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「ひとつひとつの仕事に裏付けや理由を持って深掘りしたい」〜銀行員から市役所職員に転身!なぜ奈良県御所市へ?〜

銀行員から奈良県御所市役所に転職された松浦 翔太さんに、前職での経歴と御所市役所に転職されたきっかけ、仕事をする上での醍醐味などを伺いました。

—まず、これまでの経歴を簡単にご紹介お願いします。

松浦:大学卒業後、銀行に就職して営業担当として5年勤めました。銀行員時代は異動が多く、はじめは地元の和歌山県の支店、次に大阪や奈良に行くこともあり、おおよそ2年半ごとに異動がありました。

その後転職活動を経て、昨年(2022年)4月に奈良県御所市役所に入庁。現在は出納室出納係に在籍しています。

—公務員に転職されたきっかけは?

松浦:将来のライフプラン(結婚、子育てなど)を考えたときに、当時勤めていた銀行は異動が多かったので、定住が難しいのではないかと思ったんです。

また、地域活性の仕事に興味があったので、定住しながら地域に根ざした仕事ができるのは公務員ではないかと考え、転職に至りました。

—地元の和歌山など他にも候補はあったかと思いますが、その中から最終的に奈良県御所市役所を選んだ決め手はどこだったのでしょう。

松浦:理由は2つあります。ひとつは、御所市そのものに魅力を感じたからです。営業の仕事で何度か御所市を訪れたこともあり、その時から豊かな自然と神社仏閣などの歴史的文化遺産に心惹かれていました。

もうひとつは、御所市の1次試験がテストセンター方式だったことです。一般的な公務員採用試験は1次試験が教養科目や専門科目の筆記試験であることが多いと思うのですが、御所市ではパソコンを使った基礎能力・事務能力を見る試験でした。

私のように民間企業からの転職者は、仕事をしながら試験勉強を行う余裕がない方もいるでしょうから、この試験方式は良いなと感じました。

—先ほど採用試験について触れられていましたが、試験のための勉強や準備などはあまりされていなかったのでしょうか?

松浦:そうですね。仕事が終わったら疲れ果てて寝てしまうことが多かったので……。そういう意味でもテストセンター方式での試験は非常に助かりました。

2次試験は面接だったのですが、今まで民間の面接試験しか受けてこなかったので、公務員試験の面接というのがまったく想像できずにいたんですね。なので、とりあえず新卒の方と差別化できるような受け答えは準備しておいて、あとは成り行きでどうにかしよう!という考えでした(笑)。

実際に面接を受けた印象ですが、御所市の面接は民間の試験に比べるとフランクだなと感じました。受験者の緊張を解す意図もあったのでしょうが、趣味に関する質問があったのは意外でしたね。

—その後無事に入庁されたわけですが、現在在籍されている課の仕事内容と構成、研修について教えてください。

松浦:現在在籍している出納室では、お金の入出金など資金繰りの仕事をしています。税の収納もたまに行いますが、基本的には事務作業がメインです。

部署内は自分も含めると課長と係長、係員2名の合計4名。自分と係員の先輩は2歳ほど離れていて、課長と係長とはもっと年齢が離れています。仕事中はきちんと上下関係がはっきりしていますが、プライベートでは年齢差がある課長職の方が「一緒にゴルフ行こうか」と気さくに声をかけてくれることもあります。

1年目の全体研修は新卒の子もいたので、ビジネスマナー研修が中心でしたね。その後出納室に入り、はじめの1週間は先輩が付きっきりで指導してくれました。

—前職と比べて働く時間や環境などはどのように変わりましたか? また異動はどのくらいの頻度であるのでしょうか?

松浦:事務の仕事がメインになったので、時間的な余裕はできたように感じます。営業に出るときはどうしても外回りがあるので、じっくり業務を振り返る時間というのが取れなかったんですよね。

残業に関して言うと、4〜5月にある出納閉鎖期間などの繁忙期を除いて基本的に定時で帰れますが、出納閉鎖期間中は残業があります。

休日に出ることはないです。組織で仕事をしているので、誰かが休むと全体でカバーしてくれて休暇も非常に取りやすいですね。

—銀行で経験された民間の仕事と、御所市役所の仕事とで大きな違いはありましたか?

松浦:強いて言えば個人プレーか組織プレーかという違いでしょうか。銀行の営業は支店の目標が各社員に割り振られており、個人で動かざるを得ない部分があります。

一方、役所はひとつの業務や問題が発生したときに出納室内全員でどう対応していくかという共有をしていきます。自分はどちらかというと組織で動く方がやりやすいと感じました。

営業時代のように自分で数字をあげることも嫌いではありませんが、問題が発生したときは自分1人で解決することが前提で、他の情報を得られないまま対応してしまうこともあったんです。

それに対し、現在は組織として全員で問題を共有して対応できるので、自分としては後者の方が居心地良かったですね。

—公務員になってからの仕事の醍醐味や、やりがいを感じる部分はありますか?

松浦:私が担当する出金業務で言うと、「市役所すべての課が今どういった施策で動いているかを把握できる」ところが醍醐味でしょうか。

さまざまな課から提出される「こういう出金をしたい」という伝票をもとに支出の処理をしていくので、お金の流れを見ながら自分が知らない市の施策や制度、御所市の全体像が把握できて、大変勉強になっています。

制度面で一番驚いたのは、お子さんが生まれてチャイルドシートを買うときに、その金額の一部が市から補助されると知ったときです。このような制度もあるのかと。

—今後御所市の職員として勤続していくにあたり、5年後・10年後を見据えてどのように成長していきたいですか?

松浦:今後のキャリアアップのことを考えると、ひとつひとつの仕事に「この業務はなぜ行う必要があるのか」という裏付けや理由を持って仕事をしていきたいと思っています。

これからの異動やその先のキャリアを考えたときに「この課ではこういう業務がある」ということの裏付けを後輩たちにきちんと伝えられる先輩でありたいなと。

その深掘りをしていくためには、出納の業務だけでなく他の課の業務などにもリンクさせて、御所市がどのような施策をやっていきたいのかというのをもっと知っていく必要があると考えています。

—最近御所市に居も移られたとのことですが、御所市での暮らしはいかがですか?

松浦:以前は地元の和歌山県から40分ほど掛けて通っていたのですが、現在は御所市内に住んでいるので、役所には徒歩で通っています。

生活必需品の買い物は御所市の中で完結できますが、たとえば服を買いに行くときなどは大阪まで出ることもあります。それでも交通機関のアクセスが非常に良く、近鉄とJRが走っているので、電車に乗れば40分ほどで大阪まで出られますよ。

観光スポットも豊富で、シーズン時に葛城山に行ったときは非常に綺麗でしたね。

—最後に、御所市役所ならではの良さなどがあればお願いします。

松浦:私が出納室にいるからかもしれませんが、色々な課の方と交流ができています。仕事もやりやすく、他の課長職の方も気さくに声をかけてくれるので、職場環境は非常に良いと感じます。

なお、私も含め民間から公務員に転職される方は「とにかく公務員になりたい!」という思いが先行し、なかなか自治体ごとの特色まで目を向けられていない方もいるかと思います。そのため、御所市でいえば筆記試験ではなくテストセンター方式という試験方法を採用していることや、一体どのような市なのか、という情報を知っておくことは大切だと思います。

—本日はありがとうございました。

この記事は2024年1月4日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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