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24年勤めた民間企業から公務員への転職!十和田市役所職員として活きる、民間で得たスキル

民間企業で24年間勤めた後に十和田市役所へ建築技師として転職され、現在教育総務課にて係長として活躍されている太田さんにお話を伺いました。

-これまでの経歴を教えてください。

太田:高校卒業後、市外の建設会社に24年在籍していました。学校などの公共施設関係や、店舗事務所など民間施設の現場監督、住宅や店舗の設計、施工までの全般と幅広く担当していました。

その後、十和田市役所の職員採用に社会人募集枠があることを知り、「生まれ育った十和田市で恩返しをしたい」という思いから、腕試しを兼ねて受験し、入庁に至りました。入庁当初は都市整備建築課に配属されましたが、現在は教育委員会の教育総務課で、主に学校施設全般の設計や工事の発注、国などの補助金申請関係業務を担当しています。

-教育総務課の体制や人数について教えてください。

太田:教育総務課は私が在籍する教育施設係と庶務係、学務係の3係で、私は教育施設係長として工事担当2名、修繕担当2名とともに業務に当たっています。課の雰囲気は風通しが良く、お互いにコミュニケーションを積極的にとっています。

-現在の業務では事務作業が多いのでしょうか。また、どのようなところで難しさを感じますか。

太田:設計委託の発注から、成果品として納品された設計図面や、設計金額の内訳書を国や県の基準に当てはめて精査し、工事を発注するので、事務作業の方が多いですね。また、建物の管理や修繕なども業者の方に委託しているので、その見積や精算も行います。事務以外では建物の管理状況を確認するために、業者の方と一緒に現場を見に行くことがあります。

難しさを感じるのは、行政特有の文書作成や、建築に関する専門知識は持っていても、業者の方に対し指導する立場上、法律、規則など常に最新情報をチェックしておき、工事現場で臨機応変な対応が求められることです。前職の知識を活用できていますが、困った時には当然上司への報告や他課の担当者へ相談するなど常日頃からのコミュニケーションも重要と思っています。また、専門分野の深い部分については、業者の方に意見を伺うこともあります。

-年間の業務スケジュールはどのようになっているのでしょうか。

太田:工事の発注は概ね4~6月に集中しており、工事契約締結後には、現場を担当し管理する機会が増えていきます。この他にも、施設の修繕関係の業務が随時発生するので、実際に現地を確認したり、それに関連する事務をこなします。

また、ほぼ同時進行で補助金等の申請事務や年度末には実績報告や請求などの事務もあります。更に、次年度の予算要求が10~11月頃から始まるため、事前に施設の管理や老朽化の状況を把握するなど、一年を通していうと年度の始まりや秋ごろ、年度末は繁忙期となります。

-残業についてお聞かせください。

太田:時期によって変わります。教育施設係は昨年まで係員が3名だったこともあって比較的多かったのですが、今年からは5名に増員されたため、削減することができています。また、係員の業務へも目が行き届くようになったので、内容的にも大幅に改善されました。

また、十和田市には現時点で学校施設が20校あり、そのうちの数校は今後10年から15年程度で建て替えの必要が生じる見込みのため、校舎の統廃合や新築又は修繕でいくのか大切な計画を検討する時期に差し掛かっており、それらの新たな業務が始動し始めている状況です。

-どのような心構えでお仕事をされていますか?

太田:仕事をするときは「市民の方のために活躍するぞ」ということを心がけています。建築に携わることができることもとてもありがたいですし、みなさんとても優しいです。

わからないことがまだまだ沢山ありますが、質問には親切に答えてもらえており、私自身、日々勉強しております。

-印象に残っているお仕事はありますか?

