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自然が豊かな環境の中で塾運営を実践する!〜岡山県吉備中央町の公営塾講師の働き方とは?~

—これまでのご経歴を教えてください。

坂野:吉備中央町には今年の5月に入庁したのですが、その前は倉敷市の民間塾で5年間ほど教室運営や講師をしていました。

その前は全く違う分野の仕事もしていましたが、大学の頃から教職を目指し家庭教師や塾講師を経験してきた流れで、塾関係の仕事に就いたという流れですね。

—吉備中央町に入庁することになったきっかけは?

坂野:民間塾を退職後、塾関係の仕事を探して求職活動をしていた真っ最中に、ハローワークで吉備中央町の公営塾講師の求人を見つけたのがきっかけです。

地域おこし協力隊としての募集だったこともあり、いろいろと問い合わせをして受験することにしました。

—吉備中央町は以前からご縁があったのでしょうか?

坂野:全く何も知らなかったです。自分の地元は岡山市の南にある玉野市というところだったので、位置すら曖昧であったような感じです。

—採用試験はどのような流れだったのでしょうか?

坂野:書類選考と面接、その後志望動機などのレポートを提出しました。面接はいきなり教育長面接だったのでとても緊張しましたが、担当の方が朗らかだったのでその方とやりとりをしながらほっとしていました。

—今の仕事内容について教えてください。

坂野:中1から中3の英語の授業を担当していて、少し事務もしています。塾は、町内唯一の中学校の向かいにあります。

学生は塾に1回来たら、英語と数学を一コマずつ受講して、夜の7時、8時ごろに帰ります。

通っている生徒は3学年合わせて30人位ですね。

—今はどの教科の講師をされているのですか?

坂野:以前の塾では、中学生は5教科、高校生は英語を見ていました。ちょうど6月で前任の英語担当の方が辞められたこともあり、経験してきた英語を担当しています。

現在、塾は3人の講師で運営しています。英語講師と数学講師が1人ずつと、どちらもする方が1名です。月曜が中学の1年生、木曜が2年生、火曜と金曜が3年生の講座を行い、水曜は全学年の塾生が来てもよい自習の場として使用できるというスケジュールで進めています。

—いきなり最初から自分が教えるという体制なのですか?

坂野:塾講師で入った方の全員がそうだとは思いますが、最初から授業ができるわけではありません。まずは、メインの講師が授業を進めるフォローに入ります。

その中で授業の内容が理解できていない子のところへ行ってアドバイスしてあげたり声かけたりして、子供の名前と顔を覚えてお互いに慣れていくという時期が2ヶ月程ありました。

—勤務時間はどうなるのですか?

坂野:生徒は授業と部活動が終了する17時位に下校するので、14時に出勤後17時まで授業の準備、17時から19時まで授業をします。生徒の親が迎えに来るまでは自習の手伝いをして、20時までには片づけて帰ります。

17時からは授業なので、14時から17時まで様々な事務の仕事をしています。

—募集要領で運転免許必須となっていますが、外出することがあるのですか?

坂野:地域おこし協力隊となると、ありがたいことに住宅と車1台が用意されています。車は通勤用として支給されるので免許が必要になるのです。1日往復30キロ位の通勤に車を活用していて、ガソリン代も町負担です。

また通勤だけではなく、買い物など生活する上で必要な車の使用も、記録をつけて申請すれば利用できます。

—講師や教育者としての経験は必須なんでしょうか?

坂野:募集では教育系の経験は必須ではありませんが、今所属している講師の方々は皆さん経験がありますね。何十年も、講師を経験されている方もいらっしゃいます。

やはり、この職種に対して応募していく方々は地域おこし協力隊というよりは、塾で働くというイメージで応募してこられているのだと思います。

—働いている場所について教えてください。

坂野:きびプラザという教育委員会が入っている建物に一旦出勤します。それから中学校の向かいにある公民館に車で10分位かけて移動するというルーティンですね。

—公営塾と民間塾の違いはありますか?

坂野:子供に対して授業をする仕事というところでの違いはないです。細かい手順は違いますが、教科書も一緒ですし基本的には変わらないと思っています。

生徒が来て授業をして、テストがあってその見直しをして、いろいろと相談に乗るという点は変わらないです。教えていく面白味というのも変わらないものですね。

—生徒の皆さんに違いはありますか?

坂野:受験に対して強い意識は持たれていないことが多いですね。

地域性もあると思うのですが、みんなすごい朗らかでのびのび元気よく育っていると感じます。一方で、勉強習慣がついてない子が多いので、勉強や塾の重要性、使い方をもう少し知っていただくために頑張っていきたいですね。

—お仕事の環境は働きやすいですか?

坂野:仕事内容と勤務時間がはっきりしているので、働きやすいと言えます。勤務時間は14時から20時で、きっちりと帰ることができます。

塾の終わりは親のお迎えが必ずいるので、テスト前に授業のコマを増やすなどのイレギュラーな時間はむしろ入れづらいです。

土日は基本休みですし、呼び出されることもないので、遊びに行ったり自分の勉強時間だったりとかで、好きなことに使えますのでとても満足しています。

—吉備中央町の住み心地はどうでしょうか?

坂野:場所としては岡山県の中央に位置しているというだけあって、岡山市や倉敷市、総社市といったところに全部道路が繋がっているので、どこに行くにもアクセスは良いです。

バスや電車は無くお店も少ないですが、車があれば30分から1時間出れば大丈夫なのでストレスは感じません。自然が豊かな場所で山は綺麗だし、仕事していく上で悪くはないですね。

—今後、目指していることはありますか?

坂野:この公営塾を自分達で民間にするということなども計画としてはあがっています。ただ採算が取れるのかなど、まだまだ未知数な部分です。今後はそういったことも視野に入れながら、個人としては定住できればベストかなと思っています。

—吉備中央町の地域おこし協力隊の良いところは?

坂野:1年2年3年といった年単位で最高が3年間の契約になるので、教員志望の人や教育系の仕事に就職をしたけれど何らかの事情で辞めた人に向いていると思います。

例えば「1年間は勉強するぞ」と決めた時に、ここで仕事をすれば、14時から20時以外は自分の時間があるのでしっかり勉強する時間も取れるとは思いますね。

—本日は、ありがとうございました。

この記事は2024年2月16日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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