自治体だと事業ごとに担当が分かれていたりしますが、ここでは全体が見れるのでやりやすいですね。

ー就業環境はいかがですか?

浅尾:昔は健診や教室などで休日出勤等はありましたが、就業環境は改善されていってるので、今は残業や休日出勤は少なくなりました。やはり対人援助の仕事なので、自分たちが健康でないと良いサービスは提供できませんからね。

ー入庁された時は移住者という立場でしたが、島の暮らしに馴染めましたか?

浅尾:学生時代に奄美大島の「加計呂麻島」へ訪れることもあったので、ある程度島の暮らしはイメージできていたように思います。

それと入庁当時は集落の「青年団」の団長が職員の方でして、その方に誘われて入団して、島の若者たちと一緒に地域の行事などに参加していくうちに、島民と交流しながら仲良くなりました。

ー最初は1年のつもりが、さらに長く暮らそう、職員として勤めようとなぜ思われたのですか?

浅尾:振り返ってみると、仕事もプライベートも、私はあまり遠くに目標を置くタイプではなく、「目の前のことに取り組む」というふうに暮らしていたら、プライベートでも、いつの間にか結婚して子供も生まれてといった感じで、自然と移住した生活となっていました。

また生活していく中で、その都度その都度「やっぱり島って、すごくいいなあ」というタイミングがあります。

例えば、この前もうちの娘に、同じ集落の方がクリスマスプレゼントにお菓子をもってきてくれました。私の親が島外にいるので、その代わりだと。こういう関係性になれるのは普通はやはり難しいと思います。

そしてもちろん、仕事でもう少しこうしていきたいという部分が常にあり、こういった地域との繋がりが、島に定住するモチベーションになっているんでしょうね。

ー今後の希望や宇検村役場に興味を持たれた方へのメッセージはありますか?

浅尾:私が入庁したころは、村外の地域や私みたいに県外など、いろいろな地域から職員さんが来ていました。小さな自治体ですが、とてもバリエーションのある役場です。最近は宇検村出身の若い人が村に戻ってきて、いろいろな活動をしています。

ぜひ若い人には来て欲しいですね。まずは気軽に島に来てみると、その良さが分かりますよ。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2024年8月13日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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