太田: 最初配属となった課で、民間企業の資金と経営能力や技術力を用いたPFI事業を取り入れた市営住宅の建設に携われたことは、とても印象に残っています。市営住宅を建てることを市民の方々に段階を踏んで説明会をしたり、議会へ報告するための資料作成など、民間でいうプレゼンといったところでしょうか。事業を短期間で進めたことはとても大きな自信になっています。

また、計画や設計にも力を入れました。5階建てで宅配ボックスがあったり、バリアフリーに特化したエレベーターの設置も設計の中に組み込まれており、他と比べても性能の良い市営住宅だと思っています。こちらは企画から設計、建設まで5年計画で進めていて、今年度中に完成予定です。

-転職後業務をこなされる中で、民間企業と行政での仕事の違いはありましたか。

太田:工事の発注から契約、完成に至るまでの時間が大きな違いだと感じます。 民間だと事業に取り組む際に、意思決定までのスピードが早い一方、行政では、法令に準じ根拠を調べたり、事業によっては議会の承認が必要だったり、他課との調整など各段階を踏まなければならないので、その違いは入庁した際戸惑いました。

民間での経験が活きたことは、建築に関する知識のおかげで入庁後に図面の作成や設計書をすぐに理解することが出来た点ですね。そこは前職で学んでいて良かったと思いますし、現在も様々な場面でこれまでに得た建築の知識を活用することが出来ています。

-入庁する前後でのギャップは感じましたか。

太田:感じました。大きな点としては、時間外業務量が部署によっては意外に違うことですね。私自身が業務に対する習得が遅いため、入庁時は新しい知識を学ぶために時間を費やしてしまうことも多かったのですが、やみくもに業務をこなすのではなくメリハリをつけるようアドバイスされ、その重要さを実感しました。

-これから行う工事で挑戦したいことや取り入れてみたいことはありますか。

太田:改修工事に関しては、ポイントを絞りどれだけコストを抑えることができるかが重要になってくると思います。新築に関しては周りからは大変と聞いていますが、集約化や複合化ができれば良いなと考えています。

例えば、校舎を学校施設として使うだけではなく、地域の人との交流が生まれるようにコミュニティスペースを組み込んだり、すでに実施している学校もありますが、放課後児童クラブなども取り入れ一体として活用する建物が出来ればと思っています。関係機関との調整が大変ですが、特にこのようなことは行政ならではの仕事だと思うので、やりがいにも繋がりますね。

-十和田市はどのようなまちだと感じますか?おすすめのスポットや建築物も教えてください。

太田:内陸部に位置しており、土地的に災害にすごく強い場所だと感じてます。過去に大きな地震が起きた際も建物はしっかりしていて、地盤が強い故に沿岸部に比べ被害があまり及ばなかったんだと実感しました。

おすすめのスポットとしては、世界的に有名な建築家が建てた施設である、現代美術館、教育プラザ(図書館)、地域交流センター、市民交流プラザがとても魅力的で、観光客の方も多く訪れています。自然豊かな十和田湖も綺麗なので、皆さんに訪れてみていただきたい場所の一つです。

現代美術館は金沢21世紀美術館も手掛けた西沢立衛さんによる設計で、白を基調とした建物となっており、近くには現代芸術家の草間彌生さんの作品も見られることや日本の道・百選にも選ばれた官庁街通りからでも見えるような視覚効果が取り入れられています。また、安藤忠雄さんによって建てられた教育プラザ(市民図書館)は打放しのコンクリートを使用していて、官庁街を眺めながら本を楽しめる空間となっています。

十和田市ではまちなかアート活動推進事業という事業を取り入れ、まちなかを歩きたくなるようなスポットがたくさんあります。また、市の中心地は坂道が少ないことも特徴なのですが、歩道も広く景色がいいのでウォーキングもおすすめです。

-今後、十和田市役所を目指す方に一言お願いします。

太田:建築業界では人手不足の状況が続いています。キャリアアップとなると民間企業で設計や現場に携わることを第一に考える方も多いかもしれませんが、行政では今後も施設の改修などまだまだやるべき事は多く、現場の経験も重ねることが出来るため、私のように民間企業出身でも、公務員として専門知識を学びながらキャリアを磨くことができるので、多くの人に検討していただきたいですね。

また、十和田市には優しい方がたくさんいるので、職場環境や人間関係の観点からも十和田市役所は働きやすい環境です。他市町村の方にも興味を持っていただいて、採用試験に挑戦していただけると嬉しいです。

この記事は2024年8月27日にパブリックコネクトに掲載された記事です。

